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3Dプリンティングを製造分野で使う利点と課題は?掲載日:2019/07/10

3Dプリンティングの使い方は様々ですが、特に最近の傾向として、製造分野で治工具や生産機械部品を3Dプリンターで作る使い方が増えています。一方で、研究開発設計分野での使い方とは違うことがあり、それは…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

設計製造の仕事は考えや情報が偏りがち?

梅雨真っただ中で曇りや雨の日が続いています。特に九州、西日本では大雨となり、大変な想いをされた方もいらっしゃるかと思います。気候は人間が予測したり調整したりはできませんが、川の水位などは測れ、それを情報として発信したり受け取ったりすること、そして情報と過去の経験からどうなるかを想定することは出来ることなので、まず「人ごと」と思わず、正しい情報を積極的に仕入れ、「こうなったらどうなるか」をひとりひとりが考えて動くことがますます大事になってきていると思います。

ものづくりの世界でも同じことが言えるのではないでしょうか。ネット上のインタビュー記事で読んだのですが、先日F1でホンダのエンジンが久しぶりに優勝を果たしました。その要因の一つとして、F1のエンジン開発技術者が航空機用ジェットエンジン開発技術者から情報を得たことで、これまで良く壊れていたあるユニット部品が格段に壊れにくくなったことが挙げられていました。

もちろん単純な話ではないでしょうが、設計や製造の仕事はどうしても専門的な分担作業が多く、考え方が凝り固まってしまいがちで、かつ知る情報も偏りがちなために問題解決やカイゼンが進まず、逆に全く違う分野からの情報を得ることで「こうなったらどうなる?」を考えてみたら解決することはこれからもまだまだあるのではないかと思います。

ロボットの世界は参考になることが多い

先週、株式会社ROBOTIS(ロボティズ)日本支店にお邪魔する機会がありました。ROBOTIS社は韓国に本社があり、ロボットアクチュエーターや研究、教育、産業分野で使われるロボットを開発販売されていて、日本支店でもStratasys MojoやF170を導入され、下の写真の様なロボットの実用部品製造にも活用されています。

今回ロボットと3Dプリンティングに関する新しい情報を教えていただきました。自動車自動運転システムでも有名になっている、コンピュータグラフィックス演算処理GPUを開発販売するアメリカのNVIDIA(エヌビディア)社が、主に教育研究用に、自分で小型のAIコンピュータボードと3Dプリンターと市販部品で作ることが出来るAI自立制御移動ロボット「KAYA」を開発し、全ての必要な部品表と3Dデータを公開しているとのことでした。それにはROBOTIS社のアクチュエーターが採用されているそうです。

早速ロボティズ日本支店で上の写真の通り作られたそうですが、実は部品表にある市販電池やアルミフレームなどに日本では買えない部品がいくつかあり、同社では3DCADが使えるので、一部の形状を変更し、日本で買える部品で作れるようにしたそうです。

製造分野でもAIの活用は注目されていますが、実際に使うとなれば「まだ少し先のこと」と考える方が多いのではないかと思いますし、筆者も同じですが、ロボットの世界では徐々に身近に使えるようになってきているようです。

3Dプリンティングを製造分野で使う利点と課題は?

このように、ロボットの分野では最新の技術を速く実用化するのに、積極的に3Dプリンティングと安価で大量に流通している部品の組み合わせを活用しています。

一方、製造業全体では「働き方改革」や「技能者の高齢化退職に伴う技能継承」「労働人口減少や外国人の活用」など、もう既に起きていて、これからもっと増える課題解決のため、ロボットの活用が注目される一方、高性能なFAロボットはまだ高額かつ使いこなす技能者も少ないことから、導入のハードルも高いようです。

しかしそれらの解決のヒントが教育研究や汎用ロボットの世界から見えてくる気がしています。つまり、これまで高額で専門家しか使えないと思われていた要素部品やソフトウエアが高性能かつ安価に、かつ簡単に使えるようになり、それらに3Dプリンティングと市販汎用部品を組み合わせることで「使えるロボット」を短期間に作ることができるようになっています。

例えば、ROBOTIS社ではモノをつかんだり放したりできる下の写真のような「グリッパー」を市販しています。

もちろんこのまま使うことも出来ますが、東北大学FingerVisionプロジェクト 山口明彦先生はグリッパーの先端に3Dプリント部品と画像認識による触覚センサーを組み込むことで、力や滑りを検知しながら折り鶴や卵をつぶさずにつかんで持ち上げたりできるロボットを開発されています。

参考ウエブページhttp://akihikoy.net/p/fv.html

既に製造分野の生産機械、治工具を汎用市販品と3Dプリント部品の組み合わせで作ることで、単に製造コストが安くなるというより、使うことによる身体負担低減、製造タクトタイム短縮、ポカヨケや5Sによる製品品質向上などの利益を得ている事例がいくつもあります。

ところが、特に製造分野では「良いのは分かっているけれど使えない」というケースが多く見られます。それを解決する課題は大きく分けると2つあると考えています。

【課題1】

研究開発設計分野と違い、製造分野では元々現場で何かを設計することが無く、または2次元図面を使うことが多く、3次元CADが無い、もしくは使える人がいない。

【課題2】

製造分野では、治工具や機械、または工程を変えるには費用工数対効果検証、変更の手続きに工数がかかったり、変えて何か不具合が起きた時のリスクが大きい。加えて慣れた道具、工程はあまり変えたくないという心理(マインドセットということもあります)

この2つの課題はそう簡単に解決するものではありませんが、少しでも、部分的でも解決できると、先に述べた「製造業にもう既に起きていて、これからもっと増える課題」の解決にもつながるかもしれません。

 

7月25日 ソリッドワークス・ジャパン様ウエビナーのご案内

今回は製造分野での3Dプリンティング活用の利益と課題についてお伝えしましたが、課題解決のための情報提供の一つとして、下記のウエビナー(ライブ配信型ウエブセミナー)をご案内します。

ROBOTIS様でも使われている3D-CADのSOLIDWORKSを販売されているソリッドワークス・ジャパン株式会社様と株式会社ストラタシス・ジャパン様との共催で、筆者も午前、午後に講演をする予定で、国内外のユーザー事例から、ありがちな失敗やその解決のヒント、成功のカギになる「DfAM」(3Dプリンティングのための設計手法)についてお伝えする予定です。

職場の机でも、外出先でも、1人ででも複数人とでも、インターネットがあればご覧いただくことが出来ます。ご興味とお時間のある方はぜひご参加ください。

今の3Dプリンターは「製造」でこそ活用できる

詳細はこちらをご覧ください。

【開催日時】

①7/25(木)10:00~11:30 この回の申し込みはこちらへ
②7/25(木)15:00~16:30 この回の申し込みはこちらへ
※①、②は同じ内容になります。いずれかご都合のよろしい方にお申し込みください。

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