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これからの3Dプリンティングの役割はどう変わる?掲載日:2020/05/19

新型コロナウイルスの影響は全世界にひろがり、これからの人の行動、経済の仕組みも大きく変わらざるを得ない状況です。3Dプリンティングにおいても、情報や知識の伝わり方から、使い方や社会や産業における役割も変わりそうで、それはどのようなことかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

第1回 3Dプリンティング オンラインカンファレンスが開催されました

このコラムを書いている時点ではまだ新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除されておらず、弊社丸紅情報システムズ株式会社の本社、支店が特定警戒地域内にあるため、在宅勤務が続いています。平時以上に大変な勤務やご苦労をされている方々も多くおられることとは存じますが、最低限自分にできることとして感染しない、感染を広げない、それからこのように3Dプリンティングについてお伝えしていく役割を果たしていこうと思います。

さて、前回のコラムでお知らせしたとおり、日本国内で筆者が知る限り初めて3Dプリンティングに関する総合的なオンラインカンファレンス「Additive Manufacturing Online Conference in Japan(主催:Link3D 協力:tct-Japan)」の第1回目が2020年4月24日に開催されました。

初めての試みで、かつこのような状況の中で心配していましたが、のべ500名弱の方が参加されました。本コラムをお読みいただいている方にも大勢ご参加いただきました。ありがとうございました。全セッションの録画動画がLink3D様のYouTubeチャンネルで公開されていて、どなたでも視聴できます。ご参考までに筆者担当のセッション録画動画は下記のとおりです。狭い自宅の背景が映っていたり、照明が悪く、黒い顔がさらに黒かったり、質疑応答の時間が短くなってしまったりして至らず、お見苦しいとは思いますが、ご興味があればご覧ください。

全体に講演内容も幅広く、筆者も勉強になりましたが、それ以上に今回使われたシステム「Remo」の特長として、講演者と参加者が少人数でテーブルに集まってオンラインで会話やテキストチャットで個別に交流できたことは大変有意義でした。テーブル交流の画面の例は下の画像でイメージしてください。

開催中のテキストチャット等でも継続開催を希望される声もいただきましたので、第2回を下記の通り開催予定です。弊社営業 舛岡が講演します。筆者は最後の講演者との質疑応答、対話のセッションに参加の予定です。ぜひご参加ください。

第2回 AMオンラインカンファレンス
5月29日(金)午後1:00~午後6:00
参加無料、事前登録、出入り自由

プログラム、参加申し込みはこちらをクリックしてご覧ください。

先回はご紹介できませんでしたが、その後StratasysのPolyJetプリンター新製品 J55が発売され、上記講演でも概要をご紹介し、ご希望により個別交流時間で説明致します。詳しくは下記をご覧ください。

2020年5月17日 丸紅情報システムズ株式会社 プレスリリース
多彩な表現力をオフィス環境で実現するフルカラー3Dプリンター「Stratasys J55」の取り扱い開始

Stratasys J55の紹介ウエブページ

 

これから変わることと3Dプリンティングの役割

新型コロナウイルス感染拡大により、今だけでなく終息後も、人の行動、社会、政治、経済の仕組みが「元に戻る」より「変わる」方が多く、寧ろ長い目で見れば変わった方が良いという見方もあるようです。もちろん今回のことが無かったとしても遅かれ早かれ変わるであろうことも多いと思いますが、それに伴い、社会、経済、産業における3Dプリンティングへの見方や役割も変わると見ています。

多くの報道でご存じの通り、世界各地でフェイスシールドや医療機器の不足に対して3Dプリンティングが活用され、そこでは作られたモノと3Dプリンターに注目されがちですが、以前と変わったことは「人」と「プロセス(工程)」だと思います。まず「必要なこと」に対して「必要なモノ」を考えて作る行動をすぐに起こされたのは、3次元CADと3Dプリンターを知っていた、または使っていた方々であり、その「行動とカタチのアイデア」も、知らなかったら、使っていなかったら出てこなかったと思います。加えて、そのアイデアをデータとして正確に、速く、広く拡散出来たことで、「まず作る→使って結果がわかる→改良する」プロセスと下の図の価値創造サイクルが速く、また多くの人(それも直接会わない)により回ったこと、加えて「作る」と「使う」間に必要だった「運ぶ」が少なく、かなり「地産地消」が実現したことは、「3Dプリンターは試作用」という時代から変わったことだと思います。

参考 筆者の考える3Dプリンティング価値創造サイクル

とはいえ、3Dプリンティングが役立ったことは全体のごく一部(ごく一部でも「ゼロ」とは全く違いますが)、かつ3Dプリンターでモノを作るにも、少ないとはいえ「人」が移動し作業し、運ばなければならない事実は変わらなかったと思います。一方、公表されていないところでも、急に入手できなくなったモノ、または新しいモノを作らなければならなくなった際に、設計製造検証や実用治工具、正規品が出来るまでの「当座のつなぎ」に3Dプリンティングが使われたケースも間違いなくあると思いますが、おそらくそうなることを予測して3Dプリンターを導入されていた企業は少ないでしょう。

しかしこれから、まだ起きていないけれども起こり得る変化、また「ヒト」が移動せず「情報」や「モノ」が移動する、「ヒト」の直接的な労働に頼りすぎない、1つの手段に頼りすぎないものづくりに対応するための「もう1枚のカード(ゲームで勝ち負けを決めるというより、優位に立つために持っていると良い意味)」としての役割が3Dプリンティングに加わってくると考えています。

それでも大事なことは、ただ3Dプリンターを買えばその役割が得られるわけでもなく、かつこれまでのものづくりを大きく変えるような「過剰な期待や恐れ」も不要で、まず小さく、早く始めて、「実際に知っている、使える」人、もう一つ言えば「新しい道具を受け入れて使いこなす文化」を少しずつ組織の中に増やしていくこと、また3Dプリンターを「持つ」(買う、借りる)に加えて、「外に頼む」手段も並行して持っておくことで、「もう1枚のカード」として使えるようになると考えています。「実際に知っている、使える」人が全くいないのと、少しでもいるのとでは、最初の「行動とカタチのアイデア」が出るか出ないか「まず作る→使って結果がわかる→改良する」プロセスが始められるか否かで、その先が大きく変わってくるのではないでしょうか。これは単なる筆者の想像ではなく、海外の多く、また日本でも公表が少ないだけで、実際に現場で起きていることです。

ところで、3Dプリンティング産業の約30年の歴史の中で、大きな不況による「マイナス成長」になったことが実は2回あります。それはバブル経済(デジタルバブルも含む)崩壊とリーマンショックの時ですが、その後2-3年で不況前以上に加速成長しています。今回も間違いなく成長の谷になると思われますが、アメリカからネット経由で発信されている情報を参考にして、過去2回と違う点があると筆者も考えています。

・3Dプリンティングの用途は、昔は研究開発試作が大半で、不況による研究開発費削減の影響を大きく受けたが、今は生産製造など変動が比較的少ない分野での用途が広がっているので、影響が分散される。

・3Dプリンターや材料、サービスの種類が今は格段に多く広くなり、かつ当時は無かった新技術もあるので、今回の影響は地域や産業差があるものの、世界全体としては成長が続くとみられる。

実際にどうなるかは数年後にならないとわかりませんが、不況からの回復時に3Dプリンターが果たす役割は過去2回と変わらないとともに、移動、通信含むIT、医療技術の変化と進化は止まるどころか加速することも考えられ、それに対応する「もう1枚のカード」としての3Dプリンティングの役割は既に変わりつつあり、またそれによるヒトのアイデアや行動もさらに変わっていくでしょう。

これから世界的に大きな経済の谷がやってくることは間違いありませんが、谷の時に何もしなければ次の山にも乗り切れない、または再び谷が来ても同じように沈んでしまうでしょう。谷の間に貴重な人材や組織を、現状プラス「もう1枚のカード」を持つことに活かすことも必要ではないでしょうか?

今回のことで以前よりネット経由で発信される情報が逆に増えたように思います。筆者は既に「置いてかれ気味」ですが、ますます遅れないよう情報を集め、お伝えしていきたいと思っています。

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