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TRITOPは、三次元座標の測定を目的とした、高精度な接触式の持ち運び可能な光学測定システムです。さらにTRITOPは、フォーミュラ1レースカーの構成部品などでの、機械や熱の負荷によって起こる変動や変形を測定したり視覚化するための完璧なツールでもあります。

図1: フォーミュラ1レースカーのフロントウィングは、
ハンドリングにおいてきわめて重要な役割を果たす。
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フロントウィングはレースカーのダウンフォースの25~40%を生成します。コースや車体を基準としたフロントウィングの位置と高さは、正しい量のダウンフォースを正確に生成するためにきわめて重要です。レースカーのフロントウィングは、CFRP (Carbon Fiber Reinforced Polymer: 炭素繊維強化ポリマ)で製作されます。CFRPは大きな強度、高弾性率の弾力性、卓越した疲労抵抗を提供します。最も重要なのはCFRPが軽量であることです。フロントウィングは、レースの状態やレースカーのハンドリングに及ぼす必要のある効果に応じて、レースの間に何度か変更される場合があります。そのためウィングは完全にフィットしなければなりませんが、フォーミュラ1は秒単位の時間が貴重なため、素早く装着できなければなりません。

このタスクの目的は、TRITOP写真測量システムを使用して、力を加えたりクイックリリースシステムを使用したときの、ウィング内の変形や再配置の精度を測定したり理解するのに役立てることです。ウィングは変化したり負荷が加えられた後も、レースカーに最初に装着されたときとまったく同じ位置に存在しなければなりません。

TRITOPは光学的三次元座標測定システムであり、高解像度のデジタルカメラや画像処理および写真測量を用いて、正確な測定値を提供します。TRITOPはきわめて可搬性に優れており、そのすべての構成部品はたった2つの軽量なケースに収められ、1名のオペレータだけで利用することができます。TRITOPの主な利点は、そのセットアップや測定の速さであり、このようなユーザフレンドリでシンプルな前処理により、専門的な写真測量の知識を必要とせずに、高精度な測定値が得られます。


図2: TRITOPシステム

測定タスクの最初のステップは、オブジェクトの準備です。TRITOPシステムは、容易に貼ったり剥がしたりできる自己粘着性のターゲット(図3)またはアダプタを使用します。ターゲットやアダプタによって、正確なポイントの特定と、個々の三次元座標の自動計算が可能になります。レースカーのウィングの場合は、ウィングとレースカーの車体の両方に、コード化されたターゲットやコード化されていないターゲットが貼られます。車体に貼られたターゲットは、ウィングの再配置や変形を分析する際の固定されたグローバル参照点として機能します。

図3: 自己粘着性のターゲットを貼る。
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図4: TRITOPの画像を取得する。
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オブジェクトの準備が完了すると、その画像が撮影されて測定される準備が整います。ウィングが車体に正確にマウントされた状態で、一連の画像がさまざまな視点から撮影されます。TRITOPはコード化されたターゲットやコード化されていないターゲットと切除のプロセスを用いて、画像を1つの画像集にまとめます。TRITOPはこの画像集から各ポイントの座標を素早く完全に自動的に計算して、マーカや参照点の中心の三次元座標を求めます(図5)。ここでウィングに負荷を加えるか、またはウィングを取り外してから(図6)、再び取り付けて2ラウンド目の測定値を取得できます。

図5: 計算された三次元座標
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図6: クイックリリースのウィングが取り外されてから、再びレースカーに取り付けられる。

変動や変形を計算するために使用される2番目の測定フェーズのデータは、1番目の測定フェーズと同じ方法で取得されます。画像は再びTRITOPシステムに入力され、三次元座標が取得されます。

TRITOPソフトウェアは、2つの測定データセットを用いて、ウィングの変動や変形を計算できます。共通のグローバル参照点(この場合はレースカーのメインシャーシ上)を使用して、2つのTRITOP測定セッションが結合されます。その後、ウィング上の各ポイントの変位を自動的に計算できます。プロセスが完了したら、TRITOPソフトウェアでデータを容易に視覚化したり、変動や変形のレポートを作成することができます。

これらのレポートは実際の測定写真を用いて変形を表示し、結果のクリアな視覚化と容易な理解を支援します。


図7: TRITOP変形測定ソフトウェアによって生成され、
ウィングの変形を分析するためのレポート
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図7は、TRITOPソフトウェアから生成されたレポートを示しています。このレポートは、X、Y、Zの各方向の変形や変動と共に、変形や変動の全体的なトレンドを示しています。変形の規模を示す最大変形と最小変形のポイントも表示されます。レポートから分かるように、ウィングは最大0.23mmまで動くことがあり、ウィングの左側の方が右側よりも値が高くなります。ウィングは、X方向の測定された値の結果を調べる際に、個別の回転も示します。これは、クイックマウントでウィングがマウントされた後に同じ位置にフィットせず保持されないことを示します。マウントしているポイントにおける、シャーシを基準にしたウィングのZ方向の移動が、これを裏付けています(図8)。ただし、ウィングの弾力性も変形の一翼を担っており、ウィングの左側と右側で変形の規模が違うことの説明となります。この場合はどちらの現象も測定されて視覚化されます。


図8: Z方向の移動は、クリックマウントではウィングが
いつも正しい位置に保持されないことを示している。
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TRITOPは変動や変形を測定するための完璧なツールであることが実証されています。TRITOPシステムは小さな変形でも測定できる機能により、フォーミュラ1レースカーのフロントウィングのクリックリリースフィックスに関する再現性を効率的に測定できます。この測定システムの使いやすさ、測定の速度と正確さ、および自動化は、価値のある結果を生みます。
当社は、Digi.Lab (イタリア)とMinardiフォーミュラ1レーシングチームに対して、
当社の測定テクノロジを信頼し、この応用事例集のために価値のあるデータを
提供していただいたことに謝意を表します。