製造ソリューション事業本部

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アメリカ AMUGから戻りました!掲載日:2019/04/12

先回ご紹介したAMUGカンファレンスからおかげさまで無事戻りました。今回はその続きで、全体として学んだこと、またStratasys、DesktopMetalについてお伝えします。

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

おかげさまで無事帰国しました

先回こちらでご紹介しました、アメリカでの3DプリンティングカンファレンスAMUGから帰国しました。行きの飛行機でマスクをしていたのに少しのどが痛くなり、外は寒く、会場内もホテルの部屋も空調で寒かったこともあり風邪気味が収まらず、帰りの飛行機でようやく回復するという、なんとも残念なパターンでしたが、東京に着いたらその日は暑いぐらいで、下の写真は出張前の会社隣の公園ですが、帰ってきても思っていた以上に桜が残っていたので、ホッとしました。

今回は先回の続きでAMUGの情報をお伝えします。

Stratasysは新製品F120の新発売を発表!

Stratasys社は毎年ダイヤモンドスポンサーとしてAMUGをサポートし、また大きなブースで展示、複数の講演や、実際に体験できるワークショップを提供しています。

今回はAMUG開始に合わせ、FDMプリンターの新製品「F120」の発売を発表し、実機を展示していました。

その後ストラタシスジャパン様からも日本での発売が発表になり、弊社からのお知らせはこちら、または製品紹介、動画はこちらをご覧ください。

日本でも多数のユーザーがお使いのF123シリーズをベースにしており、かつ吸湿を防ぐ密閉された専用カートリッジにより長時間材料交換無しで造形できることもあり、会場でも大きなモデルを問題なく造形していました。

サンプルも展示されており、多くの試作需要をカバーするサイズのモデルが造形できることが分かります。

また、こちらも日本でも既に使われているPolyJetフルカラープリンターJ750も、先回ご紹介したLAIKA社の活用事例と共に展示されていました。先日発表されましたが、J750は、世界的に使われているカラースタンダード「Pantone®」の認証を3Dプリンターとして初めて取得し、その色番号でプリント色を定義できるなど、よりプロの需要に応えられるようになりました。それらの説明講演などもありました。

DesktopMetalはアメリカでの活用事例を多数公表

日本でも近日発売予定の金属3Dプリンター DesktopMetal社のStudio System+について、北米での先行ユーザーの活用事例とサンプルがブースで展示されていました。

まず多くの方の目を引いていたのは、既にDesktopMetal社ウエブサイトのこちらで公開されていた、アメリカ大手ゴルフクラブメーカーがパターヘッドやアイアンヘッドの開発に活用した事例があり、そのクラブの展示だけでなく、実際にボールを打つことが出来ました。筆者も実際に打たせてもらいました。感覚は市販品と変わらない感じでした。この後ボールはちゃんとカップに入りました(ホントに)。

 

その他発売済み金属材料 ステンレス17-4PH(SUS630)とSUS316L、その他開発中4種材料の活用事例サンプルが展示されていました。

光沢のあるものは当然機械加工や研磨処理がされていますが、ロボットグリッパー、エアピストン、医療用指間接固定具、ギア、タービンなど参考になる用途が多く見られました。

AMUGを通して見えた3Dプリンティングの将来は?

筆者が毎年AMUGに行き続けている理由の一つは、他の展示会やイベントと違い、参加者の多くの方々と知り合い、ネットワークが作れることと、その方々から直接生の声を伺うことが出来ることと、講演が一方的でなく、競合各社によるパネルディスカッションや質疑応答の場が多く、正にユーザー目線の内容が多いことです。

今回特に講演の中で多く聞かれたのは「協働、共同」でした。例えばアメリカ陸海空と海兵隊4軍にはそれぞれ複数の3Dプリンティング活用研究専門部署や施設があり、それらの多くは、民間企業や学術組織と連携して決められたロードマップに従い活用研究を進めており、それでも更に協働が必要とのことでした。また基調講演で引用された「夢は一人で見れば夢だが、大勢で同じ夢を見れば現実(リアリティ)になる」という言葉も印象に残りました。

もう一つ今回感じたことは、もうすでに北米では3Dプリンターの前後の工程、つまり前工程である3次元データの変換、編集、見積もり、後工程であるサポート除去、仕上げ、品質管理、履歴管理や工程の見える化と改善のための分析などを省人化、自動化、効率化するニーズが高まり、それを解決する装置、ソフトウエア製品が多数開発販売され、それぞれが成長していることでした。

つまり3Dプリンティング産業全体が北米ではまだ堅調に成長し、競合があっても需要の拡大の方が大きいのでそれぞれが利益を得て、優秀な人材も集まり、更に拡大へのエネルギーになる好循環が回っていると見ています。日本でも最近やわらか3D共創コンソーシアム3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想のような産学官共同で3Dプリンティングの活用を研究実践する取り組みが各所で増えてきましたので、北米の状況に少しずつ近づいていくのではないかと思います。

今後も引き続き3Dプリンティングの先行地域の活用情報や製品情報を集め、日本の皆さんに「まず知っていただいて、使っていただく」ことに努めていきたいと思います。

筆者は4月17日から19日まで開催の名古屋 設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)の丸紅情報システムズブースにいる予定ですので、ご来場の際はお立ち寄りください。

ポートメッセ名古屋 第1展示館  小間番号:16-60

また同じ3日間に東京ビッグサイトで開催されるインターモールド展示会でも A-212 弊社ブースにてDesktopMetal Studio System+を中心にご紹介しておりますので、こちらにもぜひお越しください。

 

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