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ライターズコラム 朝岡 良仁
朝岡 良仁 Asaoka Yoshihito RapiNAVI製品サイトへ

IT商品研究会 突撃インタビュー「RapiNAVI」編

おサイフケータイが話題である。
決済機能に注目が集まっているが、今、これに新たな可能性が生まれつつある。マーケティングツールとしてのおサイフケータイだ。それを実現すべく丸紅ソリューションが開発したものが『RapiNAVI』である。
携帯電話をかざすだけで「URL誘導」「自動アプリ」「空メール」「トルカ受信」などの機能があるもので、マーケティングツールとして大きな期待が寄せられている。
『RapiNAVI』によって一体どんなマーケティングが可能になるというのか。丸紅ソリューション本社を直撃し、開発マネージャーを務めた油井準人氏に、『RapiNAVI』の可能性について単刀直入に訊いてみた。
「そこんとこ、本当はどうなの?」

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8年前からスタートした携帯電話関連の商品開発

油井氏はパスポート大の白い機械を手にやってきた。
「これが『RapiNAVI』です」
記者の目の前に置くと、いきなり携帯電話をかざす。その瞬間、ピピっと音がする。
「かざすだけでURL誘導などができてしまうんです。この手軽さが『RapiNAVI』の売りです」
他社が開発した製品なのかと思いきや、なんと自社開発した商品だという。
「iモードのサービスが開始されたのは1999年2月のことですが、その当時から当社は携帯電話にかかわる商品開発をおこなっていたんです」
1999年といえばまだ「20世紀」と呼ばれていた時代である。そんなときから丸紅ソリューションはいそいそと開発に勤しんでいたというから意外である。
「当時の携帯電話は『第二世代』と呼ばれるもので、ドコモならmovaに当たる機種が主流でした。その第二世代携帯電話向けにさまざまな周辺機器を開発していたわけです」
油井氏らは携帯電話の周辺機器開発をしながら面白いことに気づいたそうだ。それは、携帯電話があまりに不安定だという事実である。
「携帯電話を『家電』だと思っていませんか?今や『パソコン』と同じなんです。新しい機種ほどその傾向はとても強いんです」
『パソコンと同じ』ね。それが一体何を意味するというのか。
「パソコンの電源を何日も入れ放しにしていると不安定になってきます。それと同じで携帯電話も電源を入れ放しにしていると不安定になるんです。商品は実機を使ってテストをしていきますが、同じ携帯電話なのに動いたり動かなかったりするわけです」
なるほど。
「各携帯電話会社は他社に乗り遅れないように一斉に新機種を発売することが多かったのですが、それに間に合わせるために検証が不十分なまま販売してしまうことがよくあったのです。そのため同じ機種でも、発売直後、3か月後、半年後で動きがまったく違う。また、電話帳が空のときとフルのときでも動きが違う。つまり、携帯電話は『不安要素』満載の機械なんです」
携帯電話があまり信用できない機械であることはわかった。それが商品開発の話とどう結びつくのだろうか。
「たとえば当社が開発した商品が1種類の携帯電話だけに使えないとしたらどうでしょう。商品としては成立しません。基本的にすべての商品に対して使えないといけないわけです。しかし相手は不安定要素満載の携帯電話。それに対して、すべての機種で使えるようにしなければならない──そこに苦労があったのです」
その課題をどうやって克服したのか? 油井氏の口から出た答えに思わず面食らってしまった。あまりに原始的だったからだ。


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「全キャリア・全機種テスト」という原始的かつ確実な検証方法

「全キャリア・全機種を揃えたのです」
「全キャリア・全機種を揃える」。一見簡単な答えのようだが、これまで国内で販売された携帯電話は全キャリア合わせて500機種を超えており、当時でも数百種類はあったはずだ。そのすべてを購入し、1つ1つテストをおこなうことを決めたのだという。
「先にお伝えしたように、同じ機種でも発売時期によって動作の仕方が違いますから、人気機種の場合は1機種で発売時期を変えて1台ずつ購入していきました。こうして、実機を使って1つ1つ検証していき、安定した動作を得るにはどれくらいの幅をもたせればいいのかとプログラミングしていったのです」
同じ機種でも発売時期を変えて購入するとは、なんともマニアックというか研究熱心というか。その後も新しい機種が登場するたびに実機を購入して検証し、動かなければまたプログラミングを変えるという地道な作業を繰り返す。根気のない記者にはとても無理な話だが、なんと、これが思わぬビジネスへと結びついたというから人生わからない。
「コンテンツプロバイダから、全キャリア・全機種で表示できるかチェックしてほしいという依頼が来るようになったのです。そこで、携帯電話のチェックサービスを提供するようになりました」
信用が欠かせない大手証券会社や銀行などから依頼が殺到。全キャリア・全機種を揃えている企業がほとんどないこともあり、チェックサービスは思わぬ盛況となったという。そして、そのジミ~な作業がついに花咲くときが来るのだ。蓄えたノウハウを結集させて開発した『Xnavi』という商品だ。なんと150万台というビッグヒットとなったというから驚きだ。
「これこそが『RapiNAVI』の前身となる商品です。携帯電話でネックとなっていたのは操作性の悪さです。パソコンと違いボタンが小さいため、入力の煩わしさが常につきまとっていました。そのため企業がポスターなどでURLを示して誘導を試みても、入力に手間がかかるため思うように結果が出せない。そこで、当社で補助ツールをつくることでその手間を省いてあげようとこの商品を開発したわけです」
『Xnavi』を携帯電話のコネクタ部分に挿し込むだけで、URL誘導、自動アプリ機能、空メールなどが可能で、ビジネス向けにはセキュリティグッズなどとして人気を博したそうだが、記者がもっとも興味を引かれたのは“合コングッズ”として使われたという事実だ。
たとえば、お気に入りの女の子の携帯電話に自分のメルアドと電話番号を入れたいとする。そのとき、「ちょっとケータイ貸してくれるぅ?」などと言って『Xnavi』を挿し込んでしまえば、自分のメルアドと携帯電話を強引に入れ込むことができ、空メールを送ってもらえば女の子のメルアドまでもらえちゃうのである。
「ところが、NTTドコモのFOMAに代表される第三世代携帯電話が登場すると、第二世代携帯電話向けの『Xnavi』の存在意義が薄らいでききました。そこで第三世代携帯電話向けに開発したもの、それが『RapiNAVI』だったわけです」


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コンテンツのアドバイスもできる

『Xnavi』はコネクタ部分で情報のやりとりをしていたが、第三世代ではおサイフケータイで使われるFelicaチップを利用して情報のやりとりをする。かざすだけで済むのが『Xnavi』との最大の違いだ。合コングッズやセキュリティとして使うこともできるが、まじめな丸紅ソリューションは、マーケティングツールとして『RapiNAVI』が使えるという。
「『Xnavi』でも最後まで問い合わせがあったのが『販促として使えないか』という声だったからです。この『RapiNAVI』によって、これまでほとんど実現できていなかったことが可能になります。ユーザの位置情報を利用しておこなうマーケティング手法、『ロケーション・ベース・マーケティング(LBM)』です」
ロケーション・ベース・マーケティング? なんとも聞き慣れない言葉だ。
「これまでも携帯電話を使ってさまざまなマーケティングがおこなわれていましたが、顧客や会員からメールを集めて携帯電話に情報を送ってもスパムメール化しているのが現状でした。そこで、ホームページを開いて必要なときに必要な情報をダウンロードしてもらうといった工夫が施されてきましたが、会員やファンクラブなどコアなターゲットには有効なものの、マスを対象としたマーケティングには不向きでした」
確かに記者も、仕事で打ち合わせ中などにメールがくると、いくら好きな趣味関係のメールでも削除していた。ではスパムメール化しないためにはどうしたらいいのか。
「一方的なメールではなく、よりフレンドリーな情報を出すしかないのです。そこで重要となるのが位置情報なわけです」
う~ん、いまいちよくわからない。どういうことなのか。
「たとえば大規模なテーマパーク周辺などにはホテルがありますが、そこのフロントにいて『今日、どこにいこうか』と携帯電話をかざしたときに、テーマパークの情報を流すことができればテーマパークに誘導することができます。テーマパークに来場したときに携帯電話をかざすと、空いているアトラクションを教えてくれたり、『今日、○○ホテルにいた方ですね。来てくれてありがとう!』といったフレンドリーなメールを配信できる。位置情報が入ることによって、今までのメールと違って温かみのある情報を流すことが可能になるのです」
 訊けば『RapiNAVI』には位置情報が組み込まれており、携帯電話をかざすだけで「いつ」「誰が(どの携帯電話が)」「どこで」がわかり、その情報をサーバに送って解析することで、ユーザの位置に適した情報を送るという。
カウンター情報も入るため、大型のショッピングセンターなどで催される「先着100名様」といったセールも、近くに置いてある『RapiNAVI』に携帯電話をかざすだけで予約がとれ、お店でかざせば受け取れるといったサービスも可能になるそうだ。
「現在、QRコードが普及していますが、QRコードはカウンター情報を入れることができず、先着100名なら100個分のQRコードを作成しなければいけません。そして何よりQRコードで障害となるのは『携帯をかざす』やり方と比べ手間がかかること、さらにQRコードを実際に使っているのも全ユーザの3分の1くらいしかいないことです」
こう聞くとまるで『RapiNAVI』が万能なように思えるが、『RapiNAVI』に携帯電話をかざすだけで本当にホイホイと集客できてしまうのであろうか。
「確かに万能ではありません。大事なのはコンテンツなんです。携帯電話をかざしても面白みに欠けていたりメリットが感じられないものでは効果は期待できません。幸い、当社は『Xnavi』のときにさまざまな実証実験に協力しました。たとえば、ある複合施設では、『Xnavi』で集めたメールアドレスにメールを送り、アルバイトなどを使って、そのときにお客様が『すぐに携帯電話を閉じたのか』『狙い通りの場所に足を運んだのか』など追跡調査をおこないました。そのため、コンテンツに関してもどうすれば狙い通りの反応が得られるのか提案やアドバイスもおこなうことができるようになりました」
最後にあえていじわるな質問をしてみた。現在、携帯電話をかざすだけでURL誘導や自動アプリ機能がある商品は『RapiNAVI』のみのようだが、今後他社から同じような機能をもった商品が出てくることも十分に考えられる。勝てるのか?
「もちろんあり得る話ですが、当社は『Xnavi』で全キャリア・全機種を購入して1機種1機種テストをしてきました。『RapiNAVI』でもそれは同じです。Felicaチップは現在バージョン1~3まであり、今後4、5とさらに新しくなっていくはずです。そのときでも当社は間違いなく対応できる自信があります」
胸を張る油井氏。といっても思い通りにならないのがこの世の常。また2年後くらいに直撃取材させてもらいますか。そのとき油井氏は笑っているのか泣いているのか。今から楽しみな記者である。


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