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2018年の3Dプリンティングはどうなるか?掲載日:2018/01/17

3Dプリンティングに携わる仕事の中で出会う、様々な3Dプリンティングの「?」や「!」ついてお伝えするコラムです。

2018年の初めにあたり、今年3Dプリンティングはどんなことが起き、どうなりそうなのか、予想してみると…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術副部長。Stratasys プロフェッショナル向け3Dプリンターの新しい使い方を開発提案する業務を主に担当。3Dプリンティングで日本のものづくりに役立つ何かを探し続ける日々。

2018年 3Dプリンティングに起きそうなことは?

新しい年を迎え、最初のコラムとなります。今年も引き続きよろしくお願い致します。

さて、昨年の世の中を振り返りますと、社会でも経済でも様々な予想しなかったことが起き、変化も速く、先に起こることを予想するのがますます難しくなっているように感じます。3Dプリンティングの分野でも同じで、なかなか予想が当たらないのですが、「こうなってほしい」という個人的な「願い」も半分含めて、2018年に3Dプリンティングの分野でどのようなことが起こり、どうなりそうなのかを予測したいと思います。

「生産性向上」とロボットと3Dプリンティング

昨年末に政府が2兆円規模の政策パッケージを閣議決定した報道があり、それは「生産性革命」と「人づくり革命」の実現を目指すものだそうで、特に「生産性革命」では国土交通省が「生産性革命プロジェクト」を推進しており、20の生産性革命プロジェクトを先進事例として選定し、進めているようです。

ここでの「生産性革命」や「生産性向上」について、ネット上でも書籍でも様々な説明や解釈があるようですが、これまで一般に言われてきた、例えば1日で同じ製品を10,000個作れたものを12,000個作れるようにするという「効率向上」とは違い、これから労働人口が減り、労働時間も短くしなければならない中で、より少ない労働力でより価値の高い「成果」を生み出していくという狙いのようです。

3Dプリンティングが生産性革命に貢献しそうな例として、例えば昨年11月末に開催された「2017国際ロボット展」でも、人に代わって作業を行う、または人と協力して作業を行う産業用、福祉介護用ロボットが多数出展され、その中には3Dプリンティングで作られた樹脂部品が多く見られました。生産性向上に役立つロボットは増え、それに有効な3Dプリンティングの活用は2018年にますます増えると考えています。

桃を運ぶロボットのグリッパ

アームロボットによる研磨作業ロボットの先端装置を装着するアタッチメント(白色の部品と、展示のためのボールが3Dプリント製)

東京都立産業技術研究センター様の翻訳ロボット(胴体の多くの部品は3Dプリントと塗装による)

 

建設・土木、医療と3Dプリンティング

前述の国土交通省「生産性革命プロジェクト」の一つでもあり、労働者不足がすでに問題になっている建築、建設、土木分野においても、国土交通省が推進している「i-constraction」では、3次元データの有効活用がキーワードとなっており、設計や施工のために作られる3次元データは、より情報共有がしやすい3Dプリント縮小模型などにより多く活用されるだけでなく、正確で容易な施工のための治工具や、少量生産のインテリア実用品などに使われるケースが増えると予想しています。

それ以外に既に広がりつつありますが、医療分野でも従来主に画像診断にだけ使われてきたCTやMRI、エコーなどから得られる3次元データを、手術のシミュレーション、教育実習などに使われる3Dプリント立体模型へ活用することも2018年は更に増えていくと思います。生産性向上とは違いますが、診断のためのデータを活用して付加価値を作り出した昨年の例として、産婦人科医院で超音波診断装置で取得した三次元データをもとに、妊婦と医師で相談し使用するデータを選定、そのデータから丸紅情報システムズ株式会社が3Dプリンターで胎児モデルを造形し、産婦人科医院を通じて納品するという新しいサービスビジネスが立ち上がりました。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

3Dプリンターはどうなっていくのか?

本コラムでも何度か述べていますように、3Dプリンティングの知名度や理解は広がり、それに伴いニーズも高まっていますが、品質、スピード、コストの面でそれらに応えるプリンター、材料、作業自動化システムは出来ておらず、足りないところが多いのも現実です。反面世界的にニーズがはっきりしてきたことで、それを解決するための技術開発が加速していており、これは2018年も続く傾向だと思います。

特に樹脂、金属だけでなく、セラミックや繊維複合材含め、3Dプリンティングで作れる材料の種類は、2018年に急速に増えると予測しています。従来は3Dプリンターメーカーや限られた会社だけで材料開発をされていましたが、近年は世界中の原料メーカーが積極的に材料開発に参加してきており、開発競争が激しくなっているので、むしろ3Dプリンターというハードウエアより、材料と、それを有効に使うための設計解析技術、ソフトウエア技術の開発が急伸することが2018年に起こるのではと予測しています。「Voxel(ボクセル)」の活用もその一つかと思いますが、詳しくは別の機会にお伝えします。

プリンターとしては、大型と小型の2極化、これまで人が行ってきた作業の自動化、ある用途に特化した専門化が進むと思いますが、全ての3Dプリンターに共通した課題の「高速化」に対し、2018年には大きな進展があるのではと予測しています。これは「層を重ねる」という原理から、「型成形」ほど速くなるとは考えていませんが、様々な研究開発が進められており、期待したいと思います。

それでもどうなるかは「人」次第

2018年での3Dプリンティングにかかわるニーズや技術開発について予測してみましたが、みなさんはどうお考えでしょうか?

当たるか外れるかは別にして、そのような技術や製品ができたとしても、それを使って生産性向上につなげられるかどうかは、「人」次第であることは変わりないと思います。3Dプリンターはあくまで一つの道具として、作り方や効率、コストだけではなく、ビジネスやサプライチェーン、人の発想や働き方を変えていくことに活用されれば、3Dプリンティングにとって2018年がターニングポイントの年になると思いますので、筆者もその実現に向け、情報収集と発信をしていきたいと思います。

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