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3Dプリンティング+1D=4Dで新たな価値が見える?掲載日:2019/10/16

先日10月10日に東京で「3Dプリンティングの先を探索するコンファレンス4DFF2019」(Conference on 4D and Functional Fabrication 2019)が昨年に続き開催されました。そこで見えた3Dプリンティング+1D=4Dによる新たな価値とは…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

3Dプリンティングの先を探索するコンファレンス4DFF2019

まず先週末の台風19号で被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。今回は被害の範囲が広いこと、また浸水だけでなく電気などのインフラ、交通網含めて復旧に相当の時間と労力を要する大きな被害があり、もちろん日常生活だけでなく、農林漁業はもとより、製造産業にも大きな影響が出始めており、またもや復興に日本全体で立ち向かっていくことになりそうです。3Dプリンティングが直接貢献できることは限られていると思いますが、このコラムでは正に微力ではありますが、これまで以上に前向きな情報を発信し続けることで良い方向に向かうヒントにしていただければと願うばかりです。

さて、その台風が近づきつつあった10月10日に、東京 慶応義塾大学内で「3Dプリンティングの先を探索するコンファレンス4DFF2019」が開催されました。弊社丸紅情報システムズ株式会社も協賛企業としてお手伝いをし、筆者も午後だけでしたが参加してきました。

カンファレンスウエブサイト
https://sig4dff.org/conference/

昨年第1回が開催され、このコラムでもこちらでご紹介しました。4D=4次元とはどういうことか?について昨年は

”「4Dプリンティング」とは、3Dプリンターを立体のカタチを作る装置と考え、そこに留まらず、その立体物から何か新しい「価値=4番目のD」を生み出すところまで含んだ「仕掛けや仕組み」”

と勝手な解釈をお伝えしましたが、今回のカンファレンスでもその解釈は変わらず、むしろ「3Dプリンティング」が生む新しい価値の多くは、もう一つの1次元=1Dを加えることで見えてくると気づくきっかけになりました。

 

 

 

展示や講演から見えたこと

昨年は3Dプリントしたものが温度などで形が時間とともに変わるというような、一般に知られる4Dプリンティングの研究発表がありましたが、今回は主催者のご努力のおかげで、昨年以上に幅広い分野や用途の講演やテーブルブース出展があり、4Dの幅が広がり、またご来場の方もファッションから化学含めた様々な企業、組織、個人の方が来られ、懇親会でも大変興味深いお話を伺うことが出来ました。

その中で特に参考になった展示や講演につきご紹介したいと思います。

招待講演:「看護xFab:臨床ニーズに即応するものづくりと新しいケア」

慶応義塾大学 准教授の宮川 祥子先生は、デジタルファブリケーション技術を用いたケア用品の製作を研究する「Fab Nurse Project」を主宰されており、筆圧がかけられず複写式の書類に一人で署名できなかった方のためのペンホルダーを3Dプリンティングされたなど、いくつかの興味深い例を紹介されていました。看護や介護においてこのような用具は3Dプリンターによって「作る」ことが出来たのは「3D」の価値ですが、それより作った後に人が使うことで「出来るようになったこと」や「生活の質」の価値の方がはるかに大きく、これこそが「+1D」の価値だと思いました。

熱可塑性エラストマーを用いたインフレータブルな造形物の研究

慶応義塾大学 田中浩也研究室からの講演と実物展示では、柔らかい樹脂による3Dプリント構造体と膜を組み合わせ、空気により座り心地を制御する研究の発表がありました。

このように実際に座ることが出来るサンプルを展示されていましたが、クッション性は材料の柔らかさだけでなく、少し不規則な市松模様のような立体構造により生み出され、写真のように体重がかかると中央部がくびれるように内側に変形するよう設計されていました。これも3Dプリンティングは、このような大きさの複雑一体構造物を、切削加工や型成形が難しいエラストマーで「作る」ことは3Dの価値ですが、出来た椅子を運ぶ軽さ、座った時の気持ちよさ、加えて使い終わった後のリサイクル性も含め、「+1D」の価値が大きい例の一つでしょう。

DfAM による特殊色彩設計

こちらも慶応義塾大学 田中浩也研究室からの講演と実物展示でしたが、このコラムでも何度がお伝えしているDfAM(Design for Additive Manufacturing)と色彩についての研究発表でした。

現物をご覧にならないとこのサンプルの良さや、何とも言えない不思議な「色の見え方」が伝わらないのが残念ですが、武士の鎧の鎖帷子(くさりかたびら)のように小さい円盤が鎖のような構造でつながれたもので、円盤の表裏に凹曲面があり、その曲面が複数色で着色されています。これを平面に置いてみただけでは何も起きないのですが、写真のように手で立体的に動かしたりすると凹曲面から見える角度や範囲が変わるため様々な色が変化して見えるようになります。この色彩はコンピュータで計算され設計、着色されたものですが、これも3Dプリンティングを前提とし、利点を生かすDfAMがあって出来ることで、3Dプリンターはこれを一体で立体現物化する「3D」の価値を生み出しています。加えてこれを動かすことで得られる独特の色彩や、それを見て感じる心地よさは「+1D」の価値で、3D以上に大きい価値だと思います。

その他建築に使う部材から、電子基板に関するものまで様々な新しい活用事例があり、勉強になりました。

「+1D」の生む利益は見落とされがちだが大きい!

「4D」というとなんだか「空想」の世界に思えたり「研究の世界」のようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、既に知られている3Dプリンティングの活用事例のほぼすべては、その「価値」が「+1D」の部分にあると言っても過言ではないと考えています。つまり、次元の無い「創造」を3次元の「物質」に転換するところは確かに3Dプリンターが出来ることですが、DfAMや3Dプリンティングによる「物質」をその後の「使う」ことによって、または限られた「時間」を有効に活用することで生まれる「+1D価値」の方が見落とされがちですがはるかに大きく、そこに気づいた方が3Dプリンティングをうまく活用されているのだと思います。例を挙げれば、軽くなって持ち運びやすくなった、型の冷却が改善され成形サイクル短縮と成形品質改善が出来た、人それぞれに合ったカタチによって人の能力が引き出された、などでしょう。もちろん投資対効果も、3Dだけの計算ではなく、「3D+1D」で考えることで違った結果になることはご理解いただけると思います。

そのような事例を、実際に体験した方から聞いて学ぶことが出来る一つの機会として、先回もご案内しました「ストラタシス 3D プリンティングフォーラム 2019」を再度お知らせします。

ストラタシス社主催「ストラタシス 3D プリンティングフォーラム 2019」が今年も開催されます。3Dプリンターの最新情報や多数のユーザー様の活用事例などをご紹介いたします。弊社丸紅情報システムズ株式会社もスポンサーとして実機・サンプルモデルの展示や、当社の造形サービス・レンタルサービスをご案内いたします。本年はストラタシス製3Dプリンタを実際にご利用のお客様だけでなく、ご検討していただいている一部のお客様もご参加いただく予定です。

■専用Webサイト <詳しくはこちら>
■日時:2019年10月30日(水) 9:30開始
■会場:紀尾井町カンファレンス <アクセス>
■内容:午前は基調講演及びスペシャル講演、午後はユーザー様の事例紹介や最新情報についての多数の講演を用意しております。<プログラムはこちら>

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