導入事例

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様

  • ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様
ゲーム開発を支えるファイルサーバにclustered Data ONTAPを採用
優れた拡張性と無停止運用を実現、高いI/O性能で開発スピードを向上

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様

写真左:
システム・CS本部 システム運用部 システムマネージメント課 課長
塩澤 昌樹 氏

写真右:
システム・CS本部 システム運用部 システムマネージメント課
太田 早紀 氏

データ量が急増する中、ファイルサーバには優れた拡張性や無停止運用、レスポンスの向上が求められている。オンラインゲームの世界をリードするガンホー・オンライン・エンターテイメントは、clustered Data ONTAP(以下、cDOT)を採用することでパフォーマンスが不足したときに無停止で拡張し、ゲーム開発を止めないファイルサーバを構築した。NetAppのフラッシュ技術によりコストを抑えながら高速レスポンスを実現している点も特徴だ。丸紅情報システムズの技術支援のもと、少数精鋭のシステム運用部は構築、OSの移行、DR環境の構築などを計画通りに実行。2016年6月に本稼働したcDOT採用のファイルサーバはガンホーのゲーム開発を支えている。

課題と効果

ファイルサーバのパフォーマンスが不足したときに
無停止で拡張したい

cDOT導入により、スケールアウト型でハードウェアが追加となり、無停止で拡張することが可能に。開発を止めることなくタイムリーにパフォーマンス不足を解消

コストを抑えながら開発作業における
レスポンスの向上を図りたい

NetAppのフラッシュ技術により、使用頻度の高いデータの読み取り/書き込みの高速化を実現。SSDでの処理速度のメリットとHDDでのコストメリットの双方を享受

少数精鋭のシステム運用部でOSの変更、
DR環境の構築を着実に行いたい

丸紅情報システムズの技術支援により、少人数のスタッフで構築はもとよりData ONTAP 7-ModeからcDOTへのスムーズな移行、低コストでのDR(Disaster Recovery)環境の構築を計画通りに実現

導入の背景

増加するデータへの対応と開発スピードは成長戦略の実現に欠かせない

日本最大級オンラインRPG「ラグナロクオンライン」、全世界5,900万ダウンロードを超えたスマートフォン向けオンラインゲーム「パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)」など、ゲームの世界においてエポックメイキングな作品を世に送り出してきたガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)。インターネットやスマートフォンの普及などの技術革新とともに新たな市場を創造する新規タイトルの開発と、ゲーム資産を様々な形態で提供するワンソース・マルチユースによる既存価値最大化の両輪で「世界No.1のエンターテイメント企業」を目指す。
2016年11月には豪華クリエイターが集結した渾身のスマートフォン向けオンラインRPG「セブンス・リバース」のサービスを開始。ガンホーが牽引するオンラインゲームはリリースして終わりではなく、継続的なゲーム展開の変化やアップデートが行える点が大きな特徴だ。
「パズドラは二週間に1回程度のスパンでお客様のアンケート結果などに基づきアップデートを実施しています。パズドラを10年20年、孫の世代まで遊べる作品に育てていきたいというのが経営層の考えです。当社の成長への第一歩は、最高に面白いゲームを創ることです。そして、お客様の声を活かしながら作品を進化させ、生涯顧客(ロイヤルカスタマー)への育成につなげ持続的成長を果たしていく。当社の成長戦略の実現において、増加するデータへの対応と開発スピードは重要なテーマとなります」とシステム・CS本部 システム運用部 システムマネージメント課 課長 塩澤昌樹氏は話す。
2016年、同社はゲーム開発を支えるファイルサーバのリプレースに伴い、無停止で拡張できることやレスポンスの向上を目的にclustered Data ONTAP(cDOT)搭載のNetApp FAS8020Aを導入した。

導入の
ポイント

パフォーマンスが不足したときに無停止で拡張 コストを抑えながら高速レスポンスを実現

従来のファイルサーバは2年目に容量が不足し、新たにファイルサーバの構築が必要となった。ゲーム開発における必要なデータ容量は、プロジェクトの数や内容などに不確定要素が多いためサイジングが難しい。大事なのはパフォーマンス不足が生じたときにシステムを止めることなく拡張できること。だが、既存のファイルサーバを動かしながら新しいファイルサーバを構築する手法では時間やコストがかかることに加え、ディスクの最適化の面でも課題がある。
「スケールアウト型でのハードウェアの追加により無停止で拡張できるファイルサーバを求めていました。当社の要望に応えてくれたのがcDOTでした。システムを止めることなく拡張できるため開発作業に影響を及ぼすこともありません。新規構築に比べてコストも抑えられます」とシステム・CS本部 システム運用部 太田早紀氏は話す。
新ファイルサーバの選定ではレスポンスの向上も必須要件となった。「ゲーム開発のスピードの観点では、ファイルサーバのI/O性能が重要なポイントとなります。開発者の1人がファイルを更新すると、開発チームの他のメンバーが更新ファイルをダウンロードし、その後修正したデータをアップロードするなどディスクへのアクセスが多くなるためです。開発作業での高速レスポンスを実現するうえで着目したのがNetAppのフラッシュ技術Flash Poolでした」(太田氏)
Flash Poolは、SSDとHDDが混在した構成の中でSSDをキャッシュとして利用することにより読み取り/書き込みの高速化を実現する。使用頻度の高いデータは自動で判別されるため運用負荷も生じない。「SSDの処理速度のメリットとHDDのコストメリットの双方が享受できることも評価しました」(太田氏)
同社は複数製品を厳正に比較検討した結果、無停止運用やレスポンスの向上に加え、導入実績に基づく高信頼性など総合的に評価しNetApp FAS8020Aを選択した。「従来のファイルサーバもNetApp製品を活用していました。ディスク故障もほとんどなく、その高い信頼性は運用に大きな安心をもたらしていました」(塩澤氏)

導入の
プロセス

丸紅情報システムズの技術支援のもとOSの移行、DR環境の構築もスムーズに

今回、NetApp FASシリーズ間での移行ではあったが、Data ONTAP 7-ModeからcDOTへとOSの変更を伴っていた。「私はNetApp製品に触るのも初めてでした。ほとんどゼロからのスタートでしたが、丸紅情報システムズさんには基本的な質問にも丁寧に答えてもらい、きめ細かな技術支援のもと構築から移行までスムーズに進めることができました。NetAppのデータ移行支援ツールはGUIベースでわかりやすく、設定も移行も自動で行われ、手間をかけることなくカットオーバーできました」
ゲーム開発を止めないためにDR対策として遠隔地にエントリークラスのNetApp FAS2554も合わせて導入。スナップミラーを利用し遠隔地への高速データ転送を行い、筐体間レプリケーションを実現することにより低コストでDRシステムの構築を可能にした。「開発作業はもとより運営中のゲームの継続性の面でもDR環境は重要です。DR環境の構築も丸紅情報システムズさんにサポートしてもらい心強かったです」(太田氏)

導入の効果と
今後の展望

実測値で2.5倍以上レスポンスが向上 重複排除によりデータ容量を30%削減

2016年6月に本稼働したcDOT採用の新ファイルサーバは、安定稼働を続けておりゲーム開発を支えている。「すごく速くなった」と開発者からの評価も高い。「実測値で2.5倍以上レスポンスが向上しています。日々の開発業務での様々なデータのやりとりの高速化をはじめ、コンパイラをまわしているときの待ち時間の大幅短縮など開発のスピードアップにつながっています」(塩澤氏) まだ無停止で拡張したことはないが、「複数のプロジェクトが立ち上がっても容量不足を心配する必要がなくなりました」と塩澤氏は話しながら、こう付け加える。「しかし、“拡張ありき”ではありません。重複排除によりデータ容量を30%削減しています。また開発中に作成して利用することのないデータなどをより安価なストレージに格納するといった運用上の工夫も行っています。今後もデータの使用頻度に合わせたストレージの階層管理は課題となります」
従来4台あったファイルサーバを1台に統合したことで運用管理の負荷軽減も実現。また運用管理ツールも使いやすくなったという。「Webブラウザを使って管理が行えるため、容量を増やしてほしいといった要望にも容易に対応できます」(太田氏)
同社のシステム運用部には2タイプのユーザが存在するという。「1つのタイプはゲームをご利用いただいているお客様、もう1つのタイプは当社のゲーム開発者、両方のユーザの満足度を高めていくことが大切です。少数精鋭のシステム運用部のマンパワーを最大限に活かせるように、丸紅情報システムズさんにはこれからもきめ細かいサポートをお願いします」(塩澤氏)
丸紅情報システムズはNetApp社と一体となって、世界中の人々に「感動と楽しい経験」を提供するガンホーのゲーム開発を支援していく。

NetApp FASシリーズ導入システム構成図

NetApp FASシリーズ導入システム構成図

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