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最近のAM関連イベントからわかったことは?掲載日:2019/02/05

今年ももう1月が終わりましたが、今年は例年以上に1月から2月にかけてAM(アディティブマニュファクチャリング=3Dプリンティング)関連のイベントが多く、慌ただしくも充実した1月でした。それらに参加したことでまた新しくわかったことがあり、それはどのようなことかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

AMシンポジウムからわかったことは?

ご参加された方もいらっしゃるかと思いますが、「第9回AM(Additive Manufacturing)シンポジウム」が2019年1月24日(木),25日(金)の2日間で東京大学生産技術研究所にて開催されました。

ホームページ

http://lams.iis.u-tokyo.ac.jp/am_symposium2019.html

毎年この時期に開催されますが、筆者は第1回から何らかの形で毎回参加してきました。今回はDesktopMetal社の技術について講演もさせていただき、弊社丸紅情報システムズ株式会社もブース展示をしました。

東京大学生産技術研究所の新野俊樹教授が毎回苦労をされて、国内外の様々な分野から講演者を集めていただき、学術研究と産業の両方を組み合わせた講演やパネルディスカッションが提供され、今回も大変勉強になりました。懇親会もあり、日本のAM関連の専門家の方々と交流も出来ますので、次回ご参加されることをお勧めします。

今回は特に、AMで実機能品を直接作るDDM(Direct Digital Manufacturing)の適用が進んできた義肢装具や医療、歯科で研究実践をされている方々の生の声と最新情報を聞くことが出来、もう一方で多様な材料開発が急激に進んできた背景から、高性能樹脂材料や金属、セラミックまでの研究や活用状況が分かりました。

特に長年AMの特性を生かした新しいモノづくりとデザインの研究と実用化に取り組まれている東京大学生産技術研究所 山中俊治教授のご講演は、世界的にみても類のない先進的かつ実用的なもので、1月にロンドンのJAPAN HOUSEで開催された展示会では、1つのモーターを動力にして生物のような歩行や動きを生み出すReady To Crawlや、モノの形状により新しい触感を生む「構造触感」などは、海外のメディアでも大きく取り上げられたそうです。(残念ながら日本ではほとんど報道されせんでしたが、これも今の実情かと…)

報道例

https://www.3ders.org/articles/20190116-shunji-yamanaka-brings-ready-to-crawl-3d-printed-bio-inspired-robots-to-londons-japan-house.html

一方、義足などの義肢装具はひとりひとりの体や使用目的に合わせて、多くの技能を持った人が手で作ることが多いのですが、3Dスキャナーで体の形状をデジタルデータにし、そこからAMで型を使わずに作ることは長い間期待されてきた工法です。ただし欠けていたのは熟練した設計加工技能を持った方がそのノウハウを反映させて設計できるソフトウエアなのですが、それも共同開発されているエリジオン様が開発され、実用のレベルに達してきているとのことでした。

また、ここからわかることは、AMによる実用品生産が成功する条件は、「これを作ると大きなメリットがある」というコンセプトを考え、それに適した3Dプリンターと材料を選び、更に最適な設計をするためのソフトウエアを用意するということは、世界的にも共通していると思います。

シンポジウムを通じて日本のAMの専門家の方々に伺いましたが、確かに日本でのAM活用は欧米より遅れてきたものの、最近は日本も「良い方に変わってきた」と仰る方が多かったことも印象的でした。

 

TCT Japanからわかったことは?

次に、1月30日から2月1日まで東京ビッグサイトで開催されたAMに特化した展示会「TCT Japan」が開催されました。

ホームページ

https://www.tctjapan.jp/

TCTグループは欧米で長年AM専門展示会を複数個所で開催し、アジアでは既に上海、韓国などで大規模に開催していたので、筆者は日本で開催されることを願っていましたが、それが叶いまずはうれしく思いました。

もちろんブース展示も良かったのですが、それ以上に良かったのがセミナーカンファレンスでした。上記のホームページの下の方にもある通り、欧米からAMに精通した方が現状と見通しを示され、逆に日本からも、弊社も会員となっている3Dものづくり普及促進会の方が日本の現状を率直に海外の方へお伝えいただいたことで、有益なアドバイスや情報を引き出していただきました。

その他、日本でAMを活用されている自動車デザイン、建築デザイン、ビジネスコンサルティング、国際工業規格など幅広い分野からの講演があり、大変勉強になりました。

内容はとても書ききれませんが、重要なポイントだけお伝えしますと…

・欧米ではAMによる実使用部品生産が急速に広がり、2019年は大きな拡大の年になると見られている

・アメリカでAMが急拡大したのは、欧州や日本のように確立したものづくり技術や仕組みに乏しかったから。また、敢えてリスクをとってチャレンジでき、またそれを支える「金銭投資」が民間と国から多く投入された。日本のAMが拡大しない理由はリスクをとらないことが考えられる。

・AMの活用検討に大事な3つの要素
①コンセプトを考え、ゴールを決め、それに向かって動かす人=コンセプトドライバーを作る
②アイデアやデータを現物化する
③様々な工法、人を複合して実現する(擦り合わせ、統合、協働)

・日本でAMをビジネスに活かすには、推進する人のリーダーシップが重要で、経営層を巻き込むことが重要だが、それには「夢と現実」を分け、期待値をコントロールし、利益を生む「ストーリー」を作り、定量的に示し、現物、動画などを活用して説得すること。合理的な予算確保も必要。

・自動車のデザインは3Dプリンティングを使い始めた前後で変わった。決められた期間で、失敗が許されないため「どっちつかず」のデザインになりがちだったが、デジタルで絵を描き、3Dプリンティングで試作することで「挑戦」と「失敗」が出来、価値観が変わる意味あるデザインが出来るようになってきた。道具の改革は発想の改革になる。

今回展示されていたサンプルで、実際に見られて最もよかったのは、オートデスク様のブースにあった、電動車いすのフレームでした。

これはFusion360のジェネラティブデザインで解析による最適化設計から、鋳造砂型ロストワックス材料を造形できる3Dプリンター複数台で分割同時造形後接着し、それを砂型に埋めて加熱して溶かし出し、そこに金属を流し込んで、取り出し後研磨、メッキし実際に組み付けたそうです。これまでの工法では難しい短期間で出来、かつ従来品から40%も軽量化されたそうで、これが正に上述のAM活用の「大事な3つの要素」を満たした事例だと思います。

実はTCT Japanの隣で行われていた他の展示会でも、様々なAMを使った展示を見つけました。

弊社の活用事例でもご紹介していた、株式会社クロスアビリティ様が作られた、フルカラープリンターStratasys J750による原子配列や電子雲の可視化モデルや

株式会社RDS様のブースでは、材料VeroClearで造形したLEDライトレンズカバーを採用したホイールチェアーを展示され、

また株式会社シンク・ラボラトリー様では、自社の印刷機械のミニチュアをStratasys FDMで作り、工場レイアウトのイメージを伝えるために役立てておられました。

このように、AMが様々な使い方で活用されていることが分かるのも、展示会のメリットかと思います。

 

2月6~8日は次世代3Dプリンタ展

毎年6月に行われていた展示会が今年は2月になったことから、AM関連展示会が2週続けて2月6~8日に東京ビッグサイトで開催されます。

第1回 次世代3Dプリンタ展ホームページ

https://www.japan-mfg.jp/ja-jp/about/3dpt.html

今回丸紅情報システムズはブース出展はしませんが、ストラタシスジャパン様のブースに弊社説明員がおりますので、ぜひお立ち寄りください。

今回はストラタシスジャパン様が最新の活用事例動画を公開され、これに関する展示もあるようです。

 

また、Stratasys社が開発を公表している全く新しい金属3Dプリンティング工法「LPW」についても動画を公開され、ブースでも説明をされるそうです。

今後もAM関連イベントには積極的に参加し、皆様にお伝えしていこうと思います。

 

 

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