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産業機器分野 3Dプリンター活用事例

Thogus社


Thogus
CEO Matt Hlavin 氏

試作から自動機の開発、
治具づくりまで3Dプリンター-を活用

3Dプリンターの普及、拡大が進むアメリカでは、中堅企業が3Dプリンターをビジネスに活かしさらなる成長を図っていく事例が増えている。中堅成形メーカーのThogus社も3Dプリンターの活用により成功した企業の1つだ。同社の成形事業は、歴史と実績を誇っているが、この先の発展は難しい状況にあり、新たな活路を求めていた。3Dプリンターの導入により、試作から量産までの一貫体制の確立に加え、自動機開発の大幅なコスト削減、さまざまな治具による現場改革を実現。また自社で培った3Dプリンターのノウハウを活かし、コンサルティングや教育支援を行うなど新たな事業領域を開拓している。同社のサクセスストーリーは、日本企業のビジネスチャンス拡大へのヒントにもなる。

3Dプリンターにより試作段階からお客様にアプローチ

歴史と実績のある事業は一定の成長をなしとげているため次の展開が難しい。また新たな分野を開拓し事業の柱に育てあげていくのは簡単ではない。医療からエレクトロニクス、一般消費者向け製品まで幅広い分野でビジネスを展開するアメリカの中堅成形メーカー、Thogus社もまた次の一手を悩んでいた。
成形ビジネスだけではさらなる成長は期待できない。打開策を模索する中、3Dプリンターの導入がターニングポイントとなったが、当初の目的は試作づくりへの活用だった。従来、金型加工に要する時間とコストが課題となり、試作段階からの参入の妨げになっていた。3Dプリンターの導入により、試作から量産までの一貫体制の確立を図るという狙いがあったという。
「3Dプリンターなら、3次元CADデータから数時間かつ低コストで試作品をつくることができます。また、実際に部品を生産するときに使うプラスチックに近い材料で造形が行えるため、耐熱性や強度、動作状況など各種評価に使える試作品を提供できます」とThogus社の担当者は話す。
従来、同社の事業は設計が終了した後からスタートしたが、試作段階からお客様のプロジェクトに参加することでビジネスの幅が広がり、量産への道筋もより明確につけることが可能になった。しかし、3Dプリンターの活用によるサクセスストーリーはまだ始まったばかりだった。





自社工場内の自動機の開発コストをDDM活用で大幅に削減

同社は、これまで自社工場内の効率化やコスト削減への取り組みを実施してきたが、大きな成果にはつながらなかったという。しかし3Dプリンターで機能する部品や治工具をCADデータから直接生産する「DDM(Direct Digital Manufacturing)」の活用により工場改革は大きく前進することになった。まず機械の設計・開発費の削減だ。
成形作業の自動化で重要な役割を担う装置にロボットアームがある。金型から成形品を取り出し、コンベアにおいてゲートカットする装置だが、製品によって金型が異なるため、ロボットアームの掴み手部分は製品が変わればその製品用に付け替えることが必要になる。一品一様であることから、新たなプロジェクトを獲得する度に外注していてはコストがふくらむばかりだった。 「数年前、掴み手部分を外注すると、1万ドルで8週間を要しましたが、3Dプリンターを使って社内でつくったところ、600ドル、24時間で済みました。ポイントは、一品一様という点です。受注製品が増えるほどにコスト削減効果は大きくなります。また、つくってみて不具合があった場合、3D CADで設計しなおし3Dプリンターですぐに造形できるため改善も容易です」と担当者は話す。 同社の工場内には、さまざまな形状をしたロボットアームの掴み手部分が壁一面にかけられている。これらすべてを外注していたら、膨大なコストを要したことは明らかだった。
また外注で製作したものは鉄やアルミを切削して製作していたため、20ポンド(約9kg)の重さがあったが、3Dプリンター製はABS樹脂でつくられており、70%から80%の軽量化が図れた。これにより思わぬ効果も生まれたそうだ。 「若い作業者が誤った操作で掴み手部分を金型の上に落としてしまうというアクシデントが起きたとき、ABS樹脂でつくった掴み手部分だけが壊れ、お客様の金型は無事でした。もし鉄製だったら大切な金型を破壊していたことでしょう。作業の遅延はもとよりお客様との間の信頼関係にもヒビが入ります。また作業のしやすさや安全面でも非常に有効です。軽くて持ち運びがしやすいですし、万一、足の上などに落としたとしても大けがを防ぐことが可能です」
超音波溶着する加工機(部品投入、ターンテーブル、溶着、安全カバーなどで構成)の開発もコスト削減効果が顕著にあらわれた。外注先の見積もりは約5万ドルだったが、強度が必要となるターンテーブル以外の部品を3Dプリンターで造形し社内で製作したところ8,800ドルにコストを抑えられた。安全カバーは薄くて複雑な形状のため、切削では大変な作業となり材料の無駄も多くなる。また、コスト削減では3Dプリンターの設計のしやすさもポイントになるという。
「この加工機を設計したのは知り合いの工学部の学生です。鉄やアルミを切削してつくる場合、ねじ穴の位置など専門知識が必要となりますが、3Dプリンターは形状の自由度が高く、専門知識や経験はあまり重要ではありません。3次元CADで現場のニーズに応えるかたちを設計することに集中できます。」 工場内の機械に関して、3Dプリンターにより社内で設計、開発を行える体制ができたことはメンテナンスも含め、将来もコスト削減効果を期待できる点が大きい。



ノウハウを活かしコンサルティング、教育支援事業を展開

5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の推進にも3Dプリンターを役立てている。引き出しの中で工具をキレイに収納できる治具や、金型で使うノックアウトピンをサイズごとに壁にきちんと整理できる治具など、現場で「こういうものがあったら」というアイデアをすぐにかたちにし、さまざまな治具をつくっている。
同社は、機械の設計・開発、治具づくりなど3Dプリンターを活用した工場改革のノウハウを活かし、コンサルティング事業をスタートさせた。また、3Dプリンター教育の支援事業も展開している。
現在、同社には5台のFDM(Dimension 2台、FORTUS400mc 2台、FORTUS900mc 1台)、1台のSmoothing Stationがある。3Dプリンターの活用範囲が広がるほどに段階的に増設していったのだが、今後も射出成形機よりも3Dプリンターに投資していく予定だ。
成形メーカーから、試作の請け負い、コンサルティング、教育支援まで事業の幅を広げているThogus社。その未来は3Dプリンターとともに大きな可能性を秘めている。




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