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あらためて考えてみる「DfAM」とは?掲載日:2020/06/16

新型コロナウイルスの全国の緊急事態宣言は解除されましたが、まだ3密を避けての生活、仕事は続きそうです。そのような中、先日あるオンラインイベントにて「DfAM」について話し合う機会がありました。そこでDfAMとは何か、あらためて考えてみたのですが、それはどのようなことかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

「オンライン」が普通になる?

新型コロナウイルス感染は減ってはきたものの、終息がいつになるかは予断を許さない状況が当分続きそうです。先回のコラムでも「ニューノーマル」について書きましたが、これまでは直接集まって会って話すのが主で、「オンライン」は補助的な使い方だったのですが、今からはオンラインも普通に、かつ有効に使いこなすように頭を切り替えた方が良いのでしょう。このコラムもオンラインですので、これからも変わらず続けていきたいと思います。

そのような中、既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、6月16日(火)からオンライン形式の展示会イベント「デジタルモノづくりサミット」が開催されています。

■ デジタルモノづくりサミット
開催日時:2020年6月16日(火)~ 6月30日(火)
参加費:無料
形式:オンラインイベント
弊社丸紅情報システムズ株式会社は「3D設計」ゾーンに出展し、CAD/CAM、3D計測(3Dスキャナ)、3Dプリンター分野に関する活用事例や最新情報をご案内いたします。参加費は無料で、開催期間中いつでも下記概要の掲載資料をダウンロードできますので、是非ご参加ください。

▼その1▼
「これでもう迷わない!金属3Dプリンターを選ぶ3つのポイント」

▼その2▼
「高性能3DスキャナATOS デジタルデータの最新活用方法」

▼その3▼
「” 製造現場のデジタル化” MESシステムとは?」

[イベントの詳細・参加お申込みはこちら>>]

オンラインの良いところ、悪いところはあると思いますが、売り手側も買い手側も情報発信と入手の一つの手段としてこのようなイベントをうまく利用できる方がビジネスの上でも有利になるのではないでしょうか。

「DfAM」についてあらためて考えてみると

これもオンラインだからこそ出来たことでしたが、先日とあるDfAMに関するオンラインセミナーで様々な方と「DfAMとは?」について話す機会があり、大変勉強になったとともに、あらためてDfAMとは何かを考える良い機会になりました。

DfAM(Design for Additive Manufacturing)についてはこのコラムでもこちらの回などで何度かお伝えしてきました。日本国内でもDfAMという言葉がかなり知られるようになり、関心が高まってきましたが、「AM(3Dプリンティング)のための設計」と言っても様々な範囲や解釈があります。一般論として参考になる資料として国際工業規格ISO/ASTM 52910:2018 が既に制定発行されていますが(英文、和訳版ともこちらで購入できます)、これがすべてでもないと思います。

筆者個人としてDfAMに含まれる範囲とは何かとの考えを以下の図でお伝えします。DfAMには形状設計だけでなく、ビジネスやコンセプト、造形サポートや評価方法までデザインすることまで含まれるということです。囲みの黒字はデザインに使うツールや補助情報を示しています。

過去に製品設計をしていた経験からも、何か機能するものを設計するには単に機能や強度などだけではなく、そのモノが考えられ、作られ、整えられ、評価され、使われるかのプロセス全体を考えないとカタチを決めることが出来ず、それはAMでも変わらないと考えているので、DfAMの範囲は上図のように広いと考えています。

これをどのように実際に使うかは、本当に個々のケースで異なるので一般化、標準化するのは難しいのですが、一例として最近筆者がDfAMに基づいて行った形状設計の考え方をご紹介します。カタチとしてはもっと良い設計もあるでしょうし、公開するのも恥ずかしいのですが、あくまで一つの例として参考にしていただきたいと思います。

これは多数の人が手で触れることによる感染拡大防止策のひとつとして、弊社本社オフィスのドアの丸棒を手で握らず腕で引いて開けられるようにするハンドルです。設計依頼を受け、実習もかねてFusion360を使って設計しました。

まず機能として前腕をひっかけて手前に引けることだけではなく、簡単な工具で容易に付け外しが出来ることなども考え、別部品のブラケットとボルトナットで丸棒を挟んで締め付ける構造にしようと決めましたが、この時点で使うAM工法を樹脂FDM(材料吐出法)、積層方向も決めてから基本形状を考え、詳細設計を進めました。下図の黄色の矢印が積層方向です。

特にFDMの場合サポートの量が造形時間、材料コスト、仕上げ工数に大きく影響しますし、溶かさなくてもとれる形状であれば使えるプリンターや材料の選択肢も増えますので、サポートが最小限で済むような形状を考えました。例えば上図の赤い矢印の斜面の角度を水平から45度以上にすることでサポートを付けず、かつ曲げ剛性に強いコの字断面の形状にできます。また強度剛性に影響の少ない青い矢印の部分は垂直貫通の肉抜きを入れました。材料節約に加え、樹脂の硬化収縮による歪みを少なくする効果もあります。

上図の赤い丸の部分はボルト穴ですが、丸穴だと底面からサポートがついてしまいますが、角穴を45度傾けた穴であればサポートは不要です。同じく丸棒に沿わせるための凹みも赤い矢印の部分にサポートが付かない形状にしました。その他ほとんどの凹凸エッジにはフィレット(角R)を付け、応力集中が起きにくいようにしています。

その他細かいことは省きますが、上記の形状はトポロジー最適やラティス構造などAM以外では作りにくいものではない単純形状ではありますが、機能を優先し、FDMの長所を生かし短所を補う設計という点でDfAMに基づく設計かと考えています。

DfAMは3Dプリンティングの土台か?

上記の設計例も、もちろんFDMの原理や長短所を知らないと考え付かないものですし、もし他の工法の3Dプリンターを使う前提なら違う設計になるでしょう。それもあり、本でも講演でも3Dプリンティングの活用や習熟のステップとして、「既存品の試作品や置き換え品を作る→簡単な治工具を作る→DfAMで実使用部品を作る」の段階を踏むのが良いとされ、DfAMは3Dプリンティングを良く知らないと出来ない、どうすればいいのかわからないと思われている方が多いように思います。全く間違ってはいないのですが、筆者の中ではDfAMは3Dプリンティングの使い始めから切っても切り離せないもので、寧ろDfAMが土台で、その上に3Dプリンティングが成り立っていると考えています。

例えば試作品を作る場合でも、サポートが少なくなる向きに変えたり、後で接着しやすくなるような形状に3DデータをカットしたりするのもDfAMではないでしょうか?

もう一つの見方として、DfAM設計とは、3Dプリンティングの前に、まず作るモノの機能、製造工程、サプライチェーンを根本から見直して、それらをより良くする形状や部品構成を考えて、その上で3Dプリンティングが適しているかを考えるのが順序だと考えていますし、海外でも、DfAMはモノの機能、性能、QCD、工程を根本から見直して改善するために使うという考えもあるようです。

答えや解釈や使い方は一つではないと思いますので、みなさんにとってのDfAMとは何かをお聞きしたいと思いますし、どうやってDfAMを使うかの課題に一緒に取り組む機会を作っていければと考えています。

最後にお知らせです。4月から始まった3Dプリンティングに関する総合的なオンラインカンファレンスの3回目が下記のとおり開催されます。筆者もプログラム最後の講演者とのディスカッションに参加予定です。是非ご参加ください。

第3回 AMオンラインカンファレンス
6月26日(金)午後1:00~午後6:00
参加無料、事前登録、出入り自由
プログラム、参加申し込みはこちらをクリックしてご覧ください。

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