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アメリカ展示会で知る3Dプリンティングの進化は?掲載日:2022/05/25

5月17日~19日に3Dプリンティングの北米最大の展示と講演イベント「RAPID + TCT 2022」がアメリカ デトロイトで開催されました。現地には行けませんでしたが、多くの海外ニュースがオンラインで配信され、3Dプリンティングの進化を垣間見ることが出来ましたが、それは...

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

RAPID + TCT 2022で知る3Dプリンティングの進化

5月も中旬となり、街にも人がだいぶ戻ってきたようです。先回のコラムでお知らせしたとおり筆者も久しぶりに大阪で開催された展示会「関西 メタル ジャパン(高機能 金属展)」に参加してきました。多くの方にご来場いただき直接話を伺えましたが、印象的だったのは自動車電動化やエネルギーと環境など、大きな変化に対し新しい製品開発に取り組まれ、そこに3Dプリンティングを活用できないかと検討されている方が複数いらっしゃったことでした。

その翌週の5月17日~19日に、3Dプリンティングの北米最大の展示と講演イベント「RAPID + TCT 2022」がアメリカ デトロイトで開催されました。現地には行けませんでしたが、多くの海外ニュースがオンラインで配信され、3Dプリンティングの進化を垣間見ることが出来ました。筆者も2017年に参加したことがありますが、ようやく通常の時期に戻って開催されたようで、規模も雰囲気もコロナ禍前に戻ったという感想も見られました。

ホームページ
https://www.rapid3devent.com/

3Dプリンターだけでなく、ソフトウエア、材料、後加工、3Dスキャナーの5つのカテゴリーで、130以上の講演、400以上のブース展示があったそうです。これまでもこのイベントで新製品を発表する企業がたくさんあり、今回も例外ではなかったようです。ここでは詳しく書けませんが、3Dプリンターは出来るものの大きさとして数マイクロメートルから数メートルのレンジまで、材料は樹脂、金属、セラミック含む様々な新製品があり、植物由来原料の樹脂材料や従来よりエネルギーや廃棄物が少なくなる金属粉末が出来る装置など、こちらでも社会の変化を反映したものもありました。それらを含め、これまでの延長線上での進化と、フィルムを使った紫外線硬化樹脂による積層など、これまでには無かった仕組みや使い方の進化が見られました。

布地に立体物を直接プリント?

それらの進化のひとつの例として、Stratasysが新しい3Dプリンターを発表しました。

J850™ TechStyle™
https://3dprintedart.stratasys.com/techstyle-printer

これは既存のPolyJetフルカラープリンターで、織布などに直接透明、不透明、硬質、軟質を掛け合わせたフルカラーの立体物をプリントできるということです。現地でサンプルを撮影した動画があり、何が出来るかがわかります。

この仕組みと使い方はStratasysと海外のデザイナーとで数年前から実験的に研究されていて、筆者も2019年のformnext展示会で試作品を実際に見たことがありました。

写真ではわかりにくいですが、ネクタイや服の表面に立体の点で出来た模様がついていて、それらは見る角度で色が変わるというものでした。

詳細情報はこれから出てくると思いますが、この3Dプリント方法は、液体原料がインクジェットで布に吹き付けられることで繊維に染み込み、それを紫外線で硬化するので、接着ではなく機械的結合(メカニカルファスニング)ではがれにくいそうです。また単に布がプリントプレートに置けるだけでなく、材料や制御の独自技術も加えられています。これにより、これまでは表現できなかったデザインやカスタムメイドの服、靴、バッグなどアパレル産業にも3Dプリンティングの活用を広げるきっかけとなりそうですし、日本からも独自の使い方や製品が生まれることを期待したいと思います。

これ以外の情報も日本から参加された方々から含め、入手できる機会が様々あると思いますので、引き続き注目していただきたいと思います。

6月の次世代3Dプリンタ展に出展します

日本でも6月に展示会「次世代3Ⅾプリンタ展(通称 AM Japan)」が開催される予定で、弊社丸紅情報システムズ株式会社も出展予定です。こちらもようやくコロナ禍前の時期、場所で開催されます。講演、新製品新材料の展示も多数あると思いますので、ぜひ今からスケジュールに入れておいていただき、多くの方がご来場されるのをお待ちしています。

ホームページ
https://www.japan-mfg.jp/ja-jp/about/am.html
開催日時:2022年6月22日(水)~24日(金)10:00-18:00(24日は17:00まで)
開場:東京ビッグサイト

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