丸紅情報システムズ、3Dプリンターによる医療向け3Dモデル造形サービスを開始

丸紅情報システムズ株式会社

丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:渋谷区渋谷3-12-18 社長:伊吹 洋二)は、2015年2月3日より3Dプリンターで医療分野向けに3Dモデルを造形する受託サービス「メディカル3Dモデル造形サービス」を開始します。これは、CT/MRIなど患者の医療データを3Dプリンターによって立体的に再現し、臓器や血管、骨といった人体モデルの形状や質感までを可視化・可触化した3Dモデルを製作するサービスです。CT/MRIなどで取得した臓器や血管、骨といった医療データから画像処理ソフトで立体化し、それを3Dプリンターで造形するためのSTL(*1)フォーマットに変換後、造形します。

今日、医療とITテクノロジーの融合により先進医療分野は目覚ましい発展を遂げています。その成長を支えているひとつが、CT/MRIなどの患者の生体データを3Dプリンターで立体的に再現した医療向け3Dモデルです。これまでの医療用模型製作の手法では、臓器や血管、骨といった複雑な形状を一体構造で製作することが難しいため、複数のパーツを個々に製作し手作業で組み合わせて完成させるケースが多く、工数が多いことが課題でした。さらに、症例別に全てカスタムメイドとなるため、個別に型を製作することが必要となり費用面でも課題がありました。 一方3Dプリンターであれば、複雑な形状でも一体構造で造形することが可能で、型を製作せずとも個々の3Dデータから直接それぞれの3Dモデルを造形することができます。これにより期間短縮・コスト削減を実現し、さまざまな医療現場で3Dモデルを活用することが期待できます。

このような背景を受け、20年以上3Dプリンターの国内販売に携わり知見を培ってきたMSYSは、その強みを生かし医療分野に特化した3Dプリンターによる3Dモデル造形サービスを開始することとなりました。 MSYSは3Dプリンターの販売・保守サポートに加え、3Dプリンティングの設計コンサルティングおよび造形サービス(MSYSオンデマンド生産サービス)を展開しており、製造業をはじめとした幅広いものづくりの現場へ3Dプリンティングソリューションを提供しています。本サービスでは取り扱い製品であるストラタシスの3Dプリンターを使い、精度の高いモデル造形を可能としています。目的に合わせて材料・積層ピッチ(*2)を選べたり、軟質と硬質材料を組み合わせて部位によって触感を変えられたり、また、カラー造形も可能です。

MSYSは、強みを生かした高精度な3Dプリンティングを医療の場においても適用することにより、3Dモデルがより多くの医療現場で活用され、最先端医療分野の発展に貢献できるものと考えます。今後3年間で、本サービスにおいて売上総額1億円を目指していきます。

■ 医療向け3Dモデルの活用シーン
  • 医師にとって ――術前計画の効率化 疾患部等の3Dモデルを実際に手に取って検討することで、手術手技・アプローチ方法や、術場にて使用する各種デバイスの決定を補助します。また、術前ミーティングで3Dモデルを使用することで、メンバーの意思統一を取りやすくします。
  • 患者にとって ――分かり易いインフォームドコンセント(*3) 患者説明の場で3Dモデルを使うことによって、患者および家族に対する患者の病態の理解と治療方法への同意を促進します。また、担当医と患者間のコミュニケーションを補完し、信頼感を向上させます。
  • 研究及び医師の教育での活用 症例数の少ない病態を3Dモデル化することによって、医師間での知見を共有することができます。また、新しい設備・機器の運用トレーニング用に3Dモデルを使用することができます。
■ メディカル3Dモデル造形サービスメニュー 1.医療向け3Dモデル造形
  • 患者のCT/MRIデータを立体的に再現し、疾患部(内臓・骨・血管等)を可視化・可触化した3Dモデルを造形します。
2.3Dデータ編集・変換のコンサルティング
  • 質の高い3Dモデルを造形するための3Dモデリングおよびデータ編集変換方法等のコンサルティングを行います。
  <特徴>
  • 豊富な造形材料 FDM方式(*4)3Dプリンターでは強度のあるリアルプラスチック系の樹脂(最大9種類)、Polyjet方式(*5)の3Dプリンターでは硬さや色など多様な物性を表現可能な樹脂(最大1000種類以上)から、目的に合わせて材料を選ぶことができます。(造形モデルの形状や使用機種によって使える材料や積層ピッチ等の条件は異なります。)
  • カラー造形も可能 Polyjet方式の3Dプリンター使用時は、マルチカラー造形材料を使って色彩表現も可能です。
  • 触感の再現 Polyjet方式の3Dプリンター使用時は、軟質と硬質の材料を組み合わせて造形することができ、部位によって触感を変えることが可能です。
<造形モデル一例> img_info_20150203_01.jpg

【ストラタシス社製3Dプリンター WEBサイト】
http://www.marubeni-sys.com/3dprinter/

【メディカル3Dモデル造形サービス WEBページ】
http://www.marubeni-sys.com/3dprinter/medical_3dprinting/

【ストラタシスについて】
ストラタシスは、3Dプリンターの世界No.1シェア(*6)を誇る、3Dプリンターメーカーです。FDM方式・Polyjet方式の3Dプリンターを多数取り揃え、試作用途からデザイン検証、またDDM(Direct Digital Manufacturing:実部品直接製造)など、幅広くものづくりの現場に導入されています。丸紅情報システムズは、1992年以来、20年以上にわたりストラタシスの正規販売代理店として同社製品を取り扱っています。2012年・2013年・2014年と3年連続で、世界で最もストラタシス社製品・サービスの販売に貢献した企業として、同社より世界トップリセラーに認定されました。

【丸紅情報システムズについて】
丸紅情報システムズは、最先端ITを駆使した付加価値の高いソリューションやサービスを、お客様視点で提供するソリューションプロバイダです。製造・流通・サービス・小売・金融業を中心とする様々な業界の知見と高度な提案力と、グローバルな視点からお客様の差別化に貢献する最先端技術やそれを活用した新しいソリューションの開発力が当社の強みです。ソリューションや製品、サービスを通じて、お客様の期待を超える新しい「価値」の創出でお客様のビジネスを支援します。

*1:三次元形状を表現するデータを保存するファイルフォーマットのひとつ、Standard Triangulated Languageの略称。
*2:造形において材料を積み重ねる層の厚さ。
*3:主に医療行為の場では、患者が治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で、自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意することを指す。
*4:熱溶融積層方式
*5:インクジェット方式
*6:出典 Wohlers Report 2014

<お問い合わせ>
丸紅情報システムズ株式会社
URL: http://www.marubeni-sys.com
〒150-0002東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル
広報・業務推進部 広報課(プレス関係者窓口)
電話:03-5778-8885

<製品に関するお問い合わせ>
製造ソリューション事業本部 モデリングソリューション部
電話:03-5778-8069/8583

*文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。
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