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製造の国内回帰と3Dプリンティングの関係は?掲載日:2020/12/14

先週東京で開催された3Dプリンティングの展示会を見てきました。そのセミナー講演の中で製造の国内回帰と3Dプリンティングについての話があり、そこから考えたことがありました。それはどのようなことかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

製造の国内回帰と3Dプリンティング

今年も早いもので2020年最後のコラム投稿になりました。1月の初めにこちらのコラムで、2020年の3Dプリンティングがどうなるかの予測を、このような年になるとはつゆ知らず書いていました。振り返ると最後に次のようなことを書いています。

『今年は他にも今は想像できないようなことが次々と起こると思いますし、特に日本では夏の大きなスポーツイベントがあったり、次世代ネットワーク通信5Gが始まる年でもありますので、皆様にとっても年末に振り返った時に「良い方に変わった節目の年だった」となればよいと思います。』

「想像できないことが起こる」はその通りでしたが、「良い方に変わった節目の年だった」と思える方は残念ながら少ないかと思います。ただ、後で振り返ればいろいろな意味での節目の年であったと思うであろうことは間違いないでしょう。その他にも次のような予測を書きました。

『日本でも「他者や先行者とつながり、情報を共有し、作業を分担する」方が良いことに気づく方も増え、そのような組織、場が増えていくと見ています。』
『「プロセス変化ありきの3Dプリンティング」になれば、3Dプリンターや材料に求められることも変わってきますし、その関連ツールも変わり、得られる利益も「局所的・単発的」より大きなものになります。』

このことは図らずも新型コロナ感染拡大に対し、不足したフェイスシールドや医療機器を3Dプリンティングで作られた世界中のプロジェクトで起きたことだと思います。利益はものづくりとしての利益というより、感染防止や検査・治療において大きなものになりました。

さて、先週東京で3Dプリンティングの展示会「TCT JAPAN 2020」が開催されました。今回は会場とオンラインのハイブリッドで行われ、筆者は1日だけ会場に見に行きました。

現地ではいろいろな方と久しぶりに、または初めてお会いでき、オフラインの良さも改めて感じました。一方、これまでのTCT JAPANで楽しみにしていた一つは、セミナーで欧州の3Dプリンティングに詳しい方が来日、講演されるのを聞くことで、今年は致し方なく事前録画ではありましたが、講演を聞くことができました。それを聞いて筆者が考えたことをいくつかお伝えします。

欧米製造経済先進国で近年起きている「製造の国内回帰」は、これまで人件費含めたコストの安い地域に製造を移し、それを大量に運んで安く売る仕組みから再び国内に製造を戻す動きですが、製造または流通サプライチェーンがコロナ禍により崩れたことで更に動機が増しているものの、特にアジア地域は製造産業構造の複雑さもあり、実際には簡単ではなくすぐには進まない、また製造の海外流出が起きる前と同じような状況にただ「戻す」より「何を新しく国内で作るか」が課題だと考えました。

また、その中で3Dプリンティングは、国内、または近い地域での生産を可能にするだけではなく、製造産業において「消費者の役割が増える=製造者が売れると思うものではなく、消費者が欲しいものを作る製造」に変えていくこと、また考える-作る-運ぶ-売るなどすべてのチェーンを含めて考えるデザインや製品設計を行い、マスカスタマイズ製品製造などを実現していくのにつかわれる作り方であるということも再認識しました。。

筆者は過去のコラムでDfAM(3Dプリンティングのためのデザイン)について考えをお伝えした際、下の図を使いましたが、今回改めて、3Dプリンティングを製造に使う場合、このようなプロセスチェーン全体を製品設計に織り込むことが重要と考えました。

 

今年も1年コラムをお読みいただきありがとうございました

2020年の1年間で、今回含め23本のコラムを書きました。そのほとんどの回で新型コロナウイルスについて触れることになってしまいましたが、それも含め、勝手な見方をお伝えしたにもかかわらず、1年間お読みいただきありがとうございました。

最後にもう一つだけお知らせです。筆者も講演や企画、進行、講演者とのパネルディスカッション参加で協力してきましたAMオンラインカンファレンス 第6回が2020年12月18日(金)午後2時~6時まで開催される予定です。プログラム、無料参加申し込みはこちらのウエブサイトをご覧ください。

年末で皆さんお忙しいとは思いますが、3Dプリンティングに関わる仲間づくりにつながりますし、今回も幅広い分野からのご講演がありますので、ぜひご参加ください。

これほど明るい見通しが見えない年の瀬はありませんが、それでも新しい年はやってきますし、海外でも国内でも3Dプリンティングを取り巻く世界は活発に動いていて、来年もその変化は続いていきますので、変わらずこのコラムでお伝えしていきたいと思います。皆様良いお年をお迎えください。

 

 

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