自動車・航空宇宙部品に塗布する接着剤の塗布状態を3D計測、検査 新技術により生産ラインの塗布工程における検査工数を大幅に削減

丸紅情報システムズ株式会社

丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:渋谷区渋谷3-12-18 社長 伊吹 洋二)は、自動車・半導体産業向け検査計測システムメーカーの米コヒリクス社(Coherix, Inc. ミシガン州、社長 ドワイト・カールソン氏/Mr. Dwight Carlson、2004年設立)が開発した、自動車・航空宇宙メーカー等の生産ライン使用する、接着剤の塗付状態を3次元で測定する検知システム(3D塗布状態検知システム)「プレデタースリーディー(Predator3D)」を2016年4月18日から発売します。

「プレデタースリーディー」は、生産ライン上の各部品へ接着剤を塗布するディスペンサ装置に、1.7キログラムという小型、軽量の製品本体を直接取付けて使います。塗布されたと同時に、接着剤の幅、高さ、断面積、位置といった塗付状態の欠損や過不足などがないか、良否判定を行います。塗布しながら検査を行うため、塗付状態を確認する工程を省くことができます。4個のレーザーとカメラを搭載しており瞬時に3次元計測を行い、必要に応じて形状計測結果のデータを2次元および3次元で出力が可能です。これまで主流だった2次元による画像検査システムが接着塗付面の幅だけを検査するのに対し、本製品は「幅」に加え「高さ」「断面積」のデータ取得が可能となります。また、2次元では難しかった、黒色部品上の黒色塗布剤の検査も実現します。気密性・密着性を必要とするような部品組み立て工程において利用されているFIPG(Formed In Place Gasket)と呼ばれる接着と密閉を兼ねた塗布剤に利用することも可能です。
付属のWindows内蔵プロセッサーボックスにデータを保存しておくことにより、トレーサビリティの確保にもつながります。専用PCは必要無く、閾値等の初期設定後すぐに使用できます。製品本体とディスペンサ装置を動かすロボットとをつなぐケーブル以外は配線の必要もありません。

近年、自動車分野を取り巻く環境は、CO2の排出規制や燃費向上の観点から、自動車の質量軽減、とりわけ車体にはさらなる軽量化が要求されています。構造用接着剤は従来のスポット溶接に比べ軽量化に大きく貢献します。また車体材料である鋼板の薄型・高張力化やカーボンなど複合材の利用が進み、接着面の強度を上げるために塗付面積が大きくなるなど、構造用接着剤の使用量が大幅に増加しています。

MSYSは、既に取扱い中の計測機器に加え「プレデタースリーディー」をラインアップし、ものづくりの生産現場での販売実績を一層増やしていく構えです。販売開始から3年間で10億円の売上をめざします。「プレデタースリーディー」の販売価格は500万円前後(予価/税抜)より。

MSYSは、2012年にコヒリクス社と国内総販売代理店契約を締結し、1マイクロメートルの精度で機械加工部品などの平面形状計測が簡単かつ迅速に行える、非接触式三次元平面計測システム「シェイピックス(ShaPix®)」を、自動車、航空機等の輸送機械市場や燃料電池、情報機器市場向けを中心に販売して来ました。

2016年4月19日(火)~21日(木)にポートメッセ名古屋で開催される「第1回 名古屋 設計・製造ソリューション展」に出展し、「プレデタースリーディー」の展示、デモンストレーションを実施します。

【Predator3Dセンサ本体とWindows内蔵プロセッサーボックス】 【4つのレーザーウィンドウと4つのカメラを内蔵】
imag_info_2016_0418_01.jpg imag_info_2016_0418_02.jpg
【エンジン部品使用例】 【ボディパーツ使用例】
imag_info_2016_0418_03.jpg imag_info_2016_0418_04.jpg