サークル

サークル・タブでは、アドレス・グループ間のトラフィック・フローを視覚化できます。例えば、各部署のエンドホスト・アドレスをグルーピングすることで、部署間のトラフィックを見ることができます。このようにネットワーク・トラフィックを把握することで、キャパシティー・プランニングについて正確な判断(例えば、経理部と人事部の間のリンクをアップグレードする必要があるか?)が可能になり、使用内容・方法ポリシーの徹底(adminサーバへの不正アクセスがないか?)に有効です。

サークル・チャートでは、上位100位までのトラフィック・フローが表示され、上位100位までのフローに関与するエンドホストが黒い点で示され、サークル状にまとまめられます。フローを示すラインは、トラフィック・タイプ別に色分けされ、エンドホストを結びます。ラインの太さは、そのフローのトラフィック・ボリュームを表します。どの色がどのトラフィック・タイプ(または、プロトコル)を指すかは、凡例で示されます。凡例は、左から右に、トラフィック・ボリュームの大きい順に並べられます。

このタブにはコントロール・バーが付いており、解析、検討したいトラフィック・データのスイッチやインターフェースを選んだり、フレームとバイトのどちらで上位フローを決めるかを選んだり、クラスターやフローに自動的にラベリングするかどうかを選んだりできます。

解析するスイッチやインターフェースの選択

特定のスイッチ上を流れるネットワーク・トラフィックのデータを見るには、コントロール・バーのスイッチ・セレクターを使って、関心があるスイッチを選択します。スイッチ・セレクターには、sFlowTrend-Proコンフィギュレーションに含まれるスイッチ、または、sFlowTrend-ProにsFlowデータを渡しているスイッチがリストアップされています。スイッチは、SNMP IPアドレス、sFlowエージェント・アドレス、DNS Name、またはsysNameを用いてリストアップされます。

sFlowTrend-Pro のスイッチ・セレクターには、「全てのスイッチ(All switches)」というオプションが含まれています。「全てのスイッチ(All switches)」を選択すると、ネットワーク上のトラフィック全体がチャートに表示されます。その際、複数のスイッチにまたがるトラフィックについては、1回しかカウントされません。特定のスイッチに絞って解析を行いたい場合には、フィルターを用います。例えば、関心があるスイッチのsFlowアドレスが、10.0.0.250と10.0.0.248のどちらかの場合は、agent == "10.0.0.250" || agent = "10.0.0.248" とします。

セレクション・リストでスイッチがイタリック(斜体)で表示されていたら、これらのスイッチには、データが保存されていないことを意味します。

特定のインターフェース上を流れるネットワーク・トラフィックのデータを見るには、コントロール・バーのインターフェース・セレクターを使って、関心があるインターフェースを選択します。インターフェース・セレクターには、現在、選択され、sFlowデータが渡され、保存されているスイッチのインターフェースがリストアップされています。インターフェースは、ifIndex、ifDescr、IfName、または、ifAliasを用いてリストアップされます。インターフェースの選択を変更すると、新たに選択されたインターフェースのチャートが表示されます。

インターフェース・セレクターにも「全て(All)」というオプションが含まれています。このオプションを選択すると、全てのスイッチ上の(全てのインターフェースにまたがる)トラフィック・フローを見ることができます。

サークル・チャートのコンフィグレーション

見たいスイッチやインターフェースを選択するだけでなく、エンドホストのクラスターごとのグルーピングの方法、どのエレメントを自動的にラベルリングするか、上位のフローを決めるのに用いるトラフィック・ボリュームの単位についても、設定が可能です。

エンドホストのクラスタリング

現在、sFlowTrend-Proは、サブネットによるエンドホストのクラスタリングをサポートしています。すなわち、上位100位までのフローに関与するエンドホストは、サブネットごとにグルーピングされます。アクティブなエンドホストのサブネットは、黒い点のサークルとして表示されます。エンドホストが正しくクラスタリングされるには、sFlowTrend-Proで、ネットワーク内のサブネットの設定をしなければなりません。設定されたサブネット内に含まれないIPアドレスを持ったホストについては、全て、External(外部)と名付けられた別個のクラスターに表示されます。上位フローが、L2トラフィック(L2ブロードキャストやARP、スパニングツリーなど)の場合には、これらのフローに関与するエンドホストは、Non-IPと名付けられた別個のクラスターにグルーピングされます。

チャート・エレメントの自動ラベリング

ラベル・セレクターでは、sFlowTrend-Proがチャート内のエレメントに自動的にラベリングを行う方法を選択できます。自動的にラベリングされるエレメントは、チャートに最新のデータがロードされた時にラベリングされます。下記のオプションがサポートされています。

No Labels(ラベルなし)

自動的にラベルが表示されることはありませんが、チャート内の対応するエレメントをクリックすることで、選択したホストまたはクラスターにラベリングを行うことが可能です。

Cluster(クラスター)

クラスターについて、ラベルが自動的に表示されます。

Top Hosts(上位ホスト)

最も上位のトラフィック・ボリュームに関与するエンドホスト、最も数の多いフローに関与するエンドホストについて、ラベルが自動的に表示されます。

Clusters and Flows(クラスターとフロー)

クラスター、および、最も上位のトラフィック・ボリュームに関与するエンドホスト、最も数の多いフローに関与するエンドホストについて、ラベルが自動的に表示されます。

トラフィック・ボリュームの単位の選択

チャートに表示される上位100位までのフローを決めるのに、どちらのトラフィック・ボリューム単位を用いるかを選択できます。ユニット(単位)・セレクターをBits/s(ビット/秒)に変更すると、ビット/秒を単位にして、最も上位のトラフィック・ボリュームに関与したフローが表示されます。ユニット・セレクターをFrames/s(フレーム/秒)に変更すると、フレーム/秒を単位にして、最も上位のトラフィック・ボリュームに関与したフローが表示されます。

時間選択の変更

サークル・チャートでは、選択したインターバル(時間間隔)の間の上位100位までのフローがグラフィカルに表示されます。タイム・セレクターでは、どのインターバルについて、データを表示するかを選択できます。

サークル・チャートでは、インターバルの選択は、開始時間と終了時間によって定義されます。タイム・セレクターには、しばしば用いられる下記のインターバルが含まれています。

前5分間
前10分間
前15分間
前30分間
前1時間
カスタム

カスタム・オプションでは、保存された履歴データに完全にフレキシブル(柔軟)にアクセスできます。希望するインターバル開始時間、終了時間を設定して、OKボタンをクリックすれば、選択したインターバルのチャートが表示されます。

カスタム以外の時間枠を選択した場合は、表示されるチャートは、次のデータポイントが利用できるようになった時点で、自動的に更新されます。したがって、データは、ローリング・ウィンドウで表示されます。

また、タイム・セレクターの「戻る」「進む」ボタンを使って、前のインターバルのデータや、次のインターバルのデータを見ることができます。例えば、「最近5分間」が選択されており、現在の時刻が、2009年12月1日(火)11:44だとします。「戻る」の矢印をクリックすると、(カスタムが選択されることになり)その前の5分間、すなわち、2009年12月1日(火)11:39までのデータが表示されます。現在のインターバルの選択が、保存された最初あるいは最後のデータである場合には、「戻る」「進む」ボタンは無効になります。

サークル・チャートとのインタラクション

チャート・エレメントの選択的ラベリング

チャート・エレメントを自動的にラベリングするだけでなく、関心のあるエレメントをクリックすることで、選択的にチャート・エレメントをラベリングすることも可能です。ノードのラベルを表示するには、ノードの黒い四角をクリックします。クラスターのラベルを表示するには、サークルの中央の白い四角をクリックします。フローをラベリングするには、ラインの上をクリックします。ラベルを削除するには、ラベルの右上の×印をクリックします。

パンとズーム

チャートには、ビュー・コントローラーがあって、ズームインやズームアウト、左右上下へのパンが可能です。また、チャート全体がウィンドウに収まるよう、リセットすることもできます。さらに、マウスホイールを使ってズームイン、ズームアウトしたり、左マウスボタンを押したままマウスをドラッグしてパンしたりすることも可能です。

特定のトラフィックのフィルタリング

sFlowTrend-Proでは、チャートに表示される情報のフィルタリングが可能です。これによって、関心があるトラフィックに的を絞ることができます。

フィルターを指定するには、フィルター・バーを使います(セクション3.2.2.3「特定のトラフィックのフィルタリング」をご覧下さい)。また、エンドホストまたはフローのラベルをクリックすることで、ラベリングされたエンドホストやフローを、自動的にフィルタリングできます。さらに、凡例をクリックして、特定のプロトコルのトラフィックをフィルタリングすることもできます。