NASAがEggplantを採用、宇宙船「オリオン」のテストを実施
今回は宇宙開発分野で利用されているソリューションについてご紹介したいと思います。
NASAのアルテミス計画のミッション1として、カプセル型無人宇宙船「オリオン」が打ち上げられたのは2022年11月、 そして26日間の宇宙の旅を終え「オリオン」が地球に帰還したのは2022年12月11日(米国時間)でした。
そんな「オリオン」のテストにEggplantが利用されていました。
2022年11月の打ち上げに至るまでのテストで無謬性(絶対に間違いが起こらないこと)や乗組員である宇宙飛行士の完全な安全を確認することが必要でした。
結果、Eggplantは地球から280,000マイル離れた場所で、オリオンのミッションコントロールパネルの動作を100%保証することを成し遂げたのです。
オリオンのグラスコックピットには、3つのディスプレイユニット、7つのスイッチインターフェースパネル、2つの回転ハンドコントローラー、2つの並進ハンドコントローラー、2つのカーソルコントロール装置が 装備されており、そのディスプレイユニットはさまざまな表示形式によって、状況に応じた通知や クルーにアクションを起こさせるためのデータを提供しますが、NASAによると「オリオンのディスプレイとコントロールは、正常な場合・異常な場合のいずれのシナリオでも、 クルーが集中的に操作できるように設計されています。また独自に開発されたエレクトロニック・プロシージャによりクルーは直接的な操作が行えるので、作業負荷も軽減されます。」
このプロシージャは、クルーが計画した作業を効率的に進め、作業負荷を軽減する為のものです。かつ、 故障や異常が発生した場合には警告を発し、乗組員全員の安全を確保しながら、クルーが取るべき緊急行動が ディスプレイに表示されるのですが、これらすべてにおいて、ひとつの障害もなく動作することと その継続的なテストが求められました。
こういったテストを遂行するために、NASAのジョンソン宇宙センターのラピッドプロトタイピングラボ(RPL)と テキサス大学タイラー校はEggplantテスト自動化ソリューションを選択しました。
アルテミス計画のミッション2では2024年に月を周回する有人飛行が、さらにその1,2年後のミッション3では
月の南極近くに着陸することを目指しています。
今後も様々なテストが繰り返し行われ、宇宙船の安全を担保するためにEggplantが貢献するのでしょう。
このEggplantの話題だけでなく、アクシオム・スペース社の宇宙船開発プロジェクトでEmbold(多次元ソフトウェア品質分析ソリューション)が使用されているという情報も、最近メーカーから展開されてきました。
何かと話題の多い宇宙分野のソフトウェア開発、これからますます注目が集まりそうですね!
参考資料 NSF記事:SpaceX launches Axiom-2, before arriving with four astronauts to the ISS