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ロボティクス分野 3Dプリンター活用事例

サンビット株式会社 様


サンビット株式会社
ロボティクス&メカトロニクスグループテクニカルリーダー 八谷 健 氏

ロボット生産性向上に欠かせないロボットのスピード
エアグリッパーの軽量化で驚きの速さを手に入れる

ロボットの高速化をめざして

今や工場に欠かせなくなったロボット。
例えば自動車工場で、もしもロボットがものすごいスピードで車を組み立ててく れたら、車の生産効率は極めて高くなり、一気に販売することができる。自動車 工場だけでなく食品工場など、さまざまな工場でも同じことが言える。特に、食 品搬送ロボットの価値は「スピード」で決まる。そのような価値の高いロボットの 開発・販売を業務の柱の一つとしているのが、福岡市に本社を構えるサンビット である。
もともとはソフトウエア開発からスタートしたが、その後、電気電子回路設計、機 械設計、デジタルエンジニアリングと次々に新たな領域へと進出し、業容を拡大 してきた。そして、数年前から取り組んでいるのが高速搬送の「パラレルリンクロ ボット」である。
「このロボットの特徴は、先端部が軽量な構造でできているので、高速動作を得 意としている点です。当初は食品や医薬品などのパッケージの高速搬送がほと んどでしたが、最近は電子部品の実装などにも用いられるようになりました。ロ ボットは市販品ですが、当社がロボットシステムインテグレーターとしてお客様 の用途に合わせてカスタマイズしています。」
パラレルリンクロボットは、エア正負圧で搬送されるものを吸着したり離したり する仕組みだが、先端部のエアグリッパーが重いとその分動作も遅くなるた め、できるだけ軽量にする必要があった。そこで目をつけたのが3Dプリンター だった。




食品高速搬送用パラレルリンクロボットデモ機


DDMでエアグリッパーの軽量化を図り超高速の世界へ

サンビットが初めて3Dプリンターに出会ったのは2012年。
「それまでエアグリッパーは金属加工品と市販の吸着パットで対応していました が、重量があるためどうしても動作が遅くなっていました。樹脂用3Dプリンター であれば、1ピース化が可能で剛性も得られ、何より軽量化につながるだろうと 試してみることにしました」
結果は想像以上だった。ロボットを動かせるスピードが格段に上がったのだ。ネ ジ穴加工も容易で、市販のパッドなども取り付けられた。
サンビットは「これはいける」と、別のエアグリッパーの改良にも着手する。最初 に3DプリンターによるDDMでつくったエアグリッパーは、お茶漬け海苔などの 軽量なものに用途を限定していたが、需要があったうどん2個(134g×2= 268g)にも対応できるようにエアグリッパーの形状を変えることにしたのだ。 結果は、またも見事なものだった。従来の金属製汎用グリッパーは、重量もある ため、1分間に75個の搬送が限界だった。ところが、3Dプリンターで造形した DDMエアグリッパーは、1分間に100個の搬送が可能になった。実に33%もス ピードがアップしたのだ。新型エアグリッパーの重さは、ABS樹脂と部品を足し ても329gという軽さだ。
丸紅情報システムズは、Stratasys社から新発売された高耐熱、食品接触認証 (米国)のULTEM 1010で樹脂充填密度を下げた軽量モデルの開発を提案。早 速、造形したところ256gと30%近くもの軽量化に成功し、さらなる高速化が実 現しそうだ。
軽量な高速搬送グリッパーを積極的に販売展開しているロボットシステムインテ グレーターは非常に少なく、サンビットはオンリーワンの地位を確立しつつある。 現在、包装前の冷凍食品を直接搬送する要望が入っており、実験を重ねている 段階だ。
限りない軽量化でロボットのさらなる高速化をめざすサンビット。多くの工場で DDMエアグリッパーを装着したロボットが活躍する日は近い。



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