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3Dプリンティングがロボットをよりに身近に?掲載日:2017/08/02

3Dプリンティング。近年のブームのおかげで、広く知られ、様々な分野で使われるようになってきた一方で、正しく理解されていなかったり、よくわからなかったり、まだまだ知られていない使い方も可能性もあります。私も日々の仕事で「?」や「!」と思うことがしょっちゅうあります。みなさんもそうかと。

そこで、3Dプリンティングの達人や、これから使おうとされる方にも、3Dプリンティングの「?」や「!」ついて、これからこちらのブログで少しずつお伝えし、また一緒により良い使い方を考えていければと思います。

弊社の営業担当者が出張先の新潟の書店で、東京では見たことがない、ロボット組み立てキット月刊誌を見つけたとのこと。最近続々と新しいロボットが生まれ、ますます身近なものになってきているようですが、それには3Dプリンティングがどのように関わっているかを見てみますと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

書店で見つけた「ジェイダイトRC」

先日、弊社営業担当者が新潟で手に入れた「超自動変形ロボ ジェイダイトRC」組み立てキット週刊誌(DeAGOSTINI社刊)の創刊号を筆者に見せてくれました。

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数年前よりこのような2足歩行ロボットの組み立てキット週刊誌が販売され始め、かなり売れていると聞いていて、本屋で新作を見かけると「また増えたな」と気になっていたのですが、これは見たことがなく、驚きました。

なぜ驚いたかというと、「ジェイダイト」のことは前から知っていて、弊社の販売した3Dプリンターが開発に使われていたからです。

ジェイダイドのホームページのトップページに流れるムービーの背景に、よく見ると3Dプリンターが写っています。

詳しくはホームページの内容をご覧いただきたいのですが、概要をホームページから下記に引用させていただきます。

 

神器建造ジェイダイト

次世代を作るロボット技術の研究を行う「Project J-deite」の公式ウェブサイトです。現在、2017年の完成を目指して、全長3.5mの変形ロボット「J-deite RIDE」を建造しています。

筆者も子供のころからロボットアニメを楽しんできたので、このようなロボットが現実になることはとても楽しみなことなのですが、もちろん簡単なことでないことは想像できる一方、モーター、センサー、制御プログラム、CADやシミュレーション、3Dプリンティングなど、様々な科学技術の発展が、このような夢の実現につながっていると思います。

本物のジェイダイトを買うことは夢のまた夢ですが、ミニチュアでも変形して動く「ジェイダイトRC」なら手が届きそうです。それもドライバーでほとんど組み立てられるという、その設計と金型・成形技術の進歩にも驚かされます。みなさんも書店でみつけられたら、ぜひ手に取ってみてください。

 

インフラ点検ロボットにも3Dプリンティングが

7月に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンスTOKYO」という展示会に行った際にも、3Dプリンティングが使われたロボットを見つけました。

Stratasys uPrint SEをお使いいただいている株式会社イクシスリサーチ様はブースにて、様々な橋梁、トンネル、道路、プラントなどのインフラ設備の劣化や異常を人に代わって点検する各種ロボットを展示され、それらに多くの3Dプリント部品が搭載されていました。

 

・ワイヤ吊り下げ式目視点検ロボット

 

橋梁や高架道路の裏側に金属ワイヤーを渡し、それに沿って遠隔操作で移動し、背中についたカメラ様々な撮影をするロボット。写真の丸印の部品は、風による揺れを抑えるための部品で、3Dプリント製だそうです。

・超遠隔地監視ロボット

自走式の台車に、高く上に伸び縮みするアームと先端カメラが取り付けられ、高い位置から離れた場所の撮影ができるロボット。写真丸印のカメラカバーが3Dプリント製部品だそうです。

・橋梁裏面撮影用ドローン

これも人が近づけないような橋梁などの裏側を撮影するため、市販のドローンに各種カメラを固定する部品が3Dプリント製だそうです。このドローンは来場者の方に好評で、「すぐ買いたい」という話もあったそうです。

 

 

 

ロボットの開発から実用部品まで 3Dプリンティングが使われる理由は?

前述の例だけでなく、ロボットの開発で必要な試作品、または実際に使われる部品に、3Dプリンティングが使われることが本当に増えています。

特に強度や耐久性、耐熱性があるプラスチックが造形できるFDMが使われるケースが多いのですが、考えられる理由としては、このようなことが考えられます。

・ロボットはコンピュータ上のシミュレーションだけでは設計通りに動くかの検証が難しく、「作る→動かす→設計を直す」のサイクルを繰り返す必要性が高く、組み立てて動かせる部品が3Dプリンティングで速くできる。

・ロボットの部品は軽さと剛性と機能の両立を求められることが多く、また実用でも分解整備、修理、交換が頻繁に必要なことから、構成部品数が少ない方が有利。3Dプリンティングでは機能に最適な形状を少ない部品で設計でき、かつ厚肉の内部密度を減らすような造形もできることから、形状で剛性を保ちながら軽量化できる。

3Dプリンティングが適する部品は全体としてまだ一部なのも現実ですが、それでも多くのロボットが私たちの身近なものになっていることに、大きな役割を果たしていることは間違いないと思います。

今後も他の技術発展と共に3Dプリンティングが「J-deite RIDE」の様な夢の実現を少しでも近づける役割を果たしていけると良いと思いますし、私どもも出来ることを一つずつ進めていきたいと思います。

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