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東北大学 導入事例

Coventor Wareは、MEMSデバイスを生成、モデリング、解析、インテグレーションを実行する4つの製品、Architect・Designer・ Analyzer・Integratorから構成されている、MEMS専用設計解析システムです。開発元であるCoventor社は、1995年に設立さ れ、マサチューセッツ工科大学(米国ボストン)との共同でマイクロマシンの解析シミュレーションを開発し、世界に先駆けてマイクロマシン解析ソフトウエア を商品化しました。Coventor WareはワールドワイドでMEMSとMicro Fluidicsのトップメーカー10社を含む150社以上の企業・研究機関で使われており、注目すべきは大学・教育機関では1700ライセンス以上使わ れています。


宮城県仙台地域では、東北大学の江刺正喜教授を代表としてMEMSパークコンソーシアムを設立、産学官が連携しMEMS産業の発展に取り組んでいます。 2005年11月には、東北地方では始めてMEMSの設計・生産を支援する拠点として「MEMSデザインセンター」が、株式会社メムス・コアの泉工場内に 開設。工場内には江刺教授の研究室もあり、研究から生産まで一貫して対応できる施設として注目されています。「MEMSデザインセンター」では、設計のセ ミナールームにMEMS設計・解析システム「CoventorWare」を設置し、研修や教育など幅広いニーズに対応していく計画です。
「MEMSデザインセンター」の開設にあたり、MEMS研究の第一人者である東北大学の江刺正喜教授と、株式会社メムス・コアの本間孝治社長に、MEMS の研究開発の特徴および仙台地域におけるMEMS産業活発化について、対談形式で語っていただきました。

CoventorWareについて

CoventorWareは統合的な MEMSデバイスの開発環境を実現し、効率的なMEMS設計開発フローを提供します。Architect(設計)/Designer(3Dモデルの生成) /Analyzer(解析)/Integrator(シミュレーション)の4つのツールから構成され、MEMSデザインのトップダウンフローを提案します。
MEMSデザインセンター内セミナールームはCoventorWareを十台設置。利用者の認証、ネットワークセキュリティ機能の強化など、企業ユーザの利用に対応。スペースを含めた期間貸し出しも実施している。シミュレーション上で設計したMEMSは、メムス・コアの工場で試作や少量ならば受託生産も可能。企業の事業化も支援する。
MEMSの基本知識などを学ぶ研修コースも予定している。


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研究の原点は、まずは自分の手で挑戦してみること

――まず、江刺先生に伺いたいのですが、
これまで、どのような研究をされてきたのでしょうか

江刺氏: 電子回路の研究室に入ったのですが、そこで医療用装置の研 究開発を行うことになりました。この分野では、医療の知識の他、人体という物質的なものに関わる以上、化学的な側面も非常に強くなります。つまり、半導体 と化学、医療の境界領域で研究を行ってきたと言えるでしょう。この境界領域ということが非常に重要だったと思っています。
本間氏: 境界領域の研究というのは、付加価値が高いですね。まさにMEMS研究そのものだと思います。
江刺氏: そうですね。そのときは、電子装置と人体のインターフェースの研究や、人体に埋め込むためのパッケージング技術とか、境界領域ならではの「付加価値の高い」研究が実際に行えました。
そして助教授になったころ、今度は「LSIを作るように」という指令が下ったのです。実のところ、一人でLSIを作るなどというのは、きわめて無謀な話で すが、2cm角の基板にトランジスタを500個ほど載せて、何とか動くものを作ることができました。
本間氏: これは、私のように企業人としてLSIを作っていた人間か らすると、信じられない出来事です。というのも、LSIの開発は多くのスタッフが分業制で取り組むのが当たり前。しかも、きちんと動く確率はせいぜい 0.1%程度で、1000個作って1個動けばいい方です。江刺先生はこれを一人で作ってしまったのだから、本当に驚くべきことだと思います。
江刺氏: 企業と違って、納期がないからできたのでしょう。そのとき 思ったのは、「人生成り行き」ということですね。確かに無謀な要求をされましたが、それになんとか応えようとすることで、LSIの複雑性に対応するための 知識と技術が身に付いたのですから。一見、無茶苦茶なことでも、うまくいけば自分の糧にすることができます。大切なのは、まずは自分の手で挑戦してみるこ とです。

――本間社長はメムス・コア以外にも、株式会社ケミトロニクスを中心とした
10数社のグループを設立されていますね。

本間氏: 私は化学工学の出身で、大手電機メーカーの研究機関に所属 し、半導体レーザーやLSIの研究開発を行うなど、元もと半導体畑です。LSIの価格破壊に大変な行き詰まり感を覚えて退職したのですが、その時、より付 加価値の高いプロセスを自分で探さなければならないと強く思いました。
その後は、大手総合商社の技術買い付けの目利き役を経て、メーカーなどのコンサルティング的な仕事もやりました。その際、クライアント企業が必要としてい る機械に、ぴったりマッチする装置がないことに気がつき、ならば自分で作ろうと考えて、メーカー向け装置の試作品を作る会社を興したのです。

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英語の3ヶ月間

MEMS試作ライン

MEMSはシステムLSIの付加価値を高める技術

――お二人のお話を伺っていると、
  付加価値の探求という共通項目があるようですが。

本間氏: 私の場合、付加価値を高めないと・・・、という強い危機感ですね。当時のLSIの価格は、相当な開発費をかけて開発した256kbのLSIチップが200円、当時発売されたチョコレートもやはり200円、という具合で、とてつもない価格破壊が起きていました。
江刺氏: 付加価値というのは非常に重要です。我々が取り組んでいるMEMSは、システムLSIの付加価値を高める技術であると言えますね。
私がMEMS研究をやろうと思ったのは、LSIだけをやることに疑問を感じたからという理由もあります。LSIは教育には非常に向いているのですが、特徴 的な研究をしようと思うとなかなかできない。ならば、LSIに何か付加価値を与えられないだろうか、と思いました。
本間氏: 付加価値の探求にくわえて、江刺先生がよく言われている「自分で作り出す」という部分も共感できるところです。
江刺氏: 求めるものがなければ、とりあえず自分の手で作り始めることは大事ですね。始めてしまえば、そのあとは「人生成り行き」ですよ。

――そして、メムス・コアを設立されたのが2001年。
これには、江刺先生も出資されていますね。

本間氏: 弊社はMEMSの試作開発や少量生産を手がけていますが、これがビジネスになると確信したのは、江刺先生との出会いがきっかけです。部下の一人が先生の研究室に2年間ほどお世話になったことがあり、先生の開発されたものが実用化されていることを、そのとき知りました。
江刺氏: 基礎から応用開発まで一貫して自分の手でやって、なんとか形にしたら、さらにそれがビジネスにできる、ビジネスになれば人が集い仲間ができる。これもMEMSのおもしろいところですよね。

――MEMS研究の仲間を増やすということでは、
  産学官連携組織であるMEMSパークコンソーシアムを
  2004年10月に発足されていますね。

江刺氏: これは東北大学、宮城県、仙台市などが中心となり、 MEMSの研究成果を産業界へと普及させることを目的として2004年10月に発足したコンソーシアムです。あくまで非営利の組織で、会員企業一口五万円 の会費を集め、運営しています。現在、国内全域からだけでなく、海外も含め108社の企業に参加いただいています。これだけ多くの会員に賛同・参加しても らえて、大きな期待を感じますね。
本間氏: 基本は情報交換の場であり、セミナーや交流会、公開シンポジウムを開催しています。組織自体がオープンであるということに、江刺先生の求心力が加わり、ありとあらゆる情報が驚くほど集まってきます。
江刺氏: このネットワークを通じて、メムス・コアに実際の試作を委託できるのもメリットでしょう。
本間氏: 弊社では、設計・試作はもちろん、その先の少量生産、量産支援の委託まで受けることができます。一カ所で設計から量産まで全部できるところは、全国でもあまりないのではないでしょうか。
江刺氏: 国内には他にもいくつかのファウンダリがありますが、確かに一貫して全部できる所は少ないですね。それから、MEMSパークの特徴としては、最先端の装置がたくさん入っているということも挙げられます。

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「感動」から「Why」、そして「More」へ。
  

MEMS成功の鍵は、「システムの最適化」と「オープンな研究開発」

――MEMSをビジネスとしての展開する上で重要なポイントは、純粋な研究と比較してどう違うのでしょうか?

本間氏: まずはスピードと正確性の両立が大切になります。弊社はMEMSプロセスから組み立てまで可能な試作ラインを持っており、試行錯誤を繰り返しながらモノづ くりを進めますが、ビジネスである以上、あまり悠長にしているわけにもいきません。こういうときには、CoventorWareのようなシミュレータ(設 計・解析システム)の存在がありがたいですね。
江刺氏: 大学だと逆に、シミュレータに頼ってはいけません。実際の モノを製作する環境も整っているので、まず手を動かさないと身につかない場合もあるのです。もちろん、流体力学や電子ビームの収束など、最適化のためにシ ミュレータが必要な分野もありますし、設計資産を蓄積するという点で有効な場合もあります。
本間氏: シミュレータを利用する上で大切なのは、結果を盲信しないことでしょう。実験結果よりシミュレータを信じてしまうようでは問題です。シミュレータと実験をうまく併用して、初めて開発速度の向上につながるのです。
また、(LSIを含めた)システム全体として最適化されていないと、MEMSの価値が発揮できません。MEMSという付加価値を見せられないと、安価なLSIの価値に引きずられてしまう結果になるでしょう。
江刺氏: あとは、なるべくオープンであることも大切です。私の研究室は、基本的に完全オープンです。MEMSはまだまだこれからの産業。クローズドにしてしまうよりも、オープンにすることで新規参入の仲間を増やし、集まる情報も増やす方がメリットは大きいと思います。
本間氏: まさにその通りです。江刺研にはずっとオープンでいてほしいですね。もっとも、メムス・コアはあくまで企業なので、製品化の際にはある程度ブラックボックス化せざるを得ない面もあるのですが。

――今後、お二人のMEMS研究開発はどのように展開されるのでしょうか?

江刺氏: どの分野でもそうですが、いくらいいアイデアや発見があっ ても、それだけでは完結しません。MEMSも実際に製作して、初めて評価されるのです。その点、メムス・コアがあったからこそ形にできたアイデアも多い。 今後も、売れるかどうかというよりも、必要で役に立ちそうかどうかで作っていけたらいいですね。実際に形にしてみると、意外なところで応用されることもあ りますから。
本間氏: メムス・コアとしては、現在は受託開発が多いのですが、いずれは自主開発を中心にやっていきたいですね。昔の江刺先生のアイデアにもおもしろいものがあるので、そのあたりも是非形にしたいと思います。
江刺氏: すでに言われていることですが、MEMSの応用分野としては、無線領域がおもしろいと思います。バッテリの交換をしなくても使えるようになれば、活用範囲も広がるでしょう。
本間氏: 50年くらい稼働する振動センサを建物やトンネルの壁に埋め込むとか、いろいろな応用が利くでしょうね。

――それでは、最後にお二人の趣味についてお聞かせください。

江刺氏: アンティーク収集や博物館巡りが好きです。実は今度、T型フォードとA型フォードの現物を譲ってもらえることになったので、今からとても楽しみです。
本間氏: 私は「金にならないもの」を趣味にしたいですね。一時期、趣味の美術を活かして美術家として活動したこともあるのですが、稼いでしまったとたんに趣味でなくなってしまう。そういう意味では、温泉(編注※メムス・コアのある秋保町は温泉で有名)が趣味とも言えますね。

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江刺 正喜

1949年1月30日生まれ
学歴・職歴
1971年 東北大学工学部電子工学科卒
1976年 同大学院博士課程修了
東北大学工学部助手
1981年 助教授
1990年 教授
現在 東北大学 未来科学技術共同研究センター教授 に至る。
東北大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長(1995年度・1998年度)、
電気学会 センサ・マイクロマシン準部門長(2002年度・2003年度)、
仙台市地域連携フェロー(2004年)などを務める。
半導体センサ、集積化マイクロシステム、MEMSの研究に従事。
著書 「半導体集積回路設計の基礎」培風館(1981年)
「マイクロマシーニングとマイクロメカトロニクス」培風館(1992年)、他
受賞 電子通信学会業績賞(1980年)、日本IBM科学賞(1993年)、
SSDM Award(2001年)、第3回産学官連携推進会議文部科学大臣賞(2004年)、他


本間 孝治

1940年8月18日生まれ 東京都出身
学歴・職歴
1965年 工学院大学化学工学科より日立製作所中央研究所入社
主に半導体デバイスの研究開発に16年間従事
1981年 日立中研を退社、受託開発及び技術コンサルタント業務とする株式会社ケミトロニクスを設立。
1983年 半導体プロセスエンジニアを中心にテクノフロント他8社を設立しケミトロニクスグループを構成する。
2001年 3次元実装とバイオ技術の融合開発をビジネス化するために株式会社スリーデイ・バイオを設立。MEMS関連の受託開発をビジネス化するために株式会社MEMS.・コアを設立。
株式会社 メムス・コア代表取締役 株式会社 ケミトロニクス代表取締役
株式会社 テクノフロント代表取締役 株式会社 テクノファイン代表取締役
株式会社 ユニファイ代表取締役 株式会社 スリーデイ・バイオ代表取締役
三井物産、東京エレクトロンなど国内外15社の技術顧問も兼務。
著書 「洗浄技術入門」(1996年)
「乾式洗浄技術これからの展望」(2000年)

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