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ファベスト 導入事例

その日もまた、多くの見学者が訪れていた。群馬県太田市の株式会社ファベスト。
同社は近年、毎年のように売り上げを伸ばし、
生産高が伸び悩んでいる金型業界にあって高い注目を浴び、
国内だけでなく海外からも見学者が押し寄せる、知る人ぞ知る専門企業だ。
だが2000年、同社は創業してから初めてというどん底の真っただ中にあった。
「今までと同じことをしていては駄目だ」
同業他社も注目する改革への第一歩が、始まろうとしていた。

※本文中は読みやすさを考慮し、敬称を略させていただきます。


Tebis(テビス)について

Tebis CADCAMシステムは、大量のデジタイズデータの取込から面処理・モデルのNCパス、金型加工パスを作成するシステムです。高速な演算処理で設計から加工が終わるまでの時間を大幅に短縮し、高品質なNCツールパス作成により、付加価値の高い製品の製造に貢献します。3次元デジタイザの膨大な測定データでも、Tebis高速・高精度に面処理やNCツールパス作成がおこなえます。

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tebis

NC Brain(エヌシーブレイン)について

NC Brainは加工安全性の向上と加工時間の大幅な短縮を実現する加工最適化のためのNCデータ最適化システムです。加工現場で発生しうる問題点や改善項目を分析し、切削加工に必要なすべての情報をデータベース化します。NC BrainはNCデータのみを利用し、1回の高速シミュNC Brainレーションで効率的な結果を得ることが可能です。

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NC Brain

ATOS(エイトス)について

非接触型光学式3次元デジタイザATOSは、本体に取付けられた2個のCCDカメラと1個のプロジェクターにより、測定対象物の素材や大きさにとらわれることなく、有形物の形状を取り込むシステムです。小型の匡体は測定場所を選ばず、写真を撮る感覚で素早く、正確に座標化し、形状データを作成します。検査、デザイン、研究開発、品質管理、解析などの多分野で、微細部品から携帯電話、家電、自動車、航空機、タービンなどの数多くの実績があります。

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ATOS
  

2000年、赤字の危機

2000年、赤字の危機サッカー場くらいの広さはあるだろう。
群馬県太田市にあるファベストの第二工場。坪数にして5,040坪、平方数にすると実に16,635m2。この土地を取得したのは2003年。その年にはこの敷地内に1,252坪の工場を建設、将来は同じ太田市内にある本社の移転も計画されている。まさにファベストの中核となる場所である。
同社の主な事業は金型製作で、その100%が自動車関連である。金型は「試作系」と「量産系」に分かれるが、ファベストは量産専門で、お客様から部品の図面とデータが届き、ファベストで量産用の金型を製作するという流れだ。
ファベストの源流は、1980年に設立された小さな設計事務所にある。金型製作メーカーに勤めていた現社長が、金型設計の事務所を立ち上げ、98年に金型製作会社と合併し、金型の設計から製作までを引き受ける会社として生まれ変わった。この合併で、わずか数人でスタートした小さな会社は、18年後には社員数70人ほどにまで膨らむ規模になる。国内の金型製造を営む企業はほとんどが専業であり、業界内で大変稀有な存在と言える90年代、金型業界は大きなうねりの中にあった。金型の生産高は91年をピークに減少を続け、94年にはピーク時の約70%にまで落ち込んだ。その後盛り返すも、99年から再び大きく減少に転じていた。
2000年、市況の悪化の影響は遂にファベストにも及ぶことになる。
「当社は創業以来、赤字になったことはなかったのですが、その年は『いったいどこに仕事があるんだろう』という状況で、赤字も覚悟せざるを得ませんでした(田島)」
営業はすれども舞い込んでこない仕事。これまで経験したことがない危機的な状況だった。
だが、ここからファベストの巻き返しが、始まる。

海外進出で活路を見出すも…

国内に仕事がないという状況。そんな中で選んだのが海外進出だった。
2000年7月、社長が自ら北米とメキシコにまで出向き、自動車部品メーカーを訪問。帰国して3ヶ月後、そのうちの1社、アメリカの部品メーカーから海外向けとしては初めて仕事を受注した。その後、欧州も回ったところ、フランスのお客様からも受注を獲得。海外の仕事が次々と増えていった。
海外の仕事にはある特徴があった。ファベストが製造しているのは主にプレス金型で、タイプは「タンデム型」「トランスファ型」「プログレ(順送)型」に、大きく分かれる。中でも自動車関連業界で採用されているのがトランスファ型とプログレ型だ。
「トランスファ型は、4~5型の複数の金型を一度にプレス機にセットし、そこに材料となる金属板を順にくぐらせていくことで部品を成型していきます。一方、プログレ型は1つの金型にいくつもの工程が詰まって入っており、同じように順に板を送っていくことで成型します。日本ではトランスファ型がほとんどですが、海外は実に90%がプログレ型の依頼なのです(佐藤)」
プログレ型のメリットは、生産性の高さにある。1分間に生産できる製品個数はトランスファ型が20個に対してプログレ型は40個。1つの型にすべての工程を入れ込むため金型設計は複雑だが、型ができてしまえば生産性は圧倒的に高く、海外ではこのプログレ型が主流となっている。
海外から続々と舞い込んでくるプログレ型の金型受注。ここで、ファベストはある決断をする。1500トン、800トンという大型のプレス機を次々導入し、さらに、コイルフィーダー*1などの最新の設備を備えて、大型で、難易度の高いプログレ型が製作できる体制を整えたのだ。
アメリカとフランスからの依頼は年々増加の一途をたどった。年によっては売り上げの半分を海外の仕事が占めるまでになり、同社は危機を脱し再び成長軌道に乗っていった。
海外進出で活路を見出すも…だが、海外進出は甘い蜜だけを残したわけではなかった。プログレ型の受注金額の相場はトランスファ型に比べ30%ほども安いのだ。
「海外進出によって仕事は増えたものの、プログレ型に限ると利益が出ていない状況でした。競争があるので交渉して価格を上げてもらうわけにもいかない。そこで、プログレ型を採算に乗せるためのコスト削減の取り組みを始めることになったわけです(田島)」


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改革のキーワードは「自動化」

改革のキーワードは「自動化」

利益が出ていないものを、利益が出るようにする。この難題を解決するためには生産性を上げるしかない。ファベストが選んだ手段、それは徹底した自動化による時間短縮だった。
金型は主に次のような工程で製作される。まず、お客様から預かった図面と3次元製品データをもとに、金型を設計。それに基づいて鋳物や鋼材を発注し、鋳物構造部は切削工具を使用して、鋼材の取り付け座面や側面を削る「一次加工」、その後、鋳物に鋼材を組み付け、さらに製品面を加工する「形状加工」、また切断型では「ピアス穴加工」や「トリムライン加工」などを経て、備品などを組み立て後プレスによる試押しとなる。
その中でも機械加工時間の比率が高かったのが「一次加工」と「形状加工」だった。
「一次加工で20トンほどの鋳物を加工する場合、機械の上に載せてから加工が終わるまで5日もかかっていました(佐藤)」
原因の1つはオペレータによる有人作業。型を切削していく際、オペレータは社内で作成した2次元の型図をもとに1つひとつ座標の数値を入力。さらに、部位や形によって何十種類もある工具から1つひとつ選択しなければならない。そのため、座標入力と工具選択に膨大な時間を費やし、無人運転が不可能とされていた。
まず、ここをソフトウェア化して、すべてのデータを自動作成できるようにした。これが想像以上の効果をもたらすことになる。5日もかかっていた加工時間が、半分の2日半にまで減ったのだ。
そして、さらなる自動化のために1つのソフトに注目した。NCデータを最適化する『NC Brain(エヌシーブレイン)』である。さっそくソフトを取り寄せて、形状加工データの検証を開始した。通常のデータとNC Brainで最適化されたデータによる、2つの切削の様子を一晩かけてビデオ撮影した。
「ビデオを再生してみて驚きました。以前は工具破損による機械停止が起こっていたため、加工条件の悪い所に合わせて送り速度を下げていましたが、NC Brainでは、取り代の多いところでは減速が掛かり、少ないところでは加速して、切り粉の量が安定していました。その結果、工具のチッピングも起こらず加工時間が大幅に削減されており、結果的に切削スピードが圧倒的に速くなっているのが分かりました。すぐに導入を決めました(金子)」
しかし、それでもなお、現場でどうしても改善されないものがあった。


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「労働環境改善」という、もう1つの思い

「労働環境改善」という、もう1つの思い

一次加工データを加工機にアップロードする際に、現場では2つの問題を抱えていた。
「1つは事前チェックが必要なことです。データをそのまま加工機に流してしまうと、データや鋳物の不具合などで、エンドミルが鋳物に干渉して工具が破損したり、最悪の場合、機械本体にダメージを与えることがあります。それを防ぐために5時間もかけて、手作業で加工機を使い、事前チェックをしなければなりませんでした。もう1つがエアカットです。切削はとても慎重さを要するため、鋳物の20ミリ上から少しずつエンドミルを下げていきました。理想形はエンドミルが空中で回っているだけのエアカット部分をなくし、鋳物のすぐ近くから削っていくことです。その2つがクリアできれば、自動化はより効率アップができるはずです(田島)」
これらの問題を同時に解決するためには、鋳物の形をデータ化し、コンピュータにどこからが鋳物なのかを把握させなければならない。
ファベストは非接触測定装置の導入を決める。鋳物を非接触測定装置で測定して形をデータ化し、どこから削ればいいのかをデータ上ですぐにわかるようにしたのだ。購入したのは非接触光学式3次元デジタイザ『ATOS(エイトス)』だった。
ATOSの導入により、5時間かかっていた機械上での事前チェックが不要になり、エンドミルも鋳物からわずか2ミリのところまで一気に早送りで、落とせるようになったのだ。
改革に着手してから約5年。その成果は驚くべき数字となって現れている。形状加工では加工時間が20~40%も削減。一次加工に至っては5日もかかっていた有人加工時間が、自動連続加工運転のおかげでわずか28時間で完了するようになり、5分の1近くにリードタイムが短縮できたのだ。生産性が飛躍的に向上したことで、課題だったプログレ型金型量産の採算ラインまであともう一息のところまできている。
「現在、金型加工の70%は自動化が実現し、残り30%が手作業です。現在めざしているのはこれを100%に近づけることです。つまり、人の手を一切使わないで金型をつくっていきたい。また、自動化が進めば自動車業界で進むグローバル化にも対応できます。
現在、自動車業界は現地調達が声高に叫ばれています。現地でも自動化ができれば、当社は設計とデータ作成だけに専念することも可能なわけです(田島)」
「金型製作工程において、自動化がいくら進んでも必ずトライアンドエラーが発生します。トライプレスでうまくまとまらない箇所は、金型自体に手修正を加えてトライを実施したり、成形性は、成形シミュレーションソフト(AutoForm)を活用して、余肉造形やスプリングバックの見込み量をモデリング段階で入れて成形性を維持しようとしています。ただ、実際のトライアンドエラーの工数、およびリードタイムは簡単には削減できない状況です。この部分に関しては、CAD/CAMシステムとして2007年に1号機を導入した『Tebis(テビス)』を活用し、リバースエンジニアリングシステムとしても、ATOSとの組合わせにより工数低減をめざしています。また、成形シミュレーションソフト(AutoForm)からの解析結果を直接織り込んで、Tebisでモデルデータを変形する試みも実施しようと考えています。これらATOS、TEBIS、NCBrainをうまく組合わせて活用し、自動化の推進とともに全体工数の削減にも取組んでいきたいと考えています(佐藤)」
ファベストが進める自動化。それはすなわち「省人化」も意味するが、ここには実はファベスト自身のもう1つの思いにも関係している。
「金型製作の現場は非常に重労働なので、それをできるだけ軽減して、快適なオフィスでの仕事に移行したいという経営者の思いがあったのです(田島)」
自動化を実現することで生産性を向上させ、グローバル化にも対応し、さらに従業員たちの快適な労働環境も実現する。
一挙両得ならぬ、一挙“三”得という巨大な果実を、ファベストはめざしている。


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