製造ソリューション事業本部

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DDM(ダイレクトデジタルマニュファクチャリング)で小型ロケットが空へ飛ぶ?掲載日:2017/10/03

3Dプリンティングに携わる仕事の中で出会う、様々な3Dプリンティングの「?」や「!」ついてお伝えするコラムです。

本コラムでも何度かDDMについてお伝えしてきました。DDMとは3Dプリンティングにより実使用部品、実製品を直接製造することですが、先日全く新しく、また今後広がる可能性を秘めた夢のあるDDM事例に出会いました。それは…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

3Dプリンティングは宇宙開発の強力な「推進力」

これまでは人工衛星は国の専門機関が高額な費用をかけて開発、大型のロケットで打ち上げるというのが「あたりまえ」でしたが、様々な技術革新により、手で持てるような小さな人工衛星「マイクロサット」を小さなロケットで民間企業が打ち上げることで、様々な宇宙利用ビジネス、サービスが産まれる可能性が見いだされ、最近ニュースでも民間企業の小型ロケット発射実験が北海道で行われたことが報道され話題にもなりました。

弊社のホームページでも、2014年にマイクロサットの開発に3Dプリンターを活用いただいている次世代宇宙システム技術研究組合様の事例を公開しており、こちらをご覧下さい。

このように、宇宙で使う機器開発に必要な試作に3Dプリンティングが重要な役割を果たしていますが、最近では実際に宇宙に打ち上げられる衛星の部品をDDMで作られたStratasys社が公開した事例もこちらにあります。

このような事例は世界的に数多く公開されていますが、弊社から3Dプリンターを導入され、長くお使いいただいている神奈川大学の高野准教授から、これまでと違う「DDM」の使い方をされていることを最近伺いました。

 

 

ロケット燃料を3Dプリンティングで作り「本当の推進力」に!

ロケット打ち上げの瞬間(神奈川大学 高野准教授ご提供)

先日9月25日に神奈川大学ホームページのお知らせに、下記の記事が掲載されましたので、URLと一部文書を以下に引用致します。

http://www.kanagawa-u.ac.jp/news/details_15680.html

「本学工学部機械工学科 髙野 敦 准教授を中心にハイブリッドロケットの開発・製作に取り組んでいる航空宇宙構造研究室と、3年生以下の有志からなる宇宙ロケット部(学内研究プロジェクト)が、2017年9月3日(日)に伊豆大島で打ち上げ実験を行いました。

今回は、新規開発の「3Dプリンタによる複雑形状燃料搭載・カーボン繊維強化軽量ハイブリッドロケットエンジン」を搭載し、高度6,000mを目指し、打ち上げ実験を行いました。結果、2機の打ち上げに成功、機体の一部を回収しました。さらに無線によるフライトデータの取得に成功し、その詳細な解析の結果、昨年の記録を2倍以上更新し、高度は4,779mに到達しました。」(引用終)

この実験の少し前に筆者が高野准教授の研究室をお邪魔した際に、このロケットの燃料はStratasys社FDMプリンター「uPrintSE」によりABS樹脂で作られると伺いました。筆者もこのような使い方は初めてで、大変興味深いお話を伺いました。詳細は機密保持の点からここでは省きますが、FDM方式の利点を理解され、活かされた素晴らしい使い方でした。それ以外にもロケット先端のノーズコーン、上空で機体を分離する機構部品などもABS樹脂で作られたそうです。

ただ、発射実験まで日数がなかったこともあり、弊社の方である支援をさせていただくことにし、結果として上記のような素晴らしい成果を得られたので、筆者も大変うれしく思っております。

高野准教授のご配慮により、ロケット胴体には弊社ロゴも貼っていただきました。

高野研究室では研究を続けられる計画で、DDMによる燃料や機体部品がロケットに使われ、宇宙空間に超小型衛星を運ぶ日が来るのを、筆者も楽しみにしています。

ロケット胴体部(神奈川大学 高野准教授ご提供)

Stratasys 3DPrinting Forum内で高野准教授の事例紹介講演があります!

今年で4回目になる、Stratasys社主催 「3D Printing Forum」講演展示会が下記のとおり開催されます。今回は既にストラタシス製品をご活用いただいているユーザーの皆様への特別なイベントとなります。

2017年10月17日(火) 9:30~18:00

会場:紀尾井カンファレンス(東京都千代田区紀尾井町1-4 東京ガーデンテラス紀尾井町「紀尾井タワー4階」)

ご参加申し込みホームページ
http://www.marubeni-sys.com/event/2017/event20171017/

Stratasys社からの様々な最新情報や技術情報、国内外ユーザー事例が紹介されます。弊社丸紅情報システムズ株式会社も協賛として参加し、筆者も最新事例紹介の講演を行いますが、その中で神奈川大学 高野准教授にも上記のロケット研究開発の詳細をご講演いただけることになりました!

ご興味のある方は是非ご参加いただけたら幸いです。

10月4日~6日 DMS関西にも出展致します。

丸紅情報システムズは、「第20回 関西 設計・製造ソリューション展(DMS関西)」へ出展いたします。
本展は、製造業向けのITソリューションが一堂に会する専門展です。

当社ブースでは、製造業向けの3Dソリューションといたしまして、3Dプリンター(Stratasys社)、3Dスキャナ(GOM社)、ハイエンドCAD/CAMシステム(Tebis社)、NCデータ最適化システム(NCB社)、といった多彩な製品をご紹介いたします。各実機のデモンストレーションに加え、ものづくり分野での各製品活用事例もご紹介いたします。

筆者も3日間ブースにいる予定ですので、皆様のご来場をお待ちしております。

2017年10月04日(水) ~ 2017年10月06日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)

会場=インテックス大阪
小間番号:3-32(2号館)

イベント公式サイトはこちら: http://www.dms-kansai.jp/

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