製品トピック
「HV256 300V出力可能な32チャネル高電圧アンプアレイ」の紹介
2019/04/25
HV256は、マイクロチップ社の高電圧ドライバファミリの一つで、4.096Vを入力すると最大295Vの出力を出すことができるアンプが32チャネル実装されたドライバアンプICです。実際の用途としては次のようなところで使われています。
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プリンタなどのヘッド用MEMSドライバ、ピエゾ駆動用ドライバ、3Dプリンタ用ヘッダドライバ
超音波用ピエゾ素子ドライバ、光スイッチ用MEMSドライバ -
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内部の構成は図-1のようになっていて、ゲインが72倍固定のDCアンプが32個実装されています。このICに下記3種類の電源を加えればそれぞれアンプとして動作します。
VPP:125V~300V
VDD:6.0V~7.5V
VNN:-4.5V~-6.5Vこれら電源のオンオフには順序が必要で、次のようにする必要があります。
オンにする場合
VPP→VNN→VDD→入力 または
VNN→VDD→VPP→入力オフにする場合
入力→VPP→VDD→VNN または
入力→VDD→VNN→VPP
出力の最大駆動電流は外付けの抵抗で制限できるようになっていて、RSOURCEとRSINKピンに接続する抵抗Rで次のようにソース電流とシンク電流を制限できます。
電流(μA)= 12.5÷R(kΩ) 設定可能最大電流値:550μA Typ R:25kΩ~250kΩ
このICに出力特性は次のようになっていて、大容量負荷に対しても十分高速な応答ができます。
最大負荷容量:3000pF
無負荷時 立上りスルーレート:2.2V/μs 立下りスルーレート:2V/μs
-3dBのバンド幅:4kHz @300Vさらに、チップ内部の温度測定用のダイオードも用意されていますので、外部からICの温度を監視することもできます。
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このICの評価用に図-2のような評価ボードが用意されています。100ピンのMQFPパッケージで実装されており、これで300Vの電源を加えることで最大295V 500μAの出力を試すことができます。回路中のD1とD2のダイオードは電源オンオフシーケンスが異常な場合の保護用で、D1は高耐圧ダイオード、D2はショットキーダイオードを使う必要があります。