sFlowの設定と最適なサンプリングレートの提案。

sFlowの設定

スイッチに対して、sFlowTrendへsFlowを送信させる設定を行う必要があります。sFlowの設定の方法には、2つの方法があります。ひとつが、SNMPを使用したスイッチへの設定と、もうひとつが、コマンド・ライン・インターフェース(CLI)を使用した設定です。

SNMPを使用したsFlowの設定

sFlowTrendは、スイッチに対してSNMPを使用したsFlow送信の設定を行うことが可能です。この場合、スイッチ上で、sFlowTrendからのSNMP Read/Writeアクセスを許可する設定が必要です。また、SNMP Read/Writeコミュニティ名を知っている必要もあります。

アルカテル・ルーセントやHP ProCurve Networking スイッチで、SNMPによるsFlow設定をサポートしています。

ProCurveスイッチでの、SNMP経由によるsFlow設定機能を有効にする設定

ProCurveスイッチ(9300/9400シリーズを除く)では、SNMPを使用してsFlow送信の設定を行うことができます。これを可能にするためには、sFlowTrendから無制限書き込み権限(Unrestricted Write Access)を持つSNMPコミュニティを使用したアクセスが可能で、スイッチ上の設定として認証マネージャー(Authorised Manager)のリストとしてsFlowTrendを動作させているホストのIPアドレスを含める設定を行う必要があります。

sFlowTrendが、IPアドレス "10.1.2.5"のホスト上で動作し、SNMP Read/Writeコミュニティ名を "snmprw" と設定しているとすると、を使用しているとすると、ProCurveスイッチ上にコマンド・ライン・インターフェースでアクセスし、SNMP経由のsFlow設定を可能にする設定を、以下のステップで設定を行います。;

  1. すべてのMIB変数に対してRead/Writeアクセスを可能にするSNMPコミュニティの設定

    (config)# snmp-server community snmprw manager unrestricted

    次に、この設定か適用されたかの確認;

    (config)# show snmp-server

    以下にような結果が表示されます。;

     SNMP Communities
    
      Community Name   MIB View Write Access
      ---------------- -------- ------------
      snmprw           Manager  Unrestricted
                                   
  2. sFlowTrendが動作しているホストのIPアドレスをIP認証マネージャー(IP Authorized Manager)として登録する設定。;

    (config)# ip authorized-managers 10.1.2.5

    次に、この設定か適用されたかの確認;

    (config)# show ip authorized-managers

    以下にような結果が表示されます。;

     IP Managers
    
      Authorized Manager IP  IP Mask                Access Level
      ---------------------- ---------------------- -------------
      10.1.2.5               255.255.255.255        Manager
                                   

※ 基本的には、ProCurveスイッチでは、SNMPを使用してsFlow送信の設定を行うことができますので、sFlowマネージャー側から自由に設定・変更を行うことができます。ただ、ProCurveスイッチの9300/9400/5400/3500シリーズでは、SNMPを使用してのsFlow送信の設定機能をサポートしていませんので、スイッチ上でCLIのよる設定を行わなければなりません。(詳細は、メーカーにご確認ください。)

スイッチのCLIによるsFlow設定

この方法では、Webインターフェースやsshやtelnetを使用してスイッチにアクセスし、手動でスイッチにsFlowTrendがsFlowを受信するのに使用するIPアドレスやUDPポートなどのsFlowを送信する設定を行うことができます。スイッチ上のひとつ以上のインターフェースで有効化し、サンプリング・レートやカウンター・ポーリング・インターバルを設定します。また、SNMPのREAD権限を持つコミュニティ名を設定する必要があります。これにより、スイッチのシステム名やインターフェース名をスイッチから取得します。

一般的な、sFlow設定を行うためのCLI設定の例は、以下を参照ください。この設定では、sFlowTrendは、IPアドレスが 10.1.2.5 を持つシステム上で動作し、sFlowデータの受信は、UDPポート 6343 で受信します。また、対象のsFlowエージェントは、10.10.10.1のIPアドレスを持つスイッチ上で動作しています。

多くのスイッチは、現在のsFlow設定を表示し、データをエクスポートできているかを示すための以下のコマンドをサポートしています。;

      show sflow

詳細は、スイッチのドキュメンテーションを参照ください。

アルカテル・ルーセント OmniSwitch
-> ip interface loopback0 10.10.10.1
-> sflow receiver 1 name sFlowTrend address 10.1.2.5 udp-port 6343
-> sflow sampler 1 1/1-24 receiver 1 rate 128
-> sflow poller 1 1/1-24 receiver 1 interval 30
[Note] Note

OmniSwitcheは、SNMPを使用したsFlowの設定もサポートしています。

エクストリーム・ネットワークス
enable sflow
configure sflow-agent 10.10.10.1
configure sflow-collector 10.1.2.5 port 6343
configure sflow sample-rate 128
configure sflow poll-interval 30
configure sflow backoff-threshold 50
enable sflow backoff-threshold
enable sflow ports all        
           
Force10 Networks
Force10(conf)# sflow enable
Force10(conf)# sflow collector 10.1.2.5 agent-addr 10.10.10.1 6343
Force10(conf)# sflow sample-rate 128
Force10(conf)# sflow polling-interval 30
            
Foundry Networks
config> int e 1/1 to 4/48 
interface> sflow forwarding 
config> sflow destination 10.1.2.5 6343
config> sflow sample 128 
config> sflow polling-interval 30 
config> sflow enable
            
HP ProCurve Networking

sFlowをサポートしているすべてのProCurveスイッチ(9300/9400シリーズを除く)は、SNMPを使用したsFlow設定が可能です。さらに、ProCurve 3500/5400 シリーズ スイッチでは、CLIを使用したsFlow設定も可能です。

(config)# sflow 1 destination 10.1.2.5 6343
(config)# sflow 1 sampling ethernet A1-A24 128
(config)# sflow 1 polling ethernet A1-A24 30
            
[Note] Note

ProCurve 9300/9400 スイッチは、Foundryスイッチと同じ文法を使用し設定を行います。その他の全てのProCurveスイッチはSNMPを使用したsFlow設定が可能です。:


推奨サンプリング・レートの提案

以下のテーブルは、異なるインタフェーススピードとトラフィックレベルに対してのサンプリングレートの推奨値を提供します。

推奨サンプリング・レート

  トラフィック・レベル
ifSpeed Low Medium High
10Mb/s 64 128 256
100Mb/s 128 256 512
1Gb/s 256 512 1024
10Gb/s 512 1024 2048

Low, Medium, High はそれぞれ以下のトラフィックレベルを想定しています。;

Low
一般的なオフィス環境
Medium
典型的にファイルサーバーやWEBアクセスが複合して使用される環境
High
集約されたコンピューティング環境、大きなIPSバックボーン/ホスティング