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date_range2021年2月24日

社会変革期において急拡大するデジタル化を「テスト自動化」が時間短縮と品質担保の面から支える

技術本部 RPA・DS技術部 加藤剛宏
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向け、いかにデジタル製品のリリースサイクルを短縮し、顧客や市場ニーズに合わせてタイムリーに提供するか――。そのカギを握るのが、ソフトウェア開発におけるテストの自動化です。様々な自動化ツールが提供される中、AI(人工知能)を活用して、テストシナリオの作成、実行を自動化し、テスト時間の短縮と人為的なミスを防ぐソリューションが注目されています。ソフトウェア開発のテスト自動化について、昨今の動向を技術本部 RPA・DS技術部の加藤剛宏が解説します。

デジタル製品の不具合が“経営リスク”に

デジタル技術を活用して、社会やビジネスを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)。その原動力となるのが、最先端のIT技術を駆使したデジタル製品・サービスです。人々の生活や仕事を便利にするモバイルツールやWebアプリケーションをはじめ、通信や医療、流通小売、教育、製造など、多くの分野で新たなデジタル製品が開発、提供されています。

デジタルが生活に浸透するDX時代が本格化する中、市場ニーズに合わせたタイムリーな製品リリースに加え、従来にも増してデジタル製品の品質が問われるようになります。リリースを急ぐあまり、ソフトウェアのテストを十分に行わないまま市場に投入し、製品に不具合が見つかるような事態が起これば提供企業の信用問題につながリ経営リスクになる可能性もあります。

デジタル製品は、アプリケーションの操作性、使い勝手に問題があれば、そのネガティブな評判がSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などを通じて拡散する時代です。逆に使い勝手のよい便利なアプリケーションであれば、その評価がオンラインも含めて口コミで広がり、多くの人にアプリケーションが利用されるなど、デジタル製品を起点にビジネスの好循環が生まれるでしょう。

開発現場に求められるソフトウェアのテスト自動化

高品質なデジタル製品をいち早く市場に提供するため、アジャイル開発などスピーディーな開発手法が広がる一方、開発の現場ではソフトウェアの品質を担保するためのテストが大きな課題になっています。いくら開発プロセスばかり効率化、短縮できても、テストに多くの時間がかかるようでは、タイムリーな提供は望めません。

開発と運用を一体化する「DevOps(デブオプス)」の中にテスト工程を組み込み、ソフトウェアのバグなどを早期に発見、修正することで、リリースまでの時間を短縮するなど、ソフトウェアの開発とテストの両プロセスで自動化する仕組みが求められています。

Code Dxはアプリケーション・セキュリティ、脆弱性管理の統合プラットフォームとして、複数のセキュリティテストツールの結果を一元管理します。一定のルールにより、結果の整理・統合や対策の優先度付けを自動的に実行可能です。従来は労働集約的な作業でしたが、Code Dxを利用することにより大幅な省力化や時間短縮が可能なのです。

一方、ソフトウェア開発における「テスト自動化」の必要性は感じているものの、導入に二の足を踏む開発部門は少なくありません。その理由として、「自動化のためのテストシナリオの作成やメンテナンスが大変」「導入後の工数削減や費用対効果が不明」「従来の人手によるテストを変更する不安」などが挙げられます。

現在、ソフトウェア開発に関する様々なテスト自動化ツールが提供されていますが、テスト対象のアプリケーションに変更が加えられた場合にスクリプトを変更しないとテストができないなど、スクリプト作成とメンテナンスにかかわる問題も指摘されています。

AI技術を活用してテストケースを自動で作成・実行

こうしたソフトウェア開発において、テスト自動化ツールの課題を解消するのが、ソフトウェアのテスト自動化プラットフォームプロバイダーである英エッグプラント社の「Eggplant(エッグプラント)」です。世界30カ国への販売実績と600社を超える企業や団体への導入実績があり、当社では2015年に国内販売代理店契約を締結。DX実践に向けてソフトウェア開発におけるテストの重要性が増す中で、Eggplantの優位性が改めて注目されています。

このツールの特徴は、AIを用いたアナリティクス技術により、最適なテストケースの自動作成と自動実行が行える点です。例えば、バグが潜んでいそうな箇所に対して集中的なテストを行う「バグハンティング」、網羅的なテストを推進する「カバレッジ解析」といった機能があります。早期により多くのバグを発見するなど、ソフトウェアの品質担保とスピーディーなリリースの両立が可能です。

幅広い分野で採用されるテスト自動化ツール「Eggplant」

Eggplantは、テスト対象端末とテストコントローラを分離する独自の2システム・モデルと高精度の画像認識技術により、マルチOS/デバイス/ブラウザといったマルチプラットフォーム環境でのテスト自動化が可能です。GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)の画面上でテストの操作手順を記録し、テストスクリプトを自動的に生成するといった、テスト自動化エンジニアやテスト担当者がツールの習得やメンテナンス時のスクリプト修正を容易に行えるさまざまな機能も提供されています。

実際にEggplantは、様々な開発現場で導入されています。ある大手医療機器メーカーでは、画像認識技術をベースに組み込みソフトウェアのテストを自動化し、テスト工数の大幅な削減とテストの品質向上、効率化に役立てています。また、Webやモバイルといったマルチプラットフォーム環境で、動画アプリケーションのテスト自動化に利用するITサービス事業者など、幅広い分野で採用が進んでいます。

ソフトウェア開発のテスト自動化ではツールの優位性だけでなく、継続的に活用するためのサポート体制も重要です。ソフトウェア開発向けのソースコード静的解析ツールの技術支援などで長年培ってきたノウハウも生かし、きめ細かなサポートで企業のソフトウェア開発のテスト自動化とDX推進を支援していきます。

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