筆者が実際に見たり、開発担当者と話をして感じたのでは、特にアームロボットを使ったRC3Dについて、単に3次元的に自由な方向で積層出来るということだけではなく、もっと大きな可能性があるということです。
それは、既にStratasysでも考え、実験が始まっています。まずは樹脂材料について。既に樹脂にガラスやカーボンなどの繊維を混ぜ、射出成形や押出成形して強度、剛性、耐熱性などを高め、従来金属の部品を樹脂化して、軽量化した例は多くありますが、作り方の理由により、繊維が整列してしまい、またその方向をコントロールすることが出来なかったり、入れられる繊維の長さや量にも制限があったりしました。しかしRC3Dを使うことで、繊維を長くできたり、繊維の向きを予め「設計」出来、樹脂効果収縮による変形を抑え、繊維の強度を必要な個所と方向に利用できることで、より機能と軽さを高めた部品ができる可能性があります。
次に、アームロボットは、先端にいろいろなツールを自動で付け替えることができるので、もっと高速多量に樹脂を押し出せるツールや、積層したモノに後から穴をあけたり、表面を滑らかに削ったりするツール、塗装したりするツール、作ったモノの寸法や形状を検査したり測ったりするツールを付け替えれば、1台のロボットで様々なモノづくりが出来、更にロボットをリニアレールに乗せて動かす、複数のロボットを協働させれば、もっと大きなもの、複雑なものができることは、みなさんも想像できるのではないでしょうか?