|
||||||||||||
![]() |
予期せぬ抵抗「ある時CADを管理している担当者が、展示会でABS樹脂による3次元造形機のことを聞きつけ、サンプルを持ち帰ってきました。『これがあったらいいな』という話をしていたのですが、どれほどの費用対効果があるのかもわからず、時期尚早ではないかと結局導入は見送りました」しかし、そうしている間もコンシューマー向け商品の設計部では日々開発中の製品について「外観を一部だけなおしたい」「もう一回確認したい」「トライできない」という同じ問題に悩まされていた。そんなとき、萩原氏はあることを耳にする。 「丸紅情報システムズがDimension3Dプリンタの発売5周年記念でおこなっていた貸出キャンペーンの情報を聞きつけたのです。期間は1年間でしたが、その間に導入するに値する商品なのか判断できるだろうと応募してみたところ、当社に当選の案内が来ました。」 萩原氏は社内承認を得るべくさっそく各部門に足を運ぶ。ところがそこに待っていたのは、予想もしなかった抵抗だった。 「だれが管理するんだ」「環境面の心配はないのか」「消費電力はどれくらいかかるのか」 「廃棄物は大丈夫なのか」「借りた機器を売りつけられるんじゃないのか」 萩原氏は質問攻めにあってしまった。 「ありとあらゆる質問が出ましたが、否定的な意見も多くありました。しかしここで断念してしまったら同じ状態が延々と続くことになる。それだけはどうしても避けたかった」 紆余曲折の末、萩原氏の現場を思う熱意が実を結ぶ。さいたま市の本社にDimensionが届いたのは、2007年4月だった。 貸し出されたDimensionは設計部のフロア片隅に置かれ、一部の人たちの手により使われ始めた。 「最初はみな『何だろうこれ?』という感じでした。こういうのができるんだよと説明すると、『いっぺんやらせてくれ』と、みな次々と使うようになりました。数ヶ月後には設計部ほぼ全員がDimensionを使うようになり、まさにフル稼働の状態でした」 萩原氏が便利さを実感したのは3D CADを使っているデスクのすぐ横で、次々と造形できる点だった。 「それまでは、光造形で試作品が完成するまでには平均すると1~2週間かかっていましたが、Dimensionは一日でできてしまいます。Dimensionを動かしている間は他の仕事をして、昼間修正し、夜に流しておけば翌朝にはできている。今までのように納期調整に煩わされることもなく、このスピードは圧倒的でした。設計部のみなで一気に作れるので時間のロスがありません。一度に造形台に十数個乗せて造形したこともあります。最初は「うまくいくのかな」と半信半疑な部分もありましたが、造形機の扉を開けばできているのです。こんな便利なものはありません。また、Dimensionがすぐにフル稼働になったのは、操作がとても簡単であることが大きかった。通常、こうした商品は説明書を読まないとわかりませんが、一回ほんのちょっと教えるとみな『わかったわかった!』といって使い始めていました」 こうして、Dimensionを完全に使いこなすまでに、多くの時間は必要なかった。 Dimensionが設計部に届いてから、萩原氏は試作した数、造形時間、使用したモデル材カートリッジの数、かかったコストなどすべてのデータを記録してきた。造形時間が速くなったのはいうまでもないが、コスト面でも想像以上の効果が出ていた。 「小物パーツが多いので、1個の試作にそれほど材料費がかかりません。1個の専用カートリッジから制作できる試作品の数でコストを割り出すと、低コストだなと実感しました。日々、試作した数は何倍も増えているにもかかわらず、コストは確実に年間100万円以上も安くなっていました。購入したとしても、数年使い続ければ元はとれることになります」 |
10回の試作でたどり着いた「ハイクオリティ」2007年、同社は地上デジタル放送受信対応UHFアンテナ『FLEMO(フレモ)』の開発に着手していた。ノートパソコンにも取り付けられる手軽なポータブル型で、いつでもどこでも電波をキャッチできるというアンテナである。
|
![]() ![]() ![]() |
||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
※文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。 |