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1954年 |
沖縄県本部町生まれ |
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1977年3月 |
琉球大学理工学部機械工学科卒 |
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工学博士(北海道大学、1990年12月) |
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1978年4月 |
北海道大学工学部精密工学科助手(1988年3月まで) |
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1983年12月 |
米国Cornell University客員研究員(1985年3月まで) |
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1988年4月 |
北海道東海大学電子情報工学科専任講師(1992年3月まで) |
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1992年4月 |
札幌市立高等専門学校助教授 |
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1999年4月 |
札幌市立高等専門学校教授 |
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2006年4月 |
札幌市立大学デザイン学部教授 |
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・趣味 |
読書。映画鑑賞。NBA(米国プロバスケットボール)のゲーム鑑賞。 |
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・教育理念 |
教育理念と言えるかどうかわかりませんが、常に情熱をもって教育・研究に取り組むように心がけています。また、学生が自ら考え、問題解決に取り組むことを期待し、課題設定するよう心がけています。 |
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以前この導入事例で紹介した北海道の産官学連携による『札幌ITカロッツェリア』。
2006年8月、その『札幌ITカロッツェリア』の一貫として『デザインワークショップ2006』が開催された。
札幌市郊外にある札幌市立大学の芸術の森キャンパス。ここに日本とオランダの学生12名が集結、
ある商品に”命”を吹き込む作業がおこなわれた。
「北海道は製造業が育っていない。若い力を借りてなんとかその状況を打開できれば」
課題に取り組む18~27歳の若者たち。芸術の森キャンパスから発信する、北海道の未来。 |
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“高付加価値”を求められるワークショップ
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それは命を宿すための挑戦と言える。
札幌市立大学の芸術の森キャンパス。2006年8月25日午後2時、12名の学生が集まり、「ファイナルプレゼンテーション」が行われようとしていた。
集まっていたのは札幌市立大学から3名、札幌市立高等専門学校から6名、札幌市立大学特別研究員1名、そしてオランダのデルフト工科大学大学院から2名の計12名の学生たちである。
『デザインワークショップ2006』は8月17日から始まり、間に2日間の休みを挟み、計7日間に渡って開催された。本日はその最終日である。
このワークショップは、一般的に学校で行われるワークショップとは様相が大きく異なっている。
「サッポロバレー」と呼ばれるように、北海道はソフトウェア関連のベンチャー企業が数多くひしめいている。しかし、ハードウェアの部分を含めた製品の開発、すなわち製造業において北海道は全国と比べるとやや立ち遅れているのが現状だ。そこで、産官学が連携し、北海道に製造業の波を起こすべく2002年から5年間の研究プロジェクトとしてスタートしたのが『札幌ITカロッツェリア』である。『札幌ITカロッツェリア』は今年度で最終年。今回のワークショップは最終年のプロジェクトの一貫として実施されるものなのだ。
「このワークショップでは、オランダと日本の学生間の交流や、将来のプロダクトデザイナーの育成といった目的もありますが、もう1つ大きな目的が北海道の『製造業活性化』への貢献です。“目に見えない”ソフトウェアから“目に見える”製品に発展させるためには、IT技術と製品デザインの技能・感性を融合することによって付加価値の高い商品を生み出さなくてはなりません。『高付加価値』を創造する場、それがこのワークショップなのです」
ワークショップは今回で2回目。前回はデジタル通話録音装置が対象になったが、今回選ばれたのは「体温計」である。
「体温計を選んだのは札幌市立大学が看護学部とデザイン学部の2学部から成るため、看護・医療とデザイン、2つの要素を融合した商品開発を行えば、教育と研究の両面でいい前例になるだろうと考えたこと。そして、『札幌ITカロッツェリア』は北海道に製造業を根付かせることを目的としているので、地元の企業を発展させる必要があります。札幌に体温計を扱っている開発型ベンチャー企業の『(株)ケイオス』という会社があり、自社で開発した技術を大手医療メーカーに供給していました。そこで、(株)ケイオスと共同で商品化を目ざそうと体温計を選んだわけです」
我々にとっても馴染み深い商品である「体温計」。実はこの身近さゆえに、学生たちは大きな難題を抱え込むことになるのである。
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身近な商品だからこそ抱える難題
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体温計は脇で計測するタイプがもっともポピュラーだが、今回学生たちがデザインすることになったのは耳式と額(ひたい)式の体温計である。
「額式はまだほとんど知られていないと思いますが、接触式と非接触式の2種類があり、接触式は米国フィリップス社から米国で発売され、非接触式はイタリアで実用化されています。接触式は、体温計を額の大動脈の部分に接触させ横にスキャンしながら測定し、非接触式は額から20~30cm離して、2つのLEDから発せられた光の交差するところをもって額の測定位置を定め、その距離での皮膚温度を赤外線受光器で測定し体温とします。今回は学生各自で、耳式・額式の両方のデザインを考えてもらうことにしました」
一言で「体温計」といってもそこにはさまざまなものが必要になる。耳式体温計なら、オン/オフボタン、体温表示の液晶パネル、バッテリーボックスなどがあり、耳の中に挿入されるプローブと呼ばれる測定部もその長さや直径は決まっている。そうした制約条件を満たしながら学生たちはデザインをしていかければならない。だが、本当の難しさはそうした制約条件を満たした先にあった。
「額式」という新しさはあるにせよ、体温計の難しさはあまりに身近な商品であることだ。前回のワークショップのように、商品の機能そのものに目新しさがあればそれを武器に市場で勝負できる可能性がある。しかし、身近な体温計となると、これまでにない新たな発想で、斬新な「価値」を吹き込まなければならない。そこで城間教授が考えたのが、生活スタイルを想定した新しい体温計利用シーンの創造だ。
「これまで体温計は熱が出たときや体調が悪いときなどに使われています。これを受動的な使用法としましょう。従来の受動型のまま、学生たちが体温計のデザインをしても、商品化への道は容易ではありません。そこで今回は、OLやビジネスマンの日常的なアイテムとして、あるいはスポーツ選手の健康管理としてなど、能動的に体温計を使うための新しい提案を要求したのです」
そしてもう1つがデザインである。市場に出回っている耳式体温計の多くは棒状の形をしており、額式も耳式とほぼ同じような形をしている。この形のままでは目新しさは少ないことから、今回は「アイデア出し」のフェーズとして、1、2年先の商品化を見据え、とにかく「先進的で斬新なデザイン」を生み出すことを学生たちに求めた。
そして8月17日午前9時、12名の学生たちが集結。難題への挑戦が始まった。
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3D造形機でモックアップ・モデル制作時間を短縮
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ワークショップは初日にワークショップの目的、体温計に関する講義、機能や外観の分析などが行われ、2日目にイメージ・コラージュの制作、3日目にアイデア・スケッチ、4日目にショート・プレゼンテーション、5・6日に3DCADによるモデリングとモックアップ(試作)・モデルの制作、最終日にプレゼンテーションが行われるという流れだった。ところが城間教授はこのスケジュールに危惧を抱いていた。
「今回は『アイデア』が重要にもかかわらず、アイデア・スケッチの時間を1日しか確保していなかったのです。そこで急遽、アイデア・スケッチの時間を3・4日目の2日間とし、モックアップ・モデルの制作を1日短縮して6日目の1日のみに変更しました」
学生たちは耳式と額式の2つのモックアップ・モデルをつくらなければならないが、城間教授はスケジュールを変更した際、一日だけでは1人2個のモックアップ・モデルの制作は不可能だと考え、残る1個は発泡スチロールで制作するように伝えていた。
「ところが、いざモックアップの制作に取りかかってみると、早々に1つ目が完成してしまい、『こんなに速くできるならもう1個もつくれるんじゃないか』と。結局その日のうちに2個目も制作することができました。理由は3次元造形装置のVantageの活用です。以前は、光造形機のある北海道立工業試験場で試作を行い、完成品を取りに行っていましたが、その手間が省けたことでモックアップ・モデルの制作期間が大幅に短縮されました。造形する際も、高さが同程度のもの複数個を同時に並べてしまえば一気にできるので、私が想像していたより造形時間が短くて済んだのです」
こうして3DCADを使ってモデリングをした学生たちは、全員ABS樹脂でつくられたモックアップ・モデルを手にし、この日のファイナルプレゼンテーションに臨んでいた。
「それではこれからファイナルプレゼンテーションを始めたいと思います」
札幌市立大学内にあるパティオ(A棟プラザ)に設置された発表会場に座っていた学生たちがシーンと静まりかえる。城間教授の言葉が通訳者によって英語に訳されていく。
7日間のワークショップで学生たちは与えられた課題をいかに克服したのか。北海道の未来へ向けたプレゼンテーションが始まった。
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引き継がれる「夢」
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名前を呼ばれると学生たちは1人ずつ前に出て、プレゼンボードとモックアップ・モデルを手にデザインコンセプトを説明していく。
最初に登場した学生は、耳式体温計の新たな使い方を提案した。
「ターゲットは自転車選手です。耳で測った測定データをサングラスに取り付けられた表示部に送ります。選手の目の前にその数値が表示されるので、時速やパラメーターを絡めることで、身体の変化が一目でわかるようになっています」
会場には城間教授を含めて、審査員を務めるワークショップの組織・運営の方々も見守っていたが、説明中に思わず身を乗り出す。
「応用範囲が非常に広いです。高齢者のメガネに取り付け、メガネを置くと測定データが蓄積されるといった使い方もできるかもしれません」
そして、従来の体温計とは思えないほど斬新なデザインのものも続々登場した。「コンピュータや機械好きの人を想定した」という、ボール状の形をした額式体温計。エスカルゴのような形をし、半円のケースをスライドすると測定できるタイプのもの。小児科や母親が子どもの体温を測ることを想定し、カバやニュージーランドの動物・キウイの形をしたもの。さらに、パソコンのマウスをよりスタイリッシュにしたタイプのものなども登場した。
機能的にも、スタンド型にして室温計としても使えるタイプ、看護師などプロユースを想定、首にかけて携帯し「キャップを外す」「電源を入れる」「測定する」という3つの動作を1つにまとめたものもあった。
体温計の開発型ベンチャー企業・(株)ケイオスのスタッフは言う。
「驚いたのは、学生たちはプロダクトデザインの経験が浅いにもかかわらず、体温計が使われるシチュエーションをしっかりと考えてデザインしていたことです。我々専門技術者では浮かばない斬新なデザインが出てくれればいいなと思っていたのですが、さまざまなアイデアに出会え、まさに期待通りでした」
ファイナルプレゼンテーション終了後、会場にいた人たち全員に投票用紙が配られ、耳式・額式でそれぞれ気に入ったものを3つ選び、最終的に審査員たちによって審査が加えられ優秀作品が選ばれた。耳式・額式とも1位に輝いたのは「大学院」という格の違いからか、オランダ人の学生2名。受賞した2人は言う。
「私はプロダクトデザインの勉強をしているので機能的な部分を中心に考えてデザインしますが、日本人の学生たちは冒険的に斬新なアイデアを次々と出していく。その発想の飛躍は新鮮でした」
「デザインの思考プロセスがオランダとは違うのではないかと想像していましたが、日本も同じなんですね。基本は変わらないのだと思いました」
日本人学生との交流は、オランダ人学生たちにもさまざまな残像を残したようだ。
2002年にスタートした『札幌ITカロッツェリア』も5年間の使命を終えつつある。だが、学生の1人は力強くこう語った。
「将来はプロダクトデザインの仕事に就いてみたい」
「北海道に製造業を根付かせる」という壮大な目標を掲げた研究プロジェクト。その夢は、次世代を担う若者たちにしっかり引き継がれていくだろう。
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