製造ソリューション事業本部

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3Dプリンティングでの「ジャーニー」と「PPAP」とは?掲載日:2021/02/10

3Dプリンティングに関係する海外オンラインウエビナーなどに参加していると、よく出てきて気になる言葉があり、それは「ジャーニー」と「PPAP」です。どちらも聞いたことがありますが、3Dプリンティングの世界でそれらはどのような意味でどうとらえるべきかというと…

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

「第32回 設計・製造ソリューション展」に出展

特定都府県の新型コロナウイルス緊急事態宣言は延長され、筆者も在宅勤務が続いています。みなさんの中にも在宅勤務のために工夫したり努力されている方は多くいらっしゃると思いますが、筆者は出勤と同じようなオンオフ切り替えのため、始業前と終業後にとにかく家を出て帰ることを習慣にしています。そのおかげで通勤では通らない近所の公園の梅から春に移ってきていることを感じ、寒いのが苦手な自分としては明るい兆しに少しホッとしています。

さて、先回のコラムでもご案内したとおり、弊社丸紅情報システムズは2月3日~5日に開催された「第32回 設計・製造ソリューション展」に出展しました。会社として感染リスク低減のため説明員を最小限にしたことから、筆者は1日だけ調査のため参加しました。ブースにお越しいただいたのにお会いできなかった皆様には申し訳ございませんでした。弊社ブースは様子は写真をご覧ください。

 

 

 

 

 


昨年末に発売発表されたストラタシス新製品「Objet30 Pro™ V5/Objet30 Prime™ V5」とDesktop Metal Studioプリンターも展示しました。

 

 

 

 

 

当然会場は例年より来場者が少なかったですが、やはり展示会ならではの情報収集や会話が出来ました。

「ジャーニー」と「PPAP」

こちらも変わらず多数開催されている国内外のオンラインイベントやセミナーにも参加していて、これも先回お知らせした1月29日開催 第7回 AMオンラインカンファレンスにも進行と講演者とのパネルディスカッションモデレータとして参加し、また新たに学んだり、貴重な意見交換が出来ました。その中で海外先進地域と日本との3Dプリンティング普及活用の差と、なぜ、どうするとよいかの話題があり、もちろんそこで結論が出たわけではありませんが、筆者が海外のオンラインセミナーで最近よく聞くけれども、国内ではあまり聞かれない「言葉」に、それを考えるヒントがあるのではと感じました。それが「ジャーニー」と「PPAP」です。

「ジャーニー」はもちろんカタカナ英語としても旅の意味でみなさん良くご存じですし、筆者と同世代の方はアメリカのロックバンドを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。しかし3Dプリンティングの世界で使われる場合は、数年もしくは十数年の長さで、3Dプリンティングの活用を段階的に進める「長い道のり」のような意味で使われているようです。また欧米の航空や自動車産業の大企業で3Dプリンティングを先進的に活用している企業の方々も、よく「長い道のりがあって今がある」だけでなく、「まだ途中でこれから先の道のりを進んでいく」というときに「我々のジャーニー」と表現されています。つまり、3Dプリンティングを瞬間的または即効的に使うのではなく、まだ遠く見えていないけれども先にある「到達点」に向けて「今使う」という共通した視点があり、残念ながら国内ではこの視点がなかなか見られないことから「ジャーニー」という言葉もあまり聞かれないのかもしれません。もう少し深読みすれば、「ジャーニー」には「一人旅」ではなく「大勢で共に進む」というニュアンスも含まれているのではないか、それも日本では欠けていることかとも思っています。

もう一つは「PPAP」です。これは少し前に日本発で世界中で流行った動画を思い出す方が多いと思いますし、最近ではセキュリティーのためメールの添付ファイルをパスワード付き圧縮ファイルで送ることも指すそうですが、ここではProduction Part Approval Processの頭文字で、「ピーパップ」と読み、「生産部品承認プロセス」のことで、アメリカ自動車工業会 (AIAG)が発行するマニュアルに沿って購買する部品や材料が適切かどうかを承認する手続きだそうです。ご存じの通り欧米の自動車メーカーではカスタマイズ部品や少量生産部品を3Dプリンティングで生産し始めていますが、3Dプリンティング部品にも適用されている様で、このような産業規格も自動車メーカー含む産業全体で協力して作っているそうです。このように、3Dプリンティング部品評価方法を企業単位ではなく、産業全体で作り共通利用することで、個々の企業が重複して行わなくても済むような動きは重要で、日本ではまだ見られませんが、今後必要だと考えます。

最近の「クラブハウス」など、海外から入ってくる新しい言葉についていくのは大変ですが、海外で多く聞かれる用語を探ってみると、日本との違いやこれから進むべき方向を知るヒントになる例はほかにもあると思いますので、また見つかればこのコラムでもお伝えしたいと思いますし、みなさんもご存じでしたらぜひ教えてください。

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