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海外3Dプリンターメーカーの新しい取り組みとは?掲載日:2021/02/24

新型コロナウイルスにより世界中で「ニューノーマル」への変化が見られますが、3Dプリンティングの世界も例外ではなく、特に海外3Dプリンターメーカーが情報発信や新製品開発への新しい取り組みをする例が見られます。それはどのようなことかというと...

筆者紹介

丸岡 浩幸

丸紅情報システムズ株式会社 製造ソリューション事業本部モデリング技術部アプリケーション推進課スペシャリスト。Stratasys樹脂3Dプリンター、DesktopMetal金属3Dプリンターの国内外の活用情報収集発信、より良い活用方法提案、開発業務を主に担当。

Stratasys社の新しい取り組み

ご存じの通り2月13日23時過ぎに最大震度6強の地震が発生しました。直接または停電、断水、交通障害などで被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。筆者も横浜の自宅で久しぶりに長く大きな横揺れを感じました。3Dプリンターをお使いの方の中でも「心配したが3Dプリンターは大丈夫だった」とおっしゃる方もいらっしゃいました。3Dプリンターにも揺れに強い機種、影響を受けやすい機種がありますが、全体としては比較的強い、もしくは復旧が速い工作機械ではあります。それでも落下、転倒はもちろん、急停電は大きな故障につながりますので、今一度転倒落下防止や停電への対策を確認いただくことをお勧めします。弊社丸紅情報システムズ株式会社でもお客様への対策実績がありますので、ぜひご相談ください。東日本大震災後10年ですが、よく言われるようにいつでもどこでも「震災前」であることを忘れないようにしたいものです。

さて、これも大災害と言える新型コロナウイルスにより、世界中で「ニューノーマル」への変化が見られますが、3Dプリンティングの世界も例外ではなく、特に海外3Dプリンターメーカーが情報発信や新製品開発への新しい取り組みをする例が見られます。最近のニュースからその例をいくつか紹介します。

まずコロナ禍前までは、特に欧米の3Dプリンターメーカーは、春にアメリカで開催されるRapidと冬にドイツで開催されるformnextの2大展示会に合わせて新製品開発を計画、発表し、大きなブースと多くの社員で出展し、詳しい説明と共に実機やサンプルを見ながらその場で商談をするというのが「ノーマル」でした。ところが昨年末のformnextはオンライン開催となり、今年4月にシカゴで開催するとされていたRapidは9月への延期が発表され、ノーマルなことが今年も出来なくなりました。もちろん各社盛んにオンラインによる情報発信はしていますが、先日動画配信サイトでStratasys社が下の動画を公開していました(英語のみ、音声付き)。

展示会でも自社でも、ましてやオンラインでも実機やサンプルを見ていただけないならメーカーからお客様に近づけばよいと、巨大トレーラーで動くショウルームをすぐ作るのはアメリカらしいと言えばそれまでですが、これまでに無かった取り組みだと思います。3Dプリンターの良いところとしてモバイル化しやすいので、移動式3Dプリンターの例はこれまでもありましたが、おそらく今後もっと増え、「ニューノーマル」にもなっていくのではないでしょうか。

同じくStratasys社が最近公開した動画はもう一つの新しい取り組みの例です(日本語字幕、音声付き)。

既に日常お使いの方も多くいらっしゃると思いますが、Keyshotという3Dレンダリングソフトウエア製品があり、CADなどで作られた3Dデータから、実際に近い見た目の静止画、アニメーションなどを作るソフトウエアですが、そこでデザイナーがつける色、模様、立体凹凸のテクスチャの情報を3MFフォーマットファイルで出力できるようになり、それをStratasysのGrabCADPrintで読み込み、J850やJ55などでフルカラープリントできるようになっています。新しい取り組みとしては、まず従来グラフィックス系のソフトウエアからフルカラー3DプリントするにはいくつかのCG系フォーマットファイルやソフトウエアを経由する必要が多かったのですが、それが3MFひとつで済むようになったこと、また設計CADとは違うグラフィックソフトウエアのメーカーと3Dプリンターメーカーが連携し始めたことで、更にコンパクト、音が静かでデザイナーのすぐそばで使えるJ55により、色、質感、触感含めたデザイン検討を最終製品に近く、より多種のモックアップで短期間に評価できるようになったこと、加えてその過程で人、モノの移動もこれまでより減らせることは、ウイルス感染対策だけでなく、エネルギーやCO2排出削減の点からも、上記のプロセスがこれからの「ニューノーマル」になっていくかもしれません。

その他の3Dプリンターメーカーでも、これまでは見られなかった小企業やソフトウエア企業との連携開発、仕上げ加工機メーカーとの連携、自社とは違う3Dプリント工法のメーカーの買収、複数メーカーの機種や工作機械とも同じソフトウエアシステムで運用管理が出来るよう3Dプリンターとの直接データ通信を可能にする動きが盛んに行われ、新しい取り組みのニュースが多くなっています。これまではどちらかというと3Dプリンターメーカーは「自社技術の製品に拘り、閉じがち」でしたが、市場やユーザーのニーズに応え、より「オープン」に変わりつつあると思います。これらが「ニューノーマル」になっていくことはユーザーにとってもよいことだと思います。

オンラインイベントのお知らせ

筆者が参加するオンラインイベントの予定をお知らせします。

構造計画研究所・丸紅情報システムズ共催
構造最適化&3DプリンティングAM2.0の世界
【開催日時】2021年3月4日(木)13:30~15:45
【詳細】 Zoomによるオンライン配信 参加費無料
詳細・参加お申込みはこちらをクリックしてをご覧ください。

HiramekiWorks(ヒラメキワークス)については過去のコラムでも何度かお伝えしてきましたが、株式会社構造計画研究所様が開発販売されるSOLIDWORKSアドイン構造最適化ソフトで、トポロジー最適化と形状最適化の併用ができる優れた点に加え、この度最適化形状をより滑らかな曲面に自動改善する機能が追加され、より3Dプリンティングに適した形状を設計できるようになりました。

日本の製造業の未来展 2021年春
最先端の技術、プロダクトについて、その場で話を聞けるオンライン展示会
【開催日時】2021年3月8日(月)~10日(水)13:00~17:00
詳しくは別途お知らせする予定ですが、弊社丸紅情報システムズ株式会社も出展予定で、
出展社ごとに仮想のブースがあり、個別の双方向オンライン面談や、質問もできるセミナールームがあり、筆者も講演をする予定です。詳細・参加お申込みは下記サイトをご覧ください。

https://expo-miraiten.jp/

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