丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。
今年も早いものでもう5か月が過ぎ、その間ようやく会場展示会の開催も増えてきました。コロナ禍前まで毎回見に行っていた展示会のひとつ「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」も5月26日から3日間会場とオンライン両方で開催され、筆者も久しぶりに見に行きました。
会場は全体的に以前と同じくらい多くの来場者が来られていたようでした。弊社丸紅情報システムズ株式会社は3Dスキャナーを含む計測ソリューションをブースで展示しました。
各社ブースでは既に市販されている自動車に採用されている技術や部品の他に、これからの技術、部品、材料の展示もあり、自動車部品のニーズや作り方の変化を垣間見ることが出来ます。言うまでも無くみなさんご存じの自動車のCASE化へ対応する技術や部品は当然、それに加えて「安全」「環境・資源保護」に関するものも増えています。
それに伴い、運転に必要な情報はますますデジタル化され、インストルメントパネルも下記の写真のようなものが標準になっていくと思われます。
また、電池による車両重量増への対策と新しいデザインの実現、モジュール化のニーズから、従来の鋼板からバックドアやフェンダーパネルが樹脂大型成形品に、フレームがアルミ大型鋳造品に変わる例が見られ、それに伴い部品製造だけでなく、組み立て、遡って設計や試作のニーズや作り方も変わってくること変わると感じました。
前述の展示会のサブタイトルが「世界を変える挑戦を見に行こう。」でしたが、海外でも様々な挑戦、特に3Dプリンティングに関するニュースが最近いくつかありました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、5月24日付でドイツ BMWグループが金属AM部品製造全自動化システムを開発したことを公表しました。これはBMBF(ドイツ連邦教育・研究省)の資金支援とBMWグループにより3年前に設立された、AMによる自動車部品製造実現を目指す大中小企業と研究機関(フラウンホーファーなど)によるコンソーシアムのメンバー12社によるプロジェクトIDAM の成果で、システムはBMWグループのAdditive Manufacturing Campus(オーバーシュライスハイム)とGKN Powder Metallurgy(ボン)にて開発、運用されるそうです。専用開発のレーザーPBF方式プリンターの粉末供給から造形、ベースプレートからのコンターによる分離、装置移動がAGVで自動化され、生産能力の拡大、装置の更新は装置ユニットの増加や更新でフレキシブルな工場を実現するそうです。
またアメリカ Stratasys社からは2つのニュースが配信されました。
5月31日 「StratasysとNASCARがNASCAR Next Genレースカーに初の3Dプリンティング製造部品提供のために提携」https://investors.stratasys.com/news-events/press-releases/detail/784/stratasys-and-nascar-collaborate-to-bring-first-3d-printed
6月1日 「Toyota Racing Developmentが公式3DプリンティングパートナーとしてStratasysと提携」
https://investors.stratasys.com/news-events/press-releases/detail/785/stratasys-named-official-3d-printing-partner-of-toyota
どちらもレースの話題で、これまでも四輪でも二輪でも試作から実用部品、工具などに3Dプリンティングが活用されてきたことはよく知られ、珍しくもないのですが、ポイントは実用部品量産に適した新技術SAFを採用したStratasys H350が使われること、また材料が植物由来原料ナイロン11であることです。NASCARの部品例はフロントウインドのエアダクトとのことで、実物とは違いますが下のイメージのようなものだと思います。
レースの世界でも「環境・資源保護」「マスカスタマイズ」のニーズに対し新しい作り方への変化が起き始めていて、過去の歴史から見てもレースから市販車へ新しい技術や作り方が移っていくことはあり、今後も注目していくべき流れだと思います。
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