製造ソリューション事業本部 03-4243-414303-4243-4123

製造ソリューション事業本部

TEL : 03-4243-4123

製造工程改善に3Dプリンティングをどう使うか?掲載日:2020/04/14

新型コロナウイルスの終息はまだ見えず、経済への影響も大きくなるばかりですが、終息後に「働き方」や「工程」を変えることでこの難局を乗り越える企業や組織も多いと思います。特に製造業における工程改善に3Dプリンティングをどう使うかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

産業ロボットによる製造工程改善

4月も中旬となりましたが新型コロナウイルスの終息はまだ見えず、経済への影響も大きくなるばかりです。とはいえ、歴史的に見てもこのような難局は乗り越えてきましたし、世の中が急速に変わっていく時代であることには以前と変わりがないので、少し先を見て、今の環境で今出来ることを続けていくほかないのではないでしょうか。

前回のコラムでもお伝えしたように、引き続き世界各地での物資不足を3Dプリンティングで解決改善しようとする動きの報道が増えています。弊社でも、マテリアライズ社のドアハンドルレバーを作りました。

一方、海外でも注意を促すニュースが配信されていますが、特に実際の医療現場で使われる保護具、機器部品などは安全性の認証審査が必要なこと、材料が高温高圧滅菌に耐えるものか、作る環境での汚染が無いかなど、3Dプリンティングで「作れるか」だけでなく「作るべきか」を慎重に判断しなければならないと考えます。加えて「実際に必要とされるもの」を作ることが重要なので、弊社としても何らかの貢献に対する準備はしており、もしお読みの皆様の中で「新型コロナウイルス対策でこのようなものが必要とされている」という情報がありましたら、弊社へのお問い合わせページからご連絡をいただけましたら、個別に対応を検討致しますので宜しくお願い致します。

仮に新型コロナウイルス感染拡大が起こらなかったとしても、特に日本、とりわけ製造産業では国際的競争の激化や変化、「働き方改革」、労働人口の減少などへの対応は差し迫った課題でしたし、このような状況だからこそ「変われること」が「強み」になるとも考えられます。

日本の製造工程改善は「KAIZEN」として世界共通の言葉になり、実践されていますが、特に産業用ロボットによる工程改善、改革は世界中で進んでいる一方、日本では特に中小規模企業でなかなか導入に踏み切れない、導入しても活用が進まないという話を聞くことがあります。その理由の一つが「投資対効果」がはっきりわかりにくいことがあるようです。

・投資は本体価格だけではなく、付帯機器や環境整備、システムインテグレーションなどの周辺費用も含まれる

・投資の回収は「人」に関わる経費が主で1年から数年での回収だが、最近はそれ以外に、人の教育の期間とコスト、人材確保の難しさ、不確定さからロボット導入を決める企業もある。最近はレンタルもあるので、まず短期間使って試すのも良い

このようなことは、3Dプリンターの普及が日本で遅れている背景と似ていると感じました。3Dプリンターも導入を検討されるときに「プリンター本体価格」だけでなく、「使う」ために必要な(消耗品、保守含む)費用を見込む必要があります。しかしその投資をしても比較的短期間で回収できるのは、単に「製造コスト」や「時間コスト」だけでなく「人」に関わる経費や人に依存することの「隠れた経費とリスク」を含めた利益があるからで、それを計算に入れることが導入に重要だからです。

一方、産業用ロボット導入の投資に「システムインテグレーション」が占める割合が大きいとのことですが、例えばエンドエフェクター、グリッパーの設計・試作に3Dプリンティングを活用することで開発期間と費用を抑えたり、実用部品を最適な設計と軽い材料の3Dプリント品を使うことで、より可搬重量が小さく安いロボットが使えたり、ロボットの動きを早くできたり、スペアパーツをすぐ作れたりする例もあり、3Dプリンティングにより投資や運用コストを下げ、導入しやすくなることもあるのではないでしょうか。

以前のコラムでも何度かロボット部品製造に3Dプリンティングを使う例や利点を紹介してきましたが、今後も良い実例があれば紹介したいと思います。

グリッパーの爪を樹脂3Dプリンティングで作った例

3Dプリンティングによる製造工程改善 海外事例

先日3Dプリンティングによる製造工程改善をされたイギリスの会社の事例記事を見つけましたので紹介します。

これはイギリスのStratasys正規販売代理店SYS社がお客様事例としてウエブサイトでの記事と、動画共有サイトでの動画(4分弱)を公開したものです(英語のみで申し訳ありません)。

https://www.sys-uk.com/cirteq/

Cirteq社は自動車部品である金属リテーナーリングなどのメーカーで、日系含む大手自動車メーカーに納入しています。その生産機械の部品をStratasys PolyJetプリンターとVeroClear樹脂で作ったことにより、自動的にオイルを塗布する工程を組み込むことができ、従来別工程で4人で行っていた作業を1人で出来るように改善されたとのことです。このように、工程改善のアイデアと、3Dプリントに適した設計と、適した3Dプリンターと材料を使うことで、小さい1つの機械部品であっても人への依存を減らす工程改善ができる可能性を示しています。

3Dプリンター自体ができることは新型コロナウイルス対応にしても製造工程改善にしても小さなことですが、アイデアと「すぐ試して、改良しながら使っていく」行動を起こせば、大きなプラスになることは、日本の皆様にも参考になるのではないでしょうか?

3Dプリンティング オンラインカンファレンスが開催されます

訪問面談や展示会、セミナーなどが当面の間できない状況ですが、特に海外ではインターネットによる3Dプリンティングに関する情報発信が盛んにおこなわれており、時差で難しいこともありますが、筆者もできるだけ自宅から参加して、情報収集を続けています。

このような中、日本でもこのままではいけないと考える有志の方々により、急遽オンラインカンファレンスが開催されます。

Additive Manufacturing Online Conference in Japan
日時:2020年4月24日(金)9:30-18:30
主催:Link3D 協力:tct-Japan
登録ウエブページ(イベントスケジュール含む)はこちらをクリックしてください。
参加費:無料 ネットでの事前登録制 開催時間中出入り自由

ここでは単に3Dプリンティングの宣伝ではなく、これまで以上に浮き彫りになった製造産業の課題(サプライチェーン、事業継続性、緊急対応)、3Dプリンティングユーザーが活用を進めるための課題(DfAM、品質管理、投資対効果)などについて各社からの講演と、ユーザー側からの意見について発信し、一方通行ではなく、少人数グループで参加者同士が話せる仕組みがあり、個別交流が出来るプラットフォームになることを目指しています。

筆者も午前10:15から「変化を強みに。AMでこれからのために今できること」という題で講演をする予定です。ご都合のつく方はぜひご参加ください。

毎度繰り返しにはなりますが、お読みの皆様及びご関係の皆様、どうぞご安全にお過ごしください。

 

3Dプリンターのことなら
お気軽に当社へ
お問い合わせください

TOP