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海外で3Dプリンティング活用研究や新事業が次々と!掲載日:2018/12/18

年末なのでテレビや新聞などでも「今年を振り返る」ような記事を最近良く見ますが、3Dプリンティング関連では海外から、「未来」のために大きな投資で活用研究施設を作ったり、新しい事業のニュースが次々飛び込んできました。それはどのようなものかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

海外企業が新しいものづくり研究開発施設を次々と!

東京は今週急に寒くなり、マスクやマフラーを登場させないといけなくなってきました。雪の地域も多いようですので、皆さんどうぞご安全に。

さて、そんな日本では年末であることに加え、何かと「平成最後」というキーワードで、テレビや新聞が今年や平成を振り返る記事を流していますが、3Dプリンティング関連では海外から「未来」のために大きな金額の投資で新しいものづくりのための研究施設を作るニュースや、新しいプリンター発売の「予告編」が次々と飛び込んできました。それらのいくつかを紹介したいと思います。

・アメリカ Ford社が「アドバンスド・マニュファクチャリングセンターを開設

配信ニュース例

http://www.3ders.org/articles/20181205-ford-unveils-advanced-manufacturing-center-and-3d-prints-shelby-mustang-gt-500-parts.html

Ford社は約4,500万ドル(約51億円)を投資し、ミシガン州Redford Townshipに「アドバンスド・マニュファクチャリングセンター」を新設したそうです。施設の設備や研究内容を上のサイト内の下の方にある動画で公表しています。VRやロボットの活用に加え、樹脂・金属の3Dプリンターを複数種導入し製造技術としての活用研究をしているようです。2:15あたりからDesktopMetal社のStudio+プリンター、Stratasys社のF370、F900も映っていました。

・イギリス GKNエアロスペース社が「グローバル・テクノロジー・センター」を開設

配信ニュース例

https://www.amrc.co.uk/news/university-of-sheffield-partners-with-gkn-aerospace-to-boost-new-digital-technologies-in-aerospace-manufacturing-with-32-mi

Airbus社などの航空機部品を開発、製造しているGKNエアロスペース社は、2020年Bristolにグローバル・テクノロジー・センターを3,200万ポンド(イギリス政府からの投資1,500万ポンド含め総額約46億円)の投資で開設することを発表しました。飛行機製造技術や材料の研究開発を大学や企業共同で行うそうで、3Dプリンティング製造技術も含まれます。イギリスの航空機製造産業の先進性を、国と産学官連携で高めていくという方向性がはっきりしています。

Fordの例は欧米の他の自動車メーカーに比べるとむしろこのような施設開設は遅いように思いますが、それでも3Dプリンティングを製造プロセス革新に使おうとする狙いは明らかです。また、多種の3Dプリンターを1か所に集めて研究することは他の先行企業と同じで、その重要性が理解されているように見えます。それにしても3Dプリンティングだけではありませんが、2件とも投資額が大きく、「本気度」が感じられました。一方、日本国内では企業も公的機関もまだ「様子見」であったり、活用研究が部署ごとに分散している傾向があり、「3Dプリンティング専門研究施設」を作り、まず集中研究してそれを組織全体で共有するという、欧米企業では以前からある動きがほとんど見られません。もちろん欧米がすべて良いとは言えませんが、国際競争の中で3Dプリンティングの活用が大きく遅れることは、何かの悪影響が出てしまうことを懸念しています。

鉄道や物流の会社でも新しい事業のニュースが続々と!

・イギリスAngel Trains社が鉄道車両部品製造に3Dプリンティング活用へ

配信ニュース例

https://www.tctmagazine.com/3d-printing-news/angel-trains-esg-stratasys-3d-print-rail-parts/

以前このコラムでもドイツ Siemens Mobility社が路面電車の交換部品(右写真は座席手すり)を3Dプリンティングでオンデマンド生産を始めた事例をこちらでご紹介しましたが、イギリスの大手鉄道車両リース会社Angel Trainsは関連企業やStratasys社と共同で鉄道車両の内装部品や交換部品を製造する仕組みを作り、アームレストやテーブルは使用認可を得て、来年から実際に電車に使われることとなりました。

ヨーロッパの電車の部品も当然難燃性規格などを満たす必要があり、3Dプリンティングで作れる部品は限られますが、それでも長期的な視野で大きな利益が出ることが見込めるため、今出来ることから始め、徐々に広げていく動きは世界的に加速してきています。

・アメリカFedEx社が物流施設内に3Dプリントサービス施設を新設

国際的な物流会社FedExの新会社FedEx Depot社は、自社物流ハブ施設内にStratasys社3Dプリンターを導入し、顧客へのオンデマンドプリントサービスを始めるとのことです。下記日本語字幕付き動画をご覧ください。
https://youtu.be/NfIKvfX0XtI

数年前から同じくアメリカのUPS社が個人向けに営業所で3Dプリントサービスを始めていて、日本でも大手物流会社が類似のサービスを始めるニュースがありましたが、3Dプリンティングの大きな利点の一つは「作ったものを送る」から、「データを送って使う近くでプリントする」という、物流と時間の大幅削減であり、物流会社としてはマイナスなことですが、その流れに逆らうのではなく、長期的な顧客への利益を考え、むしろ積極的に自社ビジネスに取り入れ、自社の成長にもつなげるという取り組みのようです。もちろん、既にある自社の物流ネットワークを活用すれば、他のプリントサービス会社よりさらに速くモノを届けることができたり、おそらくFedExの本業でも梱包資材や社内機器部品をタイムリーに作ることで自社競争力を増す狙いもあるのでしょう。

このように、3Dプリンティングに対し、「今どうか」より「将来発展する」ことを見込んで今から始めておくという考えから、活用研究に投資する企業は今後も増えると思われますので、日本の皆様が後から「知らなかった」ということにならないよう、今後もお伝えしていきたいと思います。

今回が今年最後のコラムとなります。ご愛読誠にありがとうございました。皆様良いお年をお迎えください。来年も引き続き宜しくお願い致します。

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