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3Dプリンティングを知る様々な「視点」とは?掲載日:2020/11/05

これまでもお伝えしたように国内外で3Dプリンティングについての様々なオンラインイベントが活発に開かれ続けています。それらを通じて、3Dプリンティングを知る、またはどう使うかを考えるのに様々な「視点」があることにあらためて気づかされました。それはどのようなことかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

3Dプリンティングについての「視点」

先月は急に寒かったり、また暖かくなったりと天候も不安定でしたが、さすがに11月の声を聞くと寒いと感じる日が続くようになりました。世の中はコロナとは別に住民投票やプロ野球の2位争いから、海の向こうの大統領選挙まで、どうなるか最後まで分からないことが次々起こり、落ち着かない感じが続きそうです。

3Dプリンティングの世界では、これまでもお伝えしたように毎年この時期になると、ドイツで開催されるformnext展示会で発表する欧米メーカーが多いことから、新製品や新材料の情報が出てき始めてにぎやかになってくるのですが、今年はformnext connectとしてオンライン開催となったこともあり、全体にはまだ静かな感じです。お読みの方にもいらっしゃると思いますが、筆者も既に参加登録をしました。おそらく主催者も出展者も「急工事」だったと思いますが、ログインするとなかなか良く出来た使いやすいウエブサイトになっており、自分の関心のある出展者を選んで自分だけのお気に入りリストを作ることが出来たりします。ある海外の出展社を選んだところ、すぐに「オンラインミーティングお願いします」のメッセージが数件届き、オンラインの良いところを使う工夫が見られました。講演も日本時間の夜から深夜になってしまうので聴く件は限られますが、概要は次回にお伝えできればと思います。

formnextに限らず、展示会を見る時の視点はどうしても「装置」や「材料」や「性能」がメインになることは当然なのですが、3Dプリンティングをより理解したり、どう使うかを考える時には「なぜこのような装置が作られたのか」「何のためにこの材料は開発されたのか」「どうやって使うのか」などの視点が大事なのではないかと考えています。

ひとつ例を挙げますと、昨年のformnextで(このコラムではこちらで伝えしました)Stratasys社がブースでFDMの「Antero」という樹脂のサンプルを展示しましたが、これはPEKKという耐熱性、耐薬品性に優れた樹脂で、低アウトガス性という性質からも人工衛星の部品などが用途例として挙げられていましたが、実際あまり大きな注目を集めてませんでしたし、なぜそのような狭い用途のために材料開発されたのかと疑問に思っていました。

しかしほぼ1年後の今年10月29日の下記の海外記事(英文)により、

https://www.tctmagazine.com/additive-manufacturing-3d-printing-news/boeing-qualifies-stratasys-antero-800na-3d-printing-material/

アメリカの航空機メーカーBoeing社が社内評価検証の後、Stratasys社材料として初めてAntero800NA(下はStratasysのサンプル写真)を実用する新しい、または交換部品の材料として認可したことが報じられました。

この用途に使えるのであれば市場も大きいですし、他にも使える分野がありそうです。つまり、市場に出てくる装置や材料には、明らかな使い方以外に、見出されていない、または明かされない使い方のために開発されることもあり、「なぜ、何のために」の視点から見ることで、今後増えてくるニーズや、役立つ新しい使い方なども見えてくると思います。

3Dプリンティングの「前後」の視点

その他にも参加したオンラインイベントから、いろいろな視点に気づいたことが何回かありました。

前回のコラムでお伝えしたとおり、2020年10月30日(金)に第5回:3Dプリンティング/積層造形・オンラインカンファレンス(JAMM#5)が開催され、異なる立場からの3つの講演から学ぶことも多く、最後のパネルディスカッションでも「女性ならではの視点」が話題になりました。

講演を聴いて大事だと思ったのは、3Dプリンティングの前後の視点です。例えば3Dプリンティングの前に、まずビジネスとして今どのような課題があり、3Dプリンティングの後にどのような解決策があるのか、または医療や福祉で3Dプリンティングを使う前に、CTなどの断層画像はなぜ、どのように撮影され、その2次元データをどのように3次元データに出来るのか、などを知ることで、3Dプリンティングの役割や価値も変わって見えると思います。

もう一つ、時間の前後の視点もあると思います。実は上に示した海外記事中のリンクにもあるのですが、熱溶融積層法(FDM)の発明者であり、Stratasys社創業者でもあるScott Crump氏が引退されるにあたってのインタビューからは、30年前になぜ3Dプリンターを何のために発明し、どうやって発展させてきたかを知ることが出来、そのことから、これからどうすべきかを考えることが出来ます。こちらも英文で申し訳ありませんが、お時間があればぜひお読みください。古い写真を見るだけでも歴史が感じられます。

https://www.tctmagazine.com/additive-manufacturing-3d-printing-news/exclusive-stratasys-scott-crump-3d-printing-legacy/

3Dプリンティングだけでなく、ビジネスや製品開発にも通ずる特に大事なメッセージだと思った言葉について、筆者の意訳ですが以下にお伝えしたいと思います。

クランプ氏は、鍵は自動化だと信じています。 「テクノロジーが自動化されると、テクノロジーは軌道に乗ると思います。」

「とにかく、誰かが、初期の投資にお金を払わなければならなかったという事実を知っておくべき。そうでなければあなたは何もできないでしょう。」

「発明家、イノベーターとして更に知っておくべきは、(発明は)それは製品でもなく、技術でもなく、チームである。最適な分野(文化)から最適な人たちを集めること。それもあなたが必要な分野からではなく、「健康(正しい考え、体力、成長性を持つの意味か?)」な分野から。」

「自分の求めではなく、必要、需要に集中すべき」

「続けることはアイデアと同じくらい重要かもしれません」

Crumpさんとは何度もお会いし、お酒が入ると一段と面白い方ですが、新しい技術の話をされるときのすごく楽しそうな様子がとても印象に残っています。Stratasys社からは引退されますが、これからも何か新しいモノを生み出されるのではないかと秘かに期待しています。

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