製品トピック
「MCP37xx1-200 200Mspsの高速A/Dコンバータ」の紹介
2019/04/26
MCP37xx1はマイクロチップ社の200Mspsという高速サンプリングが可能なA/Dコンバータです。
このファミリは次のような2つのファミリに分かれています。
-
MCP372x1 :
A/Dコンバータのみの構成
MCP37Dx1 :
xは1=12bit 2=14bit 3=16bitの分解能となっています。A/Dコンバータにデジタルシグナル前処理機能が追加されたもので、xは分解能です。
-
このA/Dコンバータは次のような特徴を持っています。
- 高速A/D変換 : 200Msps 複数チャネルの場合チャネル当たりのA/D変換は200/チャネル数
- 低ノイズ : SNR=74.7dBFS @200Msps
- 低消費電力 : 490mW @200Msps(LVDSの場合) 144mW @Standby 28mW @Shutdown
- 2電源で動作 : デジタル部=1.2V、1.8V アナログ部=1.2V、1.8V
- 入力部帯域 : 入力チャネル帯域=500MHz
-
デジタル処理:
SNR改良用デシメーションフィルタ
チャネル切替の時間差補正用Fractional Delay Recovery(FDR)
チャネルごとの位相、オフセット、ゲインの補正
I/Q出力用のディジタルダウンコンバート
連続ビームフォーム形成
これらの高速A/Dコンバータは実際の用途としては次のようなところで使われます。
- 通信機器 3G/4G用の通信基地局やレーダー用のSDR(Software Defined Radio)
- 医療用などの超音波画像診断
- スキャナやデータロガーなどの高速アナログデータ入力
- LSIテスタなどの計測器
- 画像処理装置
-
MCP37D31の内部構成は図-1のようになっています。8チャネルの入力マルチプレクサの後に、パイプライン式の高速A/Dコンバータが接続されていて、その後段にデジタル処理を行うブロックがあって、通常後段に接続されるDSPが行う処理の一部を前処理として実行します。これによりDSPに要求される性能が緩和され、より安価なDSPを採用できるようになります。
後段への接続にはLVDSを使うことができますので、高速通信で転送することができます。
-
【応用例1 SDRの例】
(1) 従来の構成: I/Q変換とその後の処理はアナログ回路やDSPで行う
(2) MCP37Dx1を使った場合: I/Q変換、復調処理までA/Dコンバータで行うことができる
【応用例2 超音波診断用ビーム生成の例】
(1) 従来方式: チャネルごとにA/D変換しI/Q変換してから合成して生成する
(2) MCP37Dx1を使った場合 :チャネル切替によるA/D変換により後段を1系統で構成できる/p>