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月を目指す夢はまだ終わらない!掲載日:2018/04/04

3Dプリンティングの「?」や「!」ついてお伝えするコラムです。

月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに日本から唯一挑戦したチーム「HAKUTO(ハクト)」。2018年3月31日にレース終了と共に活動の幕を降ろしました。弊社丸紅情報システムズ株式会社もサポーティングカンパニーとして協賛支援してきましたが、実はこれで月を目指す夢が終わったわけではなく…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課エキスパート。Stratasys プロフェッショナル向け3Dプリンターの新しい使い方を開発提案する業務を主に担当。3Dプリンティングで日本のものづくりに役立つ何かを探し続ける日々。

新年度がはじまりました

読者の皆様の多くの企業、組織、学校と同じく、丸紅情報システムズ株式会社も4月1日に新しい年度を迎えました。

皆様の中にも新しい職場、学校でのスタートを切られた方もいらっしゃると思いますが、今回は筆者がどんなところで働いているかと、とある「夢」の話題から始めたいと思います。

まず筆者が今勤務している丸紅情報システムズ株式会社の本社は高田馬場駅近くの現在のビルに2016年5月に移転して、ほぼ2年になります。

住友不動産 新宿ガーデンタワーというビルの13,14階に会社があります。ビルには一般住戸もあるためか、敷地に緑がたくさんあり、特にこの季節はきれいです。

隣には大きな「戸山公園」があり、筆者も昼休みに散歩したりしていますが、いくつかの種類のきれいな桜の木もあって、広くて木々の多い公園です。天気の良い日は近くの早稲田大学の学生の皆さんや、子供から大人まで、多くの人が楽しんでいます。

会社の応接会議室や3Dプリンターのショウルームは13階にあり、周りに高いビルが無いので窓からは広く遠くまで見ることができます。向きや天気によっては富士山、スカイツリーもよく見えます。でも筆者は高いところがちょっと苦手なので、あまり窓には近づかないようにしていますが…

3Dプリンターショウルームからの眺め。 線路はJRと西武新宿線で、右奥が高田馬場駅

もし弊社またはお近くに別件でもいらっしゃることがあれば、ぜひこちらから事前にショウルーム見学申し込みをしていただき、ご覧いただければと思います。

高田馬場は学生の多い街でもあるからか、駅周り中心に飲食店はたくさんあり、都内にしてはお財布にやさしいお店が多い印象で、「左利き」の筆者にとっても安くてよいお店を探検しがいのある街です。

 

月を目指したHAKUTOとは?

次に3Dプリンティングも少し関わる「夢」の話題です。

HAKUTOについては以前も2017年10月のコラムでご紹介したことがあり、弊社の3Dプリンティング活用事例でもこちらでご紹介していますが、人類初の月面探査レースGoogle Lunar XPRIZEに日本から唯一参加したチームで、ispace社代表取締役&ファウンダー 袴田武史さんが2008年に設立、主に「プロボノ」と呼ばれる、本業を持ちながらボランティア的に参加する方々、東北大学 吉田和哉教授とその研究員の方々を中心に、ローバーと呼ばれる月面探査機の研究開発をされ、昨年2017年末には実際に月へ送るフライトモデル「SORATO」を完成させ、インドの別の参加チームと相乗りでインド宇宙研究機関(ISRO)のロケットPSLVで打ち上げられることが決まり、昨年末にインドへSORATOを送り、後は打ち上げを待つのみでした。

実はこのローバーには、サポーティングカンパニーとして協賛提供した、カメラの周りに月面の細かい砂(レゴリスと呼ばれるそうです)などが入ることを防ぐためのダストカバーが搭載されていました。上写真丸印のカメラの中に下写真のような部品が組み込まれています。

これはStratasys Fortus450mcで、強度、耐熱性、難燃性に優れたULTEM9085樹脂(ULTEMはSABICイノベーティブプラスチック社(SABIC Innovative Plastics IP BV)の商標です。)で作ったもので、限られたぎりぎりのスペースに収まり、出来るだけ軽くなるよう最適形状設計されています。ローバー完成間近で必要になりましたが、短期間で作り、完成期限に間に合いました。ちなみに4つのホイールもULTEMの射出成形品です。

また、弊社はドイツGOM社の日本総代理店でもあるので、HAKUTOでコンピュータ解析に必要な3次元データを購入電子基板からGOM ATOSスキャナで作成、提供もしてお役立ていただきました。

筆者はHAKUTOに2014年から関わってきたこともあり、特に「宇宙大好き」ではないですが、夢のあるHAKUTOのプロジェクトを個人でもサポーターになり応援していました。おそらく世界で初めて、かつ自分が作った3Dプリント部品が月に行くかもしれないとワクワクしながら、年末年始を迎えていました。

思ってもみなかった結末が...

ところが、今年2018年1月9日に、テレビや新聞でも報道されましたが、突然同じロケットでローバー打ち上げを計画していたインドのTeamIndusから3月31日の期限までに打ち上げの可能性がなくなったという情報が発信されたのです。もちろんHAKUTOの皆さんはあきらめず、ぎりぎりまで打ち上げの可能性を探りましたが、主催者もレース延長はせず、5チームどこも達成できない状態で終了することを決定しました。

筆者もこのニュースには驚き、本当に悔しく、悲しい気持ちになりました。世の中には「まさか」ということが起こると改めて思い知ることとなったのは、筆者だけではないと思います。

その後HAKUTOの皆さんは様々な検討を続けられ、3月26日には、インドに送ったのと同じローバーで鳥取砂丘で、月に送った時と近い条件でフィールド走行試験を行い、成功されました。そのプレスリリースはこちら

そしていよいよレース終了日の2018年3月31日を迎え、HAKUTOもその役目を終えることとなりましたが、HAKUTOはメンバー、協賛企業、個人サポーターが集まって、HAKUTOからのプロジェクト結果報告、支援への感謝を伝える、また支援者同士が交流できる場として都内でイベントを同日開催し、筆者もお招きいただいて参加してきました。

月への夢は終わらず、また次の夢へ!

HAKUTO最後のこちらのプレスリリースにもあるように、イベントにおいてもHAKUTO代表 袴田さんからも直接次の発表がありました。

HAKUTOは様々な選択肢を検討した結果、HAKUTOを運営する株式会社ispaceが月面探査ローバー「SORATO」の開発を通じて獲得した技術やノウハウを活かし、日本発の民間による月面探査への挑戦を続けることを決めました。」

つまり、HAKUTOが開発したローバーや技術はispaceに引き継がれ、ローバーを月に降ろすための「ランダー」含め開発が続けられ、民間による月面探査の夢は、まだ続くことになったわけです。今後どのようになるかはわかりませんが、3Dプリンティング、3Dスキャニングにより、引き続き関わっていくことが出来ればと思っています。

一旦はあきらめた、3Dプリント部品を世界で初めて月に送る夢もまだおわらず、もう少し夢を見続けさせていただけることに感謝しつつ、HAKUTOのイベントから帰宅しました。

左 HAKUTO 袴田代表      右 筆者

読者の皆様にも、ispace社の開発に関わりたい、協力したいという方がいらっしゃれば、ぜひispace社へご連絡ください。

次回はまた海外の最新事情など、3Dプリンティング100%の内容でお届けしたいと思います。

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