自動車はさまざまな部品から構成されているが、そのなかでも、
もっとも部品点数が多いといわれているのが、オートマチックトランスミッション(AT)、
すなわち自動変速機である。
全長60~70cm、直径30cmほどの大きさ。そこに約1000点もの部品がひしめき合い、
隙間らしい隙間はほとんどない。
そのATをつくっているのが、アイシン・エィ・ダブリュ(AW)だ。
「エンジンの開発は大変とよく言われますが、ATもそれに匹敵、
あるいはそれ以上に困難を要する部品だと思います」
要素技術部第2油圧制御グループの伊藤勝浩氏は、難易度の高いATの開発が抱える難しさを語る。
「2000年以前の開発期間は6年ほどでしたが、今は3年弱です──」
日々、猛烈な勢いで変革を続ける、アイシンAWの開発現場に入った。
