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チョコレート工場を3Dプリンティングがどう変えた?掲載日:2018/03/20

3Dプリンティングに携わる仕事の中で出会う、様々な3Dプリンティングの「?」や「!」ついてお伝えするコラムです。

先日海外からのウエブニュースでとても興味深く、日本でも参考になる記事が掲載されていました。それは、オランダのチョコレート量産工場で、生産機械のある部品を金属切削加工から、カーボンファイバー入りナイロン樹脂の3Dプリンティングに置き換えたとのことですが、どのような使い方で何が変わったかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術副部長。Stratasys プロフェッショナル向け3Dプリンターの新しい使い方を開発提案する業務を主に担当。3Dプリンティングで日本のものづくりに役立つ何かを探し続ける日々。

オランダのチョコレート製造工場

筆者が若いころは無かったのですが、今では3月14日はホワイトデーとしてすっかり定着していて、バレンタインデー前後と同じく、先週多くのお店でクッキーやチョコレートがたくさん並べられているのを見ると、普段それほど食べないのに、なぜかおいしそうで買ってしまいました。でもほとんどは家族に食べられてしまいましたが。

ヨーロッパに出張するときも、空港や街でおいしそうなチョコレートを目にすることが多く、値段の高いものはもちろん、安いものでもおいしいと思います。ヨーロッパの多くの国ではチョコレートは特別なものではなく、生活に根付いた、欠かせないものになっていると感じます。

特にベルギーやスイスは有名ですが、オランダのチョコレートメーカーの一つである「The Chocolate Factory」に関するStratasys社からの記事が以下の通り公開されていました。

http://investors.stratasys.com/news-releases/news-release-details/chocolate-factory-overcomes-costly-machinery-downtime-replacing

要約しますと、チョコレート製品を大量生産する包装機械の部品を、従来金属切削加工で作っていましたが、下の写真のようにStratasys Fortus450mcプリンターと炭素繊維35%含有ナイロン12樹脂材料「Nylon12CF」で作ったところ、大きな改善効果があったとのことです。

3D printed replacement machine part, produced in tough Stratasys FDM Nylon 12CF thermoplastic containing 35% chopped carbon-fiber (Photo: Business Wire) Multimedia Gallery URL

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3Dプリンティングはどのような利益をもたらしたのか?

この工場では常時たくさんの種類のチョコレート製品を自動生産機械により生産しているそうで、上記の部品は約3か月ごとに交換しなければならないのですが、以前は金属製で1個ずつ加工しなければならないもので、納期も約1か月かかっていたそうです。しかもある異常により、この部品に大きな力がかかると、強すぎることでこの部品だけでなく、リンク機構でつながっている複数の部品が壊れ、その修復に大きな時間とコストがかかってしまうことがあったそうです。

そこで、上記の通りこの部品をNylon12CF材料で作ることにし、その材料の性質で機能を満たすように設計変更してテストしたところ、十分な剛性があり使えることが分かったので、量産に使い始めたところ、部品製作コストを60%削減できただけでなく、異常の時もこの部品だけが壊れるので、都度3Dプリントして交換する場合も1週間以内に修理復旧でき、特に忙しくなるクリスマス前でも生産能力を保つことが出来たと、大変喜んでいるそうです。

更に、Fortus450mcの次の活用方法として、チョコレートを固めるための試作型を作り始めたそうです。その型は従来プラスチックを削っていましたが、3Dプリンティングに変えることで新しいデザインの評価が早まり、コスト削減にもなったとのことです。

 

 

生産機械部品のDDM化は大きな利益を生む可能性があります!

上記の例にみられるように、自動生産機械の部品、特に包装機械のように多種の製品形状ごとに個別の部品が必要であったり、形状が複雑で切削加工に時間やコストがかかる場合、Stratasys社の樹脂材料の中で最も剛性が高く耐久性もあるNylon12CFで3Dプリンティングによる直接生産=DDM(Direct Digital Manufacturing)に置き換えることで、単に部品の制作コストや制作時間が減るだけでなく、敢えて「金属より壊れやすい」ことを活用し、異常時に機械全体が受けるダメージや修理復旧の時間とコストを下げられ、かつ生産能力を上げられることがあります。

もちろん、正常運転時においても、まず金属より軽くなることで、従来より早く動かせることにより時間当たり生産数を上げたり、副次的な効果ですが機械の消費電力を削減できる可能性もあります。

自動機械だけでなく、人が作業するための治工具や部品固定台なども、軽くなる、作業しやすいカタチになることで生産能力向上、コスト削減できる事例は既に数多く公表されています。

少し前までは、3Dプリンティング出来る樹脂材料の剛性や耐久性が足りず、アイデアはあっても出来なかったことが、Nylon12CF材料によって実現できる範囲が大きく広がっています。皆様の生産機械でも、このような利益が得られる部品がないかどうか、一度探してみてはいかがでしょうか?

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