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オンラインゲームの80TBを超えるストレージシステムは、ネットワーク接続式ストレージシステムNetApp Filerで構築されている。NetApp Filerは、サービスを止めることなくデータ領域の拡張、障害時のメンテナンスが行なえ、さらにディスクバックアップ機能により万が一の障害発生時も瞬時にリストアが行なえる。ユーザの増加によりデータ量が刻々と増えていく中、24時間365日の間、休みなくサービスを提供するにあたってNetApp Filerは最適なストレージシステムであった。株式会社スクウェア・エニックスでは、NetApp Filerをゲーム開発環境でも活用しており、オンラインゲーム用と開発用をあわせると合計200TB以上のNetApp Filerが株式会社スクウェア・エニックスで稼動している。 |
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| 1996年2月に入社。オンラインゲームシステムだけでなく、基幹業務系やゲーム開発システムなど、社内全てのインフラを構築、管理するネットワークシステム部を統括。オンラインゲームシステムの構築では、そのシステムの斬新さから業界団体を始めとする多くの企業から講演依頼が殺到した。 |
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日米欧55万人が集うファイナルファンタジーXI
世界中の人たちとインターネットを介してゲームを楽しむことができるオンラインゲーム。2008年には全世界で5000億円市場に成長するとの予測もあり、次世代の日本を支えるコンテンツ産業のひとつとして大きく期待されている。株式会社スクウェア・エニックスが提供している「ファイナルファンタジーXI」もそんなオンラインゲームのひとつで、純国産として現在最も成功しているタイトルだ。
ファイナルファンタジーXIは、サービス開始からわずか3年あまり、世界中から約55万人の会員を獲得し、ゲーム上の仮想世界で国境の壁を越え、リアルタイムにコミュニケーションを行うことができる世界有数の大規模なコミュニティに成長した。現在でもゲームの機能や新しい世界が拡張し続けており、今後も更なるコミュニティの拡大が期待されている。なぜ、ファイナルファンタジーXIが大規模なコミュニティを持つまでに成長できたのだろうか。それはゲーム自身に魅力があったことももちろんだが、ファイナルファンタジーXIを支えているインフラにも重要な役割が隠されていた。
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| 世界中の人が同じ空間で遊べる環境を創る |
インフラ構築の責任者である株式会社スクウェア・エニックス ネットワークシステム部
部長の伊勢氏は語る。
「通常は国ごとにシステム環境を作り上げ、それぞれの国ごとにライセンスを販売し、サービスを提供する形が一般的です。しかし当社では、1箇所のデータセンターにすべての環境を作り上げ、全世界のユーザが利用することができるようにしています。(伊勢氏)」
1箇所のデータセンターで集中管理する方法は非常に大規模なシステムが必要となり、構築や運営管理に膨大な手間とコストがかかる。そのため、多くのオンラインゲームがシステム構築から管理運営までを現地法人に委託する方法を選択する中、伊勢氏があえて集中運営を選択したことには明確な理由があった。
「ライセンス販売では、国ごとに閉じた環境でシステムを構築するため、世界中の人が同じ場所で遊ぶことはできません。つまり、それぞれの国ごとに用意されたサーバの中だけで遊ぶことになります。これでは、ボーダーレスなインターネットの環境を十分に享受することができないと考えたのです。(伊勢氏)」
株式会社スクウェア・エニックスでは、サービスの構想段階から国外進出を視野にいれていた。地域や時間に制約されないインターネットの魅力を存分に活かしたコミュニケーションが取れるコミュニティを構築するためには、伊勢氏の選んだ集中運営がベストな選択だった。
さらにコスト面でも大きなメリットがあったという。「時差によってアクセスのピーク時間をずらし、本来なら倍はかかる通信費やサーバーコストなどを、およそ1.1倍程度に抑えることができました。」ファイナルファンタジーXIの場合、夕食後から就寝するまでの時間にアクセスが集中し、その他の時間帯は集中する時と比べても、ユーザからのアクセスは半分以下だという。そこで日米欧の時差によるピーク時間のずれを利用し、1システムで3地域へのサービスを提供することで、システム構築にかかる費用を大幅に圧縮することに成功した。
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| 壊れないシステムは絶対にない!「サービスを止めない」環境作りを意識 |
現在のオンラインゲームシステムでは、東京のとあるデータセンターで常時数百台のサーバと80TBを超えるストレージシステムが稼動している。オンラインゲームサービスは、24時間365日の間、休みなく提供されている。そのため、安定的にシステムを稼働させることに心血を注いだという伊勢氏。「壊れないシステムは絶対にありません。サーバが止まってしまうことだって可能性としてはあります。でも、システムが壊れても“サービスだけは止めない”インフラ構築を心がけました。」さらに「オンラインゲームのシステムには、“深夜”という時間がないんです。サービスを止めることなくメンテナンスやバックアップなどを行わなければいけないので、インフラを維持するだけでも大変です。システムを止めることで怒られることはありこそすれ、安定して稼働させることが当たり前の世界。そんなときこそ、“自分がこのシステムを支えている”という、大きなやりがいをメンバーに感じてもらうことが必要なんです。“前例のない大規模なプロジェクトに参加できる喜び”や“自分がやっていることのおかげで、55万人がストレスなくゲームを楽しむことができる”といったことですね。私の役目は、そんな大規模なシステムやコミュニティを常に作り上げていき、ネットワークシステム部のメンバーにやりがいを持ってもらえる環境を提供することだと思っています。」とネットワークシステム部のメンバーに対する気づかいも忘れない。
世界に例をほとんど見ない集中運営を取ることで、ファイナルファンタジーXIは日米欧55万人の人々が集う大規模なオンラインコミュニティを築いた。そして04年中間決算では、オンラインゲーム事業が5つある事業セグメントの中でトップの営業利益を出すまでに成長、株式会社スクウェア・エニックスを支える事業のひとつになったのだった。
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新たなる構想を秘めて
伊勢氏は、今後新しいオンラインゲームを市場に投入する際には、これまで蓄積してきたノウハウをうまく使いながら、高い収益構造を生み出すシステムを構築していきたいと意欲を語る。そのためには、常に情報収集を心がけ、最新機器の検証作業も日常の業務と並行してこなしていきたいという。さらに、世の中にインパクトを与えられる、新しいタイプのシステム構想も伊勢氏個人としては考えている。「ファイナルファンタジーXIという前例のない大規模なシステムを作り上げたということも、世の中には何かしらのインパクトは与えられたと思っています。今後も新しいものを作り上げて、みんなを驚かせていきたいですね。」 |

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