第12回全日本学生フォーミュラ大会、協賛校の東海大学が総合6位入賞 3Dプリンティングの利点をレーシングカー製作に生かす

丸紅情報システムズ株式会社

丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:渋谷区渋谷3-12-18 社長:伊吹 洋二)は、第12回全日本学生フォーミュラ大会(開催期間:2014年9月2日~6日)へ協賛し、当社取扱い製品のストラタシス社製3Dプリンターによるレーシングカーパーツ設計製造支援を行いました。また、協賛校のひとつである東海大学チームが総合6位入賞を果たしました。

全日本学生フォーミュラ大会は、将来の日本の自動車産業発展を支える優秀な人材育成、また国際競争力を高めるために、2003年にスタートした学生による自作レーシングカーの競技大会です。MSYSは、2011年より本大会へ協賛しており、今年で4年目を迎えました。MSYSの20年を超える3Dプリンターの販売・サポートの経験を生かし、3Dプリンティングの設計コンサルティングから造形まで、学生たちの支援を行ってきました。本年度は全5チームを支援し、このうち東海大学チームが総合6位入賞を果たしました。

東海大学チームは、「斬新さと正確性の究極の両立」をテーマに車両を開発。これまでも性能向上を目指し、例年、サージタンク(*1)とインジェクター(*2)パイプのレイアウトの工夫に挑戦し続けてきましたが、さまざまな技術的障害で断念してきました。しかし、今年は3Dプリンターで造形することを前提に設計に取り組み、その利点を生かすことで「V型2気筒エンジン縦型置きレイアウト」を実現しました。
まず、サージタンクの中にディフューザー(*3)を内蔵させ、カールファンネル(*4)を3Dプリンター「Stratasys Fortus900mc」で一体造形することに成功。これは、従来の手加工によるCFRPでは不可能だったものを、3Dプリンターの特性である設計の自由度の高さを生かすことで、規定のサイズ内に収める一方、予備実験で求められた最大容量を確保するという矛盾する2つの要望を満たすことを可能にしました。 また、ガソリンを噴霧するインジェクターパイプは、タンクとエンジンのレイアウトの兼ね合いで曲がった形状にする必要がありました。ここでも、3Dプリンターで造形することを前提に、従来の加工法では制限されてしまうであろう三次元的に曲がったパイプを設計。材料には耐薬品性、衝撃強さ、柔軟性を兼ね備えた“Nylon12”を使用し、「Stratasys Fortus900mc」で造形しました。
このような3Dプリンティングならではの利点を生かした部品を搭載したレーシングカーは、さらにカーボンモノコックボディ(*5)とフロント・リアウイングの初採用という試みを加え、みごと総合6位入賞という好成績を収めました。

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写真1:吸気用サージタンク

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写真2:インジェクターパイプ

MSYSは、このようなものづくりを教育する場への支援をはじめ、3Dプリンターの販売、サポートの実績を生かし、3Dプリンティングの設計や造形プロセスのノウハウをもって、これからも未来のものづくりの場で活躍する人材の育成、日本の技術力向上へ貢献し続けていきます。

(*1)サージタンク: 流体の過剰な流入量を一時的に蓄えることで流量を緩和して増減を平準化することを目的に備えられるタンク。
(*2)インジェクター(燃料噴射装置): エンジンに液体の燃料と空気を霧状にして噴射する装置。
(*3)ディフューザー: 気流を整えるもの。
(*4)カールファンネル: 気体の通路となる装置。気体の移動時の抵抗を減少させる。
(*5)カーボンモノコックボディ: カーボン素材を使いフレームとボディを一体で作った構造。

【全日本学生フォーミュラ大会について】
全日本学生フォーミュラ大会とは、日本の少子化や若者の理科離れといった背景から、将来の自動車産業にとって国際力競争力の低下、また優秀な技術者の人材不足の可能性を解消すべく、学生たちへものづくりの機会を提供することによって、大学・高専等の工学教育活性化に寄与することを目的に、米国の「Formula SAE®」のルールに準拠して自動車技術会が主催する自作レーシングカーの競技大会です。2003年にスタートし、今年で12回目を迎え、日本国内のほかアジア各国からも88チームが参加しました。
・2014年度開催実績  : 9月2日(火)~6日(土) 静岡県・小笠山総合運動公園にて開催。のべ14,564名来場。
・大会公式WEBサイト : http://www.jsae.or.jp/formula/jp/

<MSYS協賛校 結果>
・東海大学 総合6位
・千葉大学 総合11位
・茨城大学 総合12位
・東京理科大学 総合15位
・東京都市大学 総合36位

【ストラタシス社製3Dプリンター WEBサイト】
http://www.marubeni-sys.com/de/3d_modeling/

【ストラタシスについて】
ストラタシスは、3Dプリンターの世界No.1シェア(*6)を誇る、3Dプリンターメーカーです。FDM方式・Polyjet方式の3Dプリンターを多数取り揃え、試作用途からデザイン検証、また実用部品の製造(DDM:Direct Digital Manufacturing)など、幅広くものづくりの現場に導入されています。丸紅情報システムズは、1992年以来、20年以上にわたりストラタシス社の正規販売代理店として同社製品を取り扱っています。2012年と2013年には、ストラタシスによって、世界で最もストラタシス社製品・サービスの販売に貢献した企業として、世界トップリセラーに認定されました。
(*6): 出典「Wohlers Report 2014」, p.118 : プロフェッショナル向けシステムの累計販売台数において

【丸紅情報システムズについて】
丸紅情報システムズは、最先端ITを駆使した付加価値の高いソリューションやサービスを、お客様視点で提供するソリューションプロバイダです。製造・流通・サービス・小売・金融業を中心とする様々な業界の知見と高度な提案力とグローバルな視点からお客様の差別化に貢献する最先端技術やそれを活用した新しいソリューションの開発力が当社の強みです。ソリューションや製品、サービスを通じて、お客様の期待を超える新しい「価値」の創出でお客様のビジネスを支援します。

<お問い合わせ>
丸紅情報システムズ株式会社
URL: http://www.marubeni-sys.com
〒150-0002東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル
広報・業務推進部 広報課(プレス関係者窓口)
電話:03-5778-8885

<製品に関するお問い合わせ>
製造ソリューション事業本部
モデリングソリューション部
電話:03-5778-8069/8583

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