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株式会社フィアロコーポレーション 導入事例

光学式3次元デジタイザの「エイトス(ATOS)」は、本体に取り付けられた2個のCCDカメラにより人間 の目の原理で有形物の形状を取り込み、座標化して点群データを作成するシステムです。対象物の全体または任意の部分に測定用のマーク(ターゲットシール) を貼り、フリンジパターンと呼ばれる縞模様の光を照射します。次に光の輝度(コントラスト)や屈折度などを三角測量の原理で測定し、付属の専用パソコン上 で点群データを作成します。精度は使用するレンズや測定範囲にもよりますが標準撮影時±0.05mm程度で、速度は一画面測定(1スキャン)あたり10秒 から20秒です。非接触型デジタイザのため測定対象物の大きさや状態に関わらず測定が行なえます。また、小型の匡体(高さ600mm×奥行110mm×幅150mm)により測定場所を選びません。

Tebis CADCAMシステムは、大量のデジタイズデータの取込から面処理・モデルのNCパス、金型加工パスを作成するシステムです。高速な演算処理で設計から加 工が終わるまでの時間を大幅に短縮し、高品質なNCツールパス作成により、付加価値の高い製品の製造に貢献します。三次元デジタイザの膨大な測定データで も、高速・高精度に面処理やNCツールパス作成がおこなえます。BMW、メルセデスなどの欧米自動車メーカーに多数導入されており、日本の大手自動車メーカー及び関連企業にも急速に普及してきています。

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1997年
株式会社フィアロコーポレーション入社。
優れたデザインの提案が行える体制作りを積極的に進めており、06年11月にデザイン部門を新設する予定

2005年10月、千葉の幕張メッセで開催された『第39回東京モーターショー』。国内外のメーカーが数多く出展し、16日間で150万人以上もの来場者を集めたが、その会場で強い異彩を放ち、来場者から熱い視線を集める車があった。
独立系デザイン開発会社のフィアログループが開発した『PHIARO P67b ETERNITY(エタニティ)』である。
四輪車でもなくバイクでもない三輪自動車。それでいて、自動車とバイクの両方の雰囲気を兼ね備えた不思議な車。そして、“異彩”の源泉となっているのがそ のデザインだ。「近未来」を感じさせるメタリックシルバーに、流線型の斬新なボディ。会場でも試乗希望者が殺到するほどの人気を博した。
『ETERNITY』はオランダの会社が開発・販売している車をフィアログループが、新たにデザイン開発したものだが、開発期間はわずか半年。にもかかわ らず、仕上がったボディは非常に完成度の高いものになっている。なぜこうしたことが可能だったのか?
株式会社フィアロコーポレーションの岩崎晃彦専務に、『ETERNITY』開発の軌跡を訊いた。

デザイン力のアピールに、『ETERNITY』をデザイン開発

2005年1月、フィアログループの社屋内の一室で、7~8名のスタッフたちが集まっていた。『ETERNITY』開発チームの面々である。
東京モーターショーは2003年から、大手自動車メーカー以外の一般企業の出展も可能になった。フィアログループでは、2003年の出展を準備期間が短い ことなどから見送ったが、2004年に再度出展の依頼を受け、社内で出展を検討。オランダのbrink dynamics社の三輪自動車『CARVER』に目をつけ、この車を新たにデザイン開発し、出展の目玉とすることになった。そしてこの日、今後の段取り などについて打ち合わせが行われていたのである。
「出展を決意したのは、技術力向上が図れ、社内にその技術をフィードバックできるのではと思ったこと。また、一般個人のお客様と接する機会がないので、 モーターショーなら普段聞くことができない個人の方の貴重な意見が聞けるのではと考えました。そして、もう1つ大きかったのが『デザイン力のアピール』で す」
フィアロコーポレーションは1939年に創業。もともとは産業機械用の木型製作を行っていた。1950年代前半から自動車業界に進出し、自動車の普及と高 度経済成長の波に乗り、70~80年代にかけて次々と工場を建設。現在では売上げの8~9割を四輪・二輪車が占め、国内外に5事業所を構えるまでになっ た。
クライアントは四輪・二輪車系の大手メーカーが主で、事業内容は、デザインを提案する「スタイリング」。デザインをクライアントから受け取り、それを4分 の1~原寸大の大きさのモックアップモデルをつくる「モデリング」、モデルから実際に走れる車にするために設計をおこなう「エンジニアリング」などがあ る。
「デザインはクライアントが手がけることが多いため、その先の『モデリング』などが事業の柱です。ただ、ここ数年の自動車業界は、デザインから設計まで一 貫して外部に発注する流れが生まれつつあり、工程の上流にあたる『デザイン』の需要も高まっています。「ETERNITY」のデザイン開発は、当社の実力 を業界にアピールする絶好の機会でもあったのです」


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立ちはだかるスムーズな『形のデータ化』

四輪や二輪車のデザイン工程の主な流れはこうだ。
デザイナーがスケッチを描いたりCADで作成したデザインをもとに、技術者たちが粘土によってクレイモデルをハンドメイドで製作。さらにデザインの完成度 を高めるためデザイナーや技術者がクレイモデルを何度も何度も修正し、「マスターモデル」と呼ばれる最終デザインのクレイモデルを作る。そして、実際に 「走れる車」にするために、CADを使って設計に入っていくという流れである。 『ETERNITY』のデザイン開発が動き出したのは2004年末。翌年2005年 1月に本格的にプロジェクトチームが結成された。出展する東京モーターショーの開催はその年の10月。その間に、クライアントからモーターショー用のコン セプトカー製作の依頼が舞い込んでくるため、『ETERNITY』のデザイン開発は、その合間を縫っておこなわなければならない。しかし、岩崎専務は「焦りはなかった」と言う。というのも、フィアログループでは、いち早く“あるもの”を導入していたからだ。
「2000年前後くらいから、『部分で請ける仕事』から、デザインから設計まで一貫して請ける『ユニットの時代』がくると思い、そうした体制を構築してい くことを考えていました。ところが、技術者を使ってマスターモデルを作っても、その後の工程である設計になかなかもっていくことができなっかったのです」
フィアログループでは、1978年にCADシステムとNCマシンを導入するなど、早くからCADの時代を予見し、次々と最新の機械を導入していた。部分的 な仕事を請ける場合には貢献したが、一貫した仕事を請けるためはそうした機械だけでは不十分だった。なぜか? スピードと精度に問題があったからである。
「マスターモデルをつくり、次の工程である設計に入る場合、製作したモデルをデータ化してコンピュータ上に取り込まなければなりません。当社では接触式測 定機という機械を導入し、人の手を使って針を数ミリ単位で動かして測定していました。ところが、車1台を測るのに2人がかりで1週間かかり、手作業なので どうしても1、2ミリの誤差が生じてしまう。何が正しいのかわからないような状況でした」
接触式測定機を使った作業は単純作業だが、熟練のスタッフが必要で、その測定作業の間、他の作業の手がつけられず、仕事が滞るという問題もあった。そこで、同社が検討したのが非接触式三次元測定機の導入である。
2000年、展示会で非接触式三次元測定機『ATOS』に出会い、シンプルな構造と他社製品と比べてコストパフォーマンスに優れていたこと、さらに持ち運びのしやすさなどから導入を決意する。
「正直、どこまでATOSを使えるのだろうかという心配もなくはありませんでした。機械は使わなければ単なる鉄の塊でしかないからです。しかし、一貫した 仕事を請けるためにはスムーズなデータ化はどうしても必要になる。また、自動車業界では『開発期間短縮』の波が押し寄せてきており、そうした要望に応える ためにもなくてはならないだろうと判断したわけです」
ATOSを導入して、測定期間は大幅に短縮された。1週間だった測定期間が、わずか1日になり、精度も零コンマ何ミリというところまでに向上し、検証に耐えうるものになったのだ。


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“業界標準”を採用し、面データ作成もスピードアップ

こうして「形をデータ化する」作業の効率は飛躍的に向上したが、もう1つ同社は課題を抱えていた。面データの作成である。
「ATOSで測定したデータはあくまでも『点群』なため、それを形にするためには点群をベースに面データを作成しなくてはなりません。当社でも面データを 作成するソフトはもっていましたが、かなりの時間をとられ、面のクオリティによっても違いますが、ある程度のレベルの面を貼るのに1週間プラスαはかかっ ていました。できた面データも満足のいくレベルではなく、結局手直しが必要で後工程に余計な時間をとられていました」
この問題を解決するためには、いわゆる「CAD/CAM」システムが必要となるが、市場に出回っているCAD/CAMシステムの種類は数多く「かなり迷った」と岩崎専務は言う。その中で最終的に選んだのが『Tebis』である。
「ドイツにいる知人からATOSとTebisのセットが業界標準になりつつあるという話を耳にし、実際にフォルクスワーゲンやBMWなども導入していると いうことでした。日本のメーカーでも次々と導入が進んでいたことから、なんとなくブランドに惹かれて購入したというのが正直なところです。ただ、結果論か らいうと、Tebisにしてとても満足しています」
岩崎専務がもっとも驚いたのが処理能力。1週間プラスαかかった処理がわずか1日でできてしまい、面データの作成時間は大幅に短縮され、精度も向上したことで、後工程に余計な手間と時間をとられることもなくなったという。

こうしたいくつもの“下準備”を経て、同社は満を持して『ETERNITY』のデザイン開発に取りかかっていたのである。

高いクオリティ実現に欠かせないもの、「時間」

『ETERNITY』は、オランダのbrink dynamic社の「CARVER」をベースに製作されたが、その特徴はカーブを曲がるときに車体が最大45°傾くことで、自動車でありながらバイクのような動きをする。最高速度185km/h、0-100km加速8.25秒と、これだけでも魅力的な車だが、そのデザインを一新することで、新たな命を吹き込む試みが始まった。 『ETERNITY』のマスターモデルをATOSで測定し、Tebisによってデータを処理。通常はここで面データを作成するが、クライアントに見せる必要がないため、面データを貼らずにダイレクトに型を削り、大幅に工程を削減することができた。 「実は、アナログな方式でも型をとることができないわけではありません。しかし、アナログなので完全な左右対称にするのがとても難しく、後工程に手間がかかってしまう。機械が処理できることは機械にまかせ、優秀なスタッフがより高度な業務に専念できる環境を構築したほうが総合的にはプラスになると、最近は考えるようになりました。」
デザインの開発が終わったのは8月。開発期間は実質半年という早さだ。もし仮に、ATOSやTebisを使わずにデザイン開発した場合、果たしてどれくらいの時間を要したのだろうか。 「延べ時間で考えると、それほど変わらないと思います。というのも、時間が空けばそれだけ『ここをもっといじろう』とあれこれと手を入れてしまうからです。ただ、これだけは言えるのは、形をつくるという『上流』の工程を早く終えてしまえば、『下流』の工程となるデザイナーや技術者たちとデザインをつくり込む時間を確保することができるということです。つまり、間違いなくクオリティの高いものが仕上がるわけです。ATOSやTebisは、クオリティを高めるために欠かせない『時間』をつくってくれた。これは常に高レベルの品質を求められる我々にとって、とてもありがたいことでした」
『第39回東京モーターショー』。前述したように、『ETERNITY』は非常に高い反響を呼び、雑誌やテレビなど取材依頼が数多く舞い込んだ。海外から引き合いもあり、「ビジネスの可能性が広がった」と岩崎専務は語る。 『ETERNITY』の販売予定は今のところないが、原型となった『CARVER』を製造したオランダのbrink dynamics社は、モーターショーでの好評を受け、『CARVER』をアジアで販売することを検討中だ。
「次回の東京モーターショーは2007年ですが、出展するかはまだ決めていません。最初にインパクトのあるものを出してしまったので、これからじっくり考えていこうと思います」 2006年中に新社屋が完成する予定のフィアログループ。同社自慢の『高いクオリティ』を武器に、さらなる飛躍を目指している。


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