製造ソリューション事業本部 03-4243-414303-4243-4123

製造ソリューション事業本部

TEL : 03-4243-4123

大阪で学んだ3Dプリンティングの活用事例とは?掲載日:2018/08/01

先月大阪で開催されました大阪産業技術研究所主催のシンポジウムに参加しました。酷暑にもかかわらず会場は満員で、関西のものづくりにかかわる皆さんの、3Dプリンティングや形状最適化設計についての関心の高さが良くわかりました。そこで学んだ活用事例はIoT自転車から100円均一商品まで幅広く、とても勉強になりましたので、その一部をご紹介しますと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

先月7月は豪雨と酷暑が重なり、改めて自然や気候の変動の怖さと対応の難しさを思い知らされた1か月でした。これからも多くの地域で暑さは続くようですので、くれぐれもご自愛ください。

さて、先月7月20日に、大阪で地方独立行政法人大阪産業技術研究所(ORIST)が開催されましたイベントに参加する機会を頂きました。

~ORISTシンポジウム/革新的設計生産技術(SIP)セミナー~
 テーマ名:「想像を遥かに超えるデザイン設計をめざして・・・。」
 SIP三次元異方性カスタマイズ化設計・付加製造拠点の構築と地域実証

当日は最高予想気温37℃、街中の照り返しの中を歩くと体感温度はもっと高かったにもかかわらず、会場は満員となり、関西のものづくりにかかわる皆さんの、3Dプリンティングや形状最適化設計についての関心の高さが良くわかりました。

そこでは2件のゲストによる3Dプリンティングの活用事例、2件の大阪産業技術研究所 研究者の方の研究と応用事例についてのご講演があり、とても勉強となり、読者の皆様にも参考にしていただける内容で、公表をお許しいただきましたので、その一部をご紹介したいと思います。

「3Dプリンタを利用したIoT自転車」Orbitrecの事例

講演タイトル「デザイナーの思考を補完するジェネラティブデザインの可能性」
Triple Bottom Line サステイナブルデザイナー/プラクティショナー 柳澤 郷司 様

2016年1月のアメリカでの家電製品見本市CESで公表され、CES INNOVATION AWARD を受賞されたことで日本でも話題となりました「3Dプリンタを利用したIoT自転車」Orbitrecは柳澤様がデザインされ、そのフレームの部品を金属3Dプリンターで製造することを前提に、コンピュータとソフトウエアによる構造最適化設計された事例を紹介されました。Orbitecは、以前より弊社のお客様事例としてご紹介しているCerevo様が、オーダーメイドフレームを含む受注生産で販売される予定の製品で、詳しくはこちらのウエブサイトをご参照ください。

筆者も写真でしか見たことが無かった実際の部品を見たり、手に持ったり、写真を撮らせていただきました。思っていた以上に軽い印象でした。

上記の「網」のような形状は、コンピュータによる応力解析を基に生成された形状で、軽量化や使用材料削減に効果があるだけではなく、ここにCFRPパイプを差し込んで接着する際の接着面積増加も狙った結果だそうです。このような形状は3Dプリンティングでないとできない、もしくは出来ても大きなコストや加工時間増となってしまいますので、ソフトウエア、3Dプリンター、材料を理解した上で「人」がこれまでにない商品や形状を発想した結果の好例だと思います。もちろん、乗る人の体や好む姿勢に合わせたオーダーメイドを、現実的な納期やコストで製造できるようになることも3Dプリンティングの持つ特長の一つです。

 

100円均一ショップの商品開発に3Dプリンティングを活用された事例

講演タイトル「驚き!の日本製100均商品。開発期間短縮、付加価値向上を可能にするデジタルものづくり」
サナダ精工株式会社 代表取締役 眞田 和義 様

まずはとてもユニークでかわいいキャラクター「サナダくん」が大活躍のサナダ精工様のホームページはこちらをご覧ください。

筆者も100円均一ショップはよく利用しますが、多くのプラスチック商品は中国などの海外生産がほとんどだと思い込んでいる方が多いのではないでしょうか。実は日本で企画設計製造されているものも多くあり、サナダ精工様も長年数多くの商品を世の中に出されているそうです。

眞田様は芸術系の大学をご卒業後、創業されたお父様の会社を引き継がれたそうで、大変なご苦労をされたそうですが、女性だけの企画開発部署を作られたり、樹脂成形工場の自動機械化を積極的に進められたり、今では3社のグループ企業を経営されています。

実は2014年に弊社より初めて3Dプリンター「Stratasys Fortus250mc」を導入され、その経緯と現状についてもご紹介されました。ご導入以前は外部委託コストが高い、思ったものが出来ないことから現物試作を作らずに商品開発をしたり、お客様への提案をされていたそうですが、ある異業種交流会で3Dプリンターのことを知り、「思い切って」導入したところ、紙での提案から実物での提案が可能になったり、 パッケージデザインが商品開発と並行して出来るようになったり、 金型メーカーも現物確認できることで調整修正が減ったりという効果があったそうですが、それ以上に働く「人」に次のような効果があったとのことでした。

・「自走集団」(自ら考え動く)が出来た
・新卒採用が安定し離職率が低下した

更に、3Dプリンターを使ううちに新しい使い方の可能性を見出され、サナダ精工キャラクター「サナダくん」を3Dプリン ターで作られ、その3次元データもこちらでダウンロードできるようにされたそうです。おもしろいメイキング動画はこちらで公開されています。また、商品の壊れた部品を3Dプリンターで作れるように3次元データで提供できないかなど考えられているそうです。

最後に眞田様の
「ものづくりは人づくり」
「100円で売るという縛りがあるから、かえってアイデアが出る」

という言葉が印象に残りました。これは企業の大小にかかわらず共通していて、これからますます「人とアイデア」の重要性が増し、3Dプリンティングの果たす役割やもたらす利益も「人とアイデア」の部分が大きいことを再認識できました。

 

3Dプリンティング活用のヒントや道具は公設試にあり!

大阪産業技術研究所の2名の研究員の方々からは、トポロジー最適化設計の理論と、SIPプロジェクトで開発中のレベルセット法によるトポロジー最適化ソフトウエアのご紹介や、同所で所有されている金属粉末3Dプリンターにより、高効率のアーク溶接水冷トーチやロボットのモーター冷却用高効率ヒートシンクを地元企業と共同で開発された成果が発表されました。

このように、日本全国の公設試(工業技術センター、工業試験場など)には様々な3Dプリンターが導入され、数多くの基礎研究、応用研究がされていますので、皆さんも、3Dプリンティングを導入したい、もっとよく活用したいなどとお考えであれば、近くの公設試にご相談されると、専門の研究員の方々から活用のヒントが得られたり、検討に必要な道具、試験機器などを使えたりしますので、大いに活用されることをお勧めします。

3Dプリンターのことなら
お気軽に当社へ
お問い合わせください

TOP