品質管理 - 鋳造プロセスにおいて
GOM の測定システムは、砂型鋳造、ダイカスト鋳造、インベストメント鋳造のプロセスにおいて一貫した品質を保証するために使用されています。その範囲は、シミュレーションによる検証、金型トライアウトと初回品検査の迅速化、生産管理および CNC 機械加工にまで及びます。
鋳造プロセス・チェーン
- 設計 / CAD
- 部品の変形シミュレーション
- 模型・金型製作
- 造形工場 / 中子製作
- 鋳造部品
- CNC 機械加工
GOMシステムは、設計データに基づいた検査計画を可能にします。模型と金型製造では、金型とモデルの修正、上下型の適合検査、中子のズレの検査が可能です。トライアウトでは、鋳造部品の形状と寸法 (部品の幾何形状、厚み、凝固収縮、焼結ひずみ) のチェックを行います。すべての測定・検査プロセスは、生産の品質管理のため自動化されます。
設計 / CAD

用途
部 品の CAD モデルに対して設計時に検査基準 がすでに与えられている場合は、図面を使用することな く、PMI データに対して、直接 3D 測定計画と検査を実行 することができます。さらに全視野の幾何形状を取得する ことにより、金型の修正が必要な場合には既存の CAD デ ータに対して、コンポーネントと金型の幾何形状を与え直 して適応させることが可能です (アドバンスド CAD モデ リング)。
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· Industry 4. 0用 CAD (PLM) データに対する検査計画 · PMI インターフェース (CATIA, Creo Parametric, NX) · インポート可能な公差テーブル · 金型の反り、CAD データへの組み込み

特徴
3D 設計モデルの公差仕様を含む PMI データの直接 インポートと評価が可能であり、コンポーネントの製造前 に CAD データ、FTA や MBD データに対して、3D 測定計 画を策定することにより、新製品開発プロセスと製造プロ セスが加速します。デジタル検査データにより、PLM 全体 において継続的な管理が可能になります (Industry 4.0。)
測定システムおよび評価
シミュレーション / 検証

用途
シ ミュレーションにより、鋳造部品のモールドの充 填、スプルー、保圧、温度制御、充填時間を計算して視覚 化することができます。材料の挙動とプロセスのパラメー タを予測することにより、誤差の発生を防止し、材料、サ イクルタイム、および機械の使用効率を最適化するのが目 的です。シミュレーションにより得られた幾何形状の表面 全体が、シミュレーションまたは実物のコンポーネントの 測定結果と数値的に比較されます。
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· メッシュシミュレーションデータの処理 · メッシュ処理 (リファイニング、穴埋め、修正...) · シミュレーションと実物のコンポーネントの比較 · 鋳造シミュレーションの検証

特徴
金 型の評価とプロセスのパラメータの最適化をサ ポートします。FE シミュレーションの検証が知識の構築 に役立ち、数値シミュレーションの信頼性向上を保証しま す。シミュレーションで得られたパラメータに基づく傾向 分析により、その後のプロセスのための意志決定の信頼性 を確保します (ベストメッシュ検出)。
測定システムおよび評価
金型製作

用途
3Dデジタイズにより、金型製作とメンテナンスにかかる時間と費用を節約します。設計と実測の比較に基づいてダイカスト用金型、電極、ワックス模型、セラミック中子型、砂中子型をCNC機械加工する場合に、その初期段階で個々の製造工程を制御することにより、ループの繰返しの発生を抑えることができます(特に複数のキャビティが存在する場合)。トライアウトではターゲットとされる金型修正は3D測定データに基づいて行われます。
- ターゲットとされる金型修正
- 金型検収までの工期短縮
- メンテナンス&修理
- 修理時の材料と溶接のマーキング

利点
金型の寿命や使用期間を決定することにより、修理の計画が容易になります。溶接や金属切削による修正作業が必要なコンポーネントの領域を、設計/実測データの比較に基づく等値線のバックプロジェクションによりマーキングします。その後で金型を修正するための安全なアーカイビングが可能です。
測定システムおよび評価
パターン製作

用途
ワックスや消失模型、ワックスアッセンブリ、模型定盤、模型機器の形状と寸法をシステマチックに制御することにより、その後のモールド制作と鋳造プロセスを確実かつ迅速に行うことができるようになります。初期段階で切削加工の結果をコントロールすることにより、模型定盤や模型機器で発生する可能性がある誤差を発見し、取り除くことができます。
- 加工結果の検証
- モデルの幾何形状の確認
- 焼結ひずみと収縮の検査(ローカル/グローバル)
- モデルの反り、CADデータへの組み込み

利点
ワックス模型に対して、収縮、裂け目、膨張がないか検査し、ターゲットとされる金型修正とワックスアッセンブリの管理を行うことができます。消失模型、模型定盤、模型機器の3D測定データは、誤って加工されたRなどの加工誤差を表示し、承認済みの模型定盤のデータバックアップとしても使用できます。
測定システムおよび評価
モールド製作 / 中子製作

用途
砂やセラミックからなるモールドと中子の測定を行うことにより、プロセスの品質を確保します。上下型や中子のバーチャル・アッセンブリ分析を行うことにより、分離面のオフセット、フィッティング、上下型の形状合わせ、中子の隙間の検査を行うことができます。インベストメント鋳造では製造したセラミックモールドの壁厚を検査できるとともに、壁厚やバリの発生に基づいて品質を評価することができます。
- 上下型のフィッティング
- 中子代と幅木の分析
- バーチャルアッセンブリ/型合わせ
- モールドと中子の検査

利点
部品の品質の向上により修正作業が削減されます。壁厚および水冷ジャケットや冷却ダクトなどの冷却構造が確保できます。3D測定データにより、ワックス成形時のセラミック中子内の欠陥やき裂の発生を防ぐための原因を分析するための情報が得られます。中子と砂型のチェックにより、模型定盤や金型の摩耗管理と分析を行うことができます。
測定システムおよび評価
初回品検査/量産品検査

用途
検査計画(CMM検査)、GD&Tなどの機能を含むCADモデルやPMIデータに基づいて初回品検査を実行することができます。チェックされないコンポーネント領域は発生しません。量産のための生産管理では、自動の生産関連モバイル測定セルにより、廃棄や手直しにかかる時間が削減されます。部品を離れた場所にある測定室まで運ぶ必要もありません。
- 反り、収縮、壁厚、ヒケの制御
- 品質管理と検査レポートの自動化
- GD&T (Geometric Dimensioning and Tolerancing)
- 統計的傾向分析、原因/進捗:Cp/CpK/Pp...

利点
膨大な表形式のレポートではなく理解しやすい結果を参照することにより、修正値を迅速に決定できます。ターンキー測定セルは使用場所に柔軟に対応し、生産現場で直接使用が可能であり、迅速な測定結果を提供します。操作安全機能が統合された自動測定セルは1~2日以内に使用準備が整い、現場の作業員がすぐに使用することができます。
測定システムおよび評価
CNC機械加工/光学式マーキング

用途
バックプロジェクション機能として、3Dセンサがソフトウェアから実物の部品やパンチマークなどのフィーチャーを投影します。これにより、大型鋳造素材に対して従来行われていたマーキングは不要になります。CNC機械加工のための部品位置合わせの効率が高まります。さらに3D測定データによりアダプティブな製造プロセスの基礎が得られます(アダプティブ加工)。
- CNC機械加工用部品位置合わせ(オンライントラッキング)
- 等値線とパンチマークのプロジェクション(光学式マーキング)
- 許容管理とアダプティブ加工

利点
CNC機械加工機やパレットの正確な位置合わせを行うため、全視野またはポイントベースのトラッキングによるリアルタイムな部品位置の測定が可能です。素材の実際の幾何形状を測定することにより、製造時の十分な許容を確保し、従来のマーキングを不要にします。切削加工パスは作成された測定データに基づいて最適化されます。
測定システムおよび評価

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