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Desktop Metalの「簡単と速さ」がもたらすものは?掲載日:2021/03/10

先日金属3Dプリンター Desktop Metal社Studioシステム2の国内発売を発表しました。同社が設立から使命としている「金属3Dプリンティングを簡単にする」をさらに進めるシステムであり、同じくShop、Productionシステムも使命に沿った製品です。そこでDesktop Metal社の「簡単と速さ」はこれからのものづくりに何をもたらすかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリングソリューション技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

Studioシステム2がさらに進める「簡単」とは

先日20201年2月25日に弊社丸紅情報システムズ株式会社から、金属3Dプリンターシステム Desktop Metal社「Studioシステム2」の国内販売開始のニュースをこちらで配信しました。

 

 

 

 

これはこれまで販売してきたStudioシステムのモデルチェンジ版と言えるもので、従来は①プリンターによる積層造形→②デバインダーによる液体溶媒脱脂→③ファーネスによる焼結、つまり3つの装置による3つのステップだけでしたが、Studioシステム2では、新開発のバインダー材料により、①プリンターによる積層造形→②ファーネスによる加熱脱脂+焼結、つまり2つの装置による2つのステップでも出来るようになりました。使い方は下記動画をご覧ください(英語のみ、1分15秒)。

現時点で2ステップで作れる材料はSUS316Lのみで、他の材料は従来のまま3ステップで作りますが、今後2ステップで作れる材料を順次増やすとのことです。

その他にも、付属ソフトウエアFabricateやプリンター制御の改良により、厚肉形状をより軽く、速く、寸法誤差少なく、強度の異方性少なく作るのに有効なジャイロイドによるインフィル構造や

 

 

 

サポート材を部品から簡単に外せるためのセラミック境界層と部品との接触面の品質改善も含まれています。

 

 

 

 

 

言うまでもなく、2装置2ステップになることは導入コストや工数の低減をもたらすものですが、それ以外にも設置運用する場所の決め方、設置準備も「簡単」にする点は、同社が設立から使命としている「金属3Dプリンティングを簡単にする」をさらに進めるシステムであると言えます。

一方、誤解を恐れず言えば「簡単」が全てにおいて「良い」とは限りません。例えば既にものづくり産業で普及しているMIM(メタルインジェクションモールディング)でも加熱脱脂できるバインダーは多く使われていますが、脱脂の確実性や時間の面では溶媒脱脂に分があり、目的により併用されています。またDesktop Metal社は脱脂や焼結の条件をソフトウエアで自動設定し、全装置へのデータ転送、状態監視を1つのソフトウエアで行う方法を採用しており、ユーザーによる条件研究や試行錯誤を無くす「簡単」はStudioシステム2でも変わりませんが、ユーザーが自由にカスタマイズできる範囲は限られるとも言えます。加えて、Studioシステム2でも樹脂の3Dプリンターに比べると設計上制限はあり、2次仕上げも含め「簡単ではない」とおっしゃる方もおられますが、金属鋳造、MIM、PBFなどをご存じであれば「簡単」なことはお分かりいただけるでしょう。

筆者が知る範囲では、「簡単にすることを最優先にする」のを公言して目指すDesktop Metal社は3Dプリンティングシステムメーカーとしてユニークで、マイナス点があったとしても「簡単」「速さ」を優先追求する理由があるはずです。

「簡単と速さ」がこれからのものづくりにもたらすもの

簡単の次にDesktop Metal社が製品開発において優先している「速さ」についての参考として、つい数日前に動画配信サイトで公開された、多量生産用Productionシステム P-50の特長を説明した動画をご参照ください(英語のみ、7分4秒)

ここでは詳しい解説は省きますが、プリントヘッドが大きく複雑になり、そのため装置も大きくなるマイナス面がありながら、1回の走査で粉末供給→ローラー平坦化→バインダージェッティング→加熱硬化を全て行うSPJ(シングルパスジェッティング)、さらにそれを往復で行うようにヘッド中央対称に両側にSPJユニットを持たせています。

これらの「簡単と速さ」は、以前こちらのコラムでお伝えした、Desktop Metal社が提唱する「AM2.0」の実現のためであり、それが優先している理由と筆者は考えています。

・AM1.0(いままで)=材料種、生産能力、コストの制限から1個から少量生産、航空機や医療分野などニッチな分野でしか生産に使えなかった。

・DesktopMetalが考えるAM2.0(これから)=使いやすさ、簡単さと多量生産能力の実現=広い分野産業での活用と、世界分散・オンデマンド生産を可能に

一般に3Dプリンターメーカーは、出来る部品の機械的物性、寸法の確からしさや、部品単体の「速い、安い、良い」を高めることを目指し、ユーザーもそれを求める傾向にあると思います。もちろんそれは重要ですが、一方「簡単と速さ」により3Dプリンティングが使える領域分野と使える人が増えることによって、ビジネスやものづくりプロセスの変革をもたらすというのがAM2.0、これから起こることだとDesktop Metal社は考えていると解釈しています。

これは写真の世界と似ていると思っていますが、フィルムカメラ、デジカメ、スマホという変化の中で、一眼ミラーレスカメラのようにハード、ソフト、人のノウハウでより良い写真を目指す方向がある一方、ある程度の質の写真や動画がポケットに持ち歩けるスマホで簡単に速く撮れ、すぐ送れるようになったことで、SNSの普及や2次元バーコード、AR/MR活用など社会、経済、生活を変えることにつながったことから、「簡単と速さ」で使う機会と量と人が増えることで、大きな仕組みや流れが変わる例がDesktop Metal社の目指すAM2.0に近く、その方向も必要だと筆者は考えていますが、みなさんはいかがでしょうか?

オンラインイベントのお知らせ

今回も3Dプリンティングに関係するオンラインイベントについてお知らせします。

近畿経済産業局「Kansai-3D実用化プロジェクト」は、筆者もコーディネーターのお役目を頂いておりますが、今年度行われた「3D製造プロセス検証」の成果発表会が会場とオンライン両方で開催されます。直前ですが、ぜひご参加ください。

日本初の「3D積層造形によるモノづくりプロセスのモデル化」成果発表会
~大企業5社、中小企業4社が検証結果を発表(第1弾)~
https://www.kansai.meti.go.jp/3jisedai/project/3Dkansai/press/0217/0315event.html

日時:2021年3月15日(月)13:00~16:35
場所:大阪工業大学 梅田キャンパス(大阪府大阪市北区茶屋町1番45号)3階常翔ホール
https://www.oit.ac.jp/institution/access/
主催:近畿経済産業局
協力:3Dものづくり普及促進会、協力企業27社、協力支援機関6機関
申し込み:参加登録はこちら
http://e.3d-monodukuri.jp/seminar2103.html?q=63H0.lgUSrmSIoMNbmDGfMpSqOHELTn
※会場参加定員:95名(コロナ対策のため数を限定)
Youtubeでの動画同時配信(※事前の登録が必要ですのでご注意下さい)
※会場参加は、定員になり次第締め切りますので、その後は、オンラインのみ参加登録となります。

先回に続き筆者も進行やパネルディスカッションで参加しているAMオンラインカンファレンスの第8回が開催されます。参加無料、当日申し込みでも間に合いますので是非ご参加ください。

第8回 AMオンラインカンファレンス
日時:2021年3月26日(金)14:00~18:00
プログラム、参加登録は下記サイトをご覧ください。
https://go.link3d.co/jamm8

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