自律走行型搬送ロボット:EffiBOT フレキシブルに使える搬送ロボット

搬送ロボットを利用する利点は、一定の速さで決められた位置に正確に製品を搬送でき、疲れないことです。そのため、効率よく計画的に24時間稼働も可能です。さまざまな課題に役立つ搬送ロボット:「EffiBOT」をご紹介いたします。
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自律走行型の搬送ロボット:EffiBOT

搬送ロボットは様々な用途に使う産業用ロボットの一つであり、その中でもルートや目的地変更が自由自在な自律走行型の搬送ロボットが「EffiBOT」です。EffiBOTはEffidence社の自律走行型搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)です。Effidence社はフランスを拠点に10年以上にわたって自律走行型搬送ロボットの開発・製造を行うメーカーとして実績をもっています。物流倉庫、工場の生産ライン/部品供給、建設中の建物のフロア内資材搬送の現場に導入されています。

EffiBOTの9つの特長

EffiBOTには次のような9つの特長があります。

  1. 床面の段差に適応できる走行性能
  2. ガイドテープなどのメンテナンス不要
  3. 行先追加・ルート変更などを自由自在に設定可能
  4. 専用通路の必要がなく様々な施設に導入可能
  5. 前後どちら側からも操作できるリバーシブル設計
  6. Uターン不要で前後どちらへも走行できる
  7. 直感的な操作で誰でも簡単にフレキシブルに使い分けられる
  8. 高めの荷台(55cm)でオペレーターの負担を軽減
  9. 最大積載重量300kg・最大牽引重量500kg

床面の段差に適応できる走行性能

4WDタイプのEffiBOTは約40cmのタイヤで床面の段差や溝を乗り越え、最大傾斜5%でも登れる登板能力があります。段差やスロープの多い施設だけでなく、晴天時には建屋間の搬送業務も可能です。(公道では走行不可です。雨天時の使用については保証しておりません。オプションで防塵・防水性能をIP54相当にできます。)EffiBOTはアンフラットな環境で、長距離&重量物搬送をフレキシブルにこなせる搬送ロボットです。

ガイドテープなどのメンテナンス不要

EffiBOTはマップデータと360°センサ検知に基づいて自律走行するため、ガイドテープ不要です。そのため、ルート変更の度に発生する工事や費用も必要ありません。そもそもガイドテープが施工できない地面や、アンフラットな床環境でも運用可能です。360°センサで施設内の状況を把握し、必要に応じてブレーキを制御して減速。最高時速6kmの範囲で安全に走行します。床に磁気テープやQRコードなどは不要ですが、位置情報の精度を高めるために、環境として変わらない柱や壁に反射テープを一定間隔で貼ることを推奨しています。一度貼れば基本的にはメンテナンス不要です。

行先追加・ルート変更などを自由自在に設定可能

専用地図管理ソフト”MapEditor”を使うことで、PC上でユーザー自身が自律走行の設定を自由自在に設定/変更できます。設定内容は簡単にEffiBOTへ反映できる為、テストや修正もでき最適な自律搬送の構築を内製化できます。オプションのタッチスクリーンを搭載すれば、登録した登録地点リストから行先や順番を任意に指定できる為、その場に応じた臨機応変な搬送指示が出せます。AMRを侵入させたくないエリアには「進入禁止」などの情報を入力しておけば問題ありません。

専用通路の必要がなく様々な施設に導入可能

従来のAGVでは、ルート上に障害物があると回避できずに停止してしまっていました。しかし「次世代AGV」ともいわれるAMR:EffiBOTは、障害物や人も回避できるため専用通路の必要がなく、物流・工場など様々な施設に導入可能です。ただし、本体サイズが大きめのため、狭い通路での運用には適していません。

前後どちら側からも操作できるリバーシブル設計

前後どちら側からも操作できるリバーシブル設計のため、オペレーターが操作のためにわざわざ回り込む必要がなく、操作性に優れています。EffiBOTは自動で障害物や人を回避できますが、万が一のための非常停止ボタンも荷台の四隅の押しやすい高さに備えています。

前後どちらへも走行できてUターン不要

Uターンできる通路を確保するためには、広いスペースを確保しなければなりません。しかし、EffiBOTは走行方向を前後どちらにも切り替えできるため、Uターンせずにスムーズに行きたい方向へ向かえます。

直感的な操作で誰でも簡単にフレキシブルに使い分けられる

EffiBOTの「Follow-me モード」「Precede-me モード」は直感的に操作できるため、海外労働者や高齢者、女性の方など、誰でも簡単に使いこなせて特別なトレーニングは不要です。「Follow-meモード」を利用すると、特に何も設定しなくても障害物を避けながらオペレーターに付いて来てくれます。ハンズフリー走行のため、オペレーターは次の工程のチェックを行ったり、必要な場合には別途台車を押して一度に運べる荷物を増やしたりできるでしょう。無人搬送を行う自律走行モードと、人と協働する協働走行モードをワンタッチでフレキシブルに使い分け、現場に最適な運用方法を選択できます。

”MapEditor”の自律走行設定をEffiBOTへ転送し即時反映
障害物を回避しながら自律追従する「Follow-me モード」
後方から操作する「Precede-me モード」

高めの荷台(55cm)でオペレーターの負担を軽減

EffiBOTの荷台の高さは55cmと高めで、積み下ろしの際にオペレーターがかがむ必要がなく、腰にかかる負担を軽減します。

最大積載重量300kg・最大牽引重量500kg

4輪駆動タイプは傾斜角度6度の登坂能力があり、一度に最大300kgまでの重量物を載せ、最大500kg牽引できます。また、荷台も1200mm × 600mmと広いため荷物を積みやすく、ピッキング作業をスムーズに行って作業効率が上がるため省人化に貢献します。さらに、ユーザー自身で業務に適したカスタムラックを取り付け可能です。

EfiiBOTのオプション

もし既に倉庫や工場に導入しているWMS*が、一筆書きの最短経路でピッキングの順番を算出してリストを作成するようになっていれば、EffiBOT専用運行管理システム”Fleet Coordinator System”の導入がおすすめです。ピッキングリストに応じて自律走行ができるからです。

*Warehouse Management Systemの略(ピッキングリストを作成する上流システム)

※EffiBOT専用運行管理システム”Fleet Coordinator System”のご利用には、Wi-Fi環境が必須です。システム構築の期間や費用については別途ご相談ください。

EffiBOT専用運行管理システム:「Fleet Coordinator System」

EffiBOT専用の運行管理システム:「Fleet Coordinator System」は、入庫・出庫・在庫などをデジタル管理するWMS との連携や複数台のEffiBOTのステータス把握、運行管理できます。

事前にマップ上の各棚とピッキング場所を設定しておく必要がありますが、ピッキングリストに基づいてEffiBOTが順次棚まで移動するため、毎回オペレーターが棚の場所を確認する手間が省けます。また、自動ドア等の設備との連携も可能です。

指定されたエリア担当としてピッキングポイントに待機しておく運用方法もありますが、EffiBOTに付いて行けば探さなくてもピッキングポイントに辿り着けるため、担当者ごとの知見や経験値の差によらず、スムーズに業務を進められるのです。

その他のオプション

  • タッチスクリーン
  • C型トレーラー
  • 牽引治具アタッチメント
  • 予備バッテリー
  • IP54

Effidence社について

EffiBOTはフランスを拠点に事業を展開し、フランスに本社があるルノーやAIRBUS、フランス郵政公社、ドイツのBMW、Volkswagenなどに導入されています。

会社所在地: 23 rue de la Roseraie 63540 Romagnat /FRANCE
公式ホームページ:EFFIDENCE : Robotics solutions designer for logistics

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