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東洋大学

水上 友介 氏(写真右)
京セラ株式会社 半導体部品事業本部
カテゴリマーケティング部 戦略企画課 副責任者

生年月日 ● 1967年7月19日
最終学歴(卒業年月日) ●
北九州大学外国語学部英米語学科(1990年3月卒業)
入社年月日 ● 1990年3月(京セラに入社)
入社後携わった業務(MEMS関連) ●
半導体ICチップ用セラミックパッケージの海外営業、北米客先とアジア客先を担当

1997年12月
Kyocera America Inc.へ転勤北米での営業活動
2002年7月
京セラ(株)へ帰任
MEMS市場を含め、新規市場開拓を担う海外開発営業課へ配属MEMSユーザーの開拓、MEMS用途パッケージングの市場動向調査など担当
一環として、米国Coventor社とのコラボレーションを担当
2005年6月
カテゴリマーケティング部戦略企画課へ異動
上記MEMS関連活動を継続

前木場 秀之 氏(写真左)
Coventor社シニアアプリケーションエンジニア

Coventor入社年月日 ● 2000年10月入社
生年月日 ● 1969年11月14日
最終学歴(卒業年月日) ●
筑波大学修士課程理工学専攻(1995年3月修了)
Coventor入社後携わった業務 ●
ソフトウェアサポート


MSOLが販売するMEMSの設計・解析システム「CoventorWare」が、新バージョンで京セラのセラミックパッケージをライブラリとして標準搭載することになりました。MEMSにおけるパッケージとはどのようなものなのか、またなぜパッケージが重要なのか――MEMS産業全体の発展という観点から、京セラの水上様、「CovenorWare」開発元のCoventor社の前木場様にそれぞれの意見を語っていただきました。

CoventorWareに組み込まれた、30種類の京セラ製セラミックパッケージ

MEMSデバイスを実装する標準セラミックパッケージライブラリは、2D/3Dパッケージモデルから構成され、シ ミュレーション用の物性値データや参照用の設計データが含まれます。MEMS設計者はMEMSデバイスの設計段階で、ライブラリ内のセラミックパッケージ をCoventorWare上で結合させることにより、実装した時のデバイスの機能・性能をシミュレーションすることができます。

※CoventorWareについて
CoventorWareは統合的なMEMSデバイスの開発環境を実現し、お客様に効率的なMEMS設計・開発フローを提供します。 CoventorWareは、Architect(設計/解析)・Designer(3Dモデルの生成)・Analyzer(解析)・ Integrator(シミュレーション)の4つのツールから構成されています。

MEMSのフレークスルーには「製品」から「商品」への成長が必要

機能ロボティクスというのはあまり聞き慣れない名称ですが、
どのような研究や教育を行う学科なのでしょうか?

水上氏: それほど大きな差はないと思いますが、あえて進んでいると すれば、アメリカでしょうね。宇宙や軍事技術のニーズが高く、したがって国家レベルでMEMSへの取り組み態勢と予算が生じることになりますし。ただ、 MEMSにはいろいろな側面がありますから、日本ならばバイオなどでのニーズが高くなるかもしれません。これは、個人医療への応用なども考えられますね。 MEMSのアプリケーションというものは非常に範囲や可能性が広いのです。
前木場氏: 確かにMENSの可能性は多様ですよね。でも、実際のところ、まだまだ社会的にはブレークには達していないとも言えます。
水上氏: そうですね。MEMSがもう一段突き抜けるためには、市場性も考えた取り組みが必要になってくるのではないかと。
前木場氏: やはり、商品になるかどうか、というところでしょうね。 MEMS技術を使ってMEMSデバイスを作るところまでは、どこでも力を入れてやって来ています。ここで完成したMEMSデバイスは、立派な工業製品のひ とつと言えるでしょう。しかし、これが市場に流通する「商品」かというと、必ずしもそうではないと思うんです。つまり、オーダーメイドの、それも試作品に 過ぎないとも考えられるんですよね。
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――それは、量産できるもので、かつ市場に受け入れられるものでなければ、
  「商品」になるのは難しいと?

水上氏: そういうことです。実際、現在のところ、売れる商品というのはまだ少ないんですよ。MEMSというと何かとインクジェットの話を聞くのも、それが数少ない「売れる商品」で、市場も大きなものだからなんです。
前木場氏: 他に市場として確立されつつあるMEMSデバイスというと、加速度センサー(※1)やジャイロ(※2)などもそうでしょう。エアバッグのセンサーや、携帯電子機器のハードディスク保護などの需要があります。傾けることで操作する携帯機器なんていうものも出てきていますね。
水上氏: こ れは流れとしてはわかりやすいですよね。モバイル機器がどんどん小さくなって、それに合わせて、使用される個々のデバイスも小さくなり、且つ性能を向上さ せるためにMEMSデバイスが採用されるというのは、きわめて順当な流れだと思います。 とはいっても、これもまだ巨大マーケットとは言い難いところ。本格的な採用が進むのはこれからでしょうね。携帯電話のように大きな市場を持つ機器に、標準 的な機能としてMEMSデバイスが搭載されるようになると、本当の意味でのブレークを迎えるのではないかと考えています。

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MEMSの商品化には、システムに組み込むためのインターフェースとしてのパッケージが不可欠

――では、「製品」と「商品」の間に、何か障害のようなものはありますか?
  あるいは、ここを上手く扱えば製品から商品へとブレークスルーできる、
  というようなポイントでもいいのですが。

前木場氏: 私は「パッケージングを上手くできるか否か」が分かれ 道ではないかと考えています。実のところ、MEMSで実現する機能そのものは、それほど目新しいことをしているわけではないのです。結構シンプルなんです よ。そして、その機能を詰め込んだMEMSデバイスを作ることは、それほど難しいことではありません。しかし、これを商品として確立するためには、どうし てもパッケージの技術が不可欠になってくるのです。

――パッケージのおもな目的はMEMSデバイスの保護にあると思うのですが、
  これを量産体制に持って行くのは難しいことなんでしょうか?

前木場氏: 難しいですねえ。確かにパッケージの主な目的は MEMSデバイスの保護なのですが、実はパッケージすることによって、MEMSデバイスの本来の機能を発揮できなくなってしまうということもあるのです。 パッケージングによって特性が変わってしまうんですね。こうしたことが、商品化への大きな障害になっているとも言えます。

水上氏: これは、MEMSにおけるパッケージングが、単にデバ イスを保護するだけの目的ではないということも関係してきます。私たちは、パッケージをデバイスとシステムの「インターフェース」として捉えています。つ まり、MEMSデバイスだけあってもその機能を使うことはできないわけで、パッケージに入れることによって初めて、実際に利用するシステムとの接点が持て るのです。このインターフェースが上手く作れなければ、システム側から見た場合に「実際に使える機能」とはならないんですよね。

――つまり、これまでのMEMS産業では、
  「システムに組み込む」という部分が
  ややおろそかだったということでしょうか?

前木場氏: そ の通りです。システムに組み込むことまで見越して機能を考えたりデバイスを作ることは、半導体産業では当たり前のことなんですが、MEMS産業ではようや くその必要性が認識され始めたところなのではないでしょうか。実際、多くのメーカーの技術者が現在、インターフェースという部分で壁に当たっているのでは ないかと思われます。逆に、そこを乗り越えられれば、商品化という道が見えてくるのではないでしょうか。

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MEMSのパッケージングでは、外界の多様な環境に対応することが大切

――実際にパッケージングを行っていく上で、
  それを難しくする要因はどのあたりにあるのでしょうか?

前木場氏: まず、パッケージング技術に関する情報が少な いということ。これは、今まではどうしてもパッケージングが後回しになってきたということとも関係しています。MEMSデバイスを作るところには注力して も、パッケージングまで手が回るところはなかなかありませんでしたから。しかし、今後は半導体と同じように、パッケージングそのものがひとつの大きなテー マとして研究されていくでしょうね。

――MEMSと半導体を比べると、やはりMEMSの方が複雑なのでしょうか?

水上氏: 確かにそういう面はありますね。MEMSデバ イスと半導体との大きな違いは、外界との関連の複雑さではないかと思います。たとえば加速度センサーなどもそうですが、MEMSデバイスは外界のさまざま な情報を受け取って動作しますし、逆にMEMSデバイスが外界の流体を制御するなど、物理的な運動という形で効果を及ぼします。これが半導体の場合、基本 的に電気信号だけですからね。コンピュータのCPUを考えてみた場合でも、いろいろな形のパッケージングが存在していますが、やり取りするのは電気信号だ け。とてもシンプルなんです。MEMSの場合、これが非常に複雑なんですね。高周波RFを使うようなシステムだったりすると、環境特性にもかなりの癖があ りますから。私たち京セラは、パッケージングのプロとして材料や作り方だけでなく、こうした外界(システム側)の環境特性に関する情報もしっかりと扱って いきたいと思います。

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京セラのノウハウをライブラリとしてCoventorWareに標準搭載

――なるほど、聞けば聞くほど難しそうなパッケージングですが、
  現状ではMEMSデバイスを扱うメーカー各社は、
  どのようにパッケージングを進めているのでしょうか?

水上氏: おそらく、トライ&エラーの繰り返しになることが多いと考えられま す。MEMSデバイスは、今のところ一品一様的な傾向が強いですし、お金と時間と手間ひまをかけてという感じではないでしょうか。ただ、今の市場はそれほ ど呑気な取り組みを許してくれませんし、短期間で効率的に開発していける環境はこれから必須となるでしょう。
前木場氏: ただ、MEMSデバイスの商品化にパッケージングが重要という認識ができても、実際のところ、どこからどう手を付ければいいかわからないというのが現状ではないかと。
これは、今まではMEMSデバイスの開発までが前工程、パッケージング以降は後工程として、まったく別のプロセスで考えられてきたことも原因なんですね。 前工程はうまくいった、でも後工程に入ったら特性が変わってうまく動かない、仕方なく前工程からやり直す――という、結局はトライ&エラーに陥っていたわ けです。
今回、CoventorWareに京セラさんのセラミックパッケージをライブラリとして組み込めたことは、こうした現状に対して非常に効果があると考えています。

――なるほど、聞けば聞くほど難しそうなパッケージングですが、
  現状ではMEMSデバイスを扱うメーカー各社は、
  どのようにパッケージングを進めているのでしょうか?

前木場氏: そういうことです。セラミックパッケージの特性や材料・加工の技術情 報、先ほどの環境特性の情報などを元にシミュレーションを行い、最初から「システムに組み込める」MEMSを見据えた開発をすることが容易になったので す。何しろ、これまではトライ&エラーで何とか手に入れていた情報が最初から組み込まれているのですから、ユーザーにとっては間違いなく大きな福音となる でしょう。
水上氏: 私たちとしても、MEMSデバイス開発のイニシアチブを取っている Coventorさんと提携できるということは、パッケージング事業の展開においてたいへん意義のあることです。そして何よりも、このことによって MEMS産業全体が底上げされていくことを期待したいですね。今はまだ、製品から商品への谷間の時期なんだと思います。MEMS産業全体が本当の意味での ブレークスルーを迎えられるように、今後も協力していきたいと考えています。

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