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造形方向について掲載日:2017/02/20

FDM方式の3DプリンターはABSなどの熱可塑性樹脂を熱で溶融、積層することでモデルを造形します。

約0.1mm~0.3mmの指定積層ピッチ(機種によって相違あり)で樹脂を積層していくため、造形方向によってモデル強度、造形時間、モデルの精細さなどが異なります。

造形を実施する際は、完成モデルの使用用途や目的を把握したうえで造形方向を検討する必要があります。

造形方向によるモデル強度、造形時間、モデル精細さの違い

  • enchutate図1
  • 図2

図1と図2は円柱形状のSTLデータを立てた場合と寝かせた場合の造形データです。

Z方向に樹脂を積層していくため、図1の造形方向では、積層方向に対して直交する赤矢印の方向からかかる力に対し、完成モデルの強度は弱くなります。

一方、図2の造形方向で造形したモデルは、図1と比較した際に同方向からの力に対し強度は強くなります。

また造形時間も大きく変わり、図1の方向ではZ方向に高さが出てしまう分、図2の方向と比較し機械動作が多くなり造形時間が長くなります。

またモデルの精細さにも違いがあり、図1の方向では円がきれいに造形されますが、図2の方向では積層段差が発生してしまいます。

このように、同データでも造形方向が異なるだけで、モデル強度、造形時間、モデル精細さに相違が発生しますので完成モデルの使用用途や目的を把握したうえで造形方向を検討する必要があります。

サポート生成条件について

  • 図3

FDM方式は、熱溶解させた樹脂を積層していくため、屋根形状になる部分に関しては下層に支えがない状態では積層造形することができません。

よって支えるべきモデル面がある場合はサポート材という別の樹脂にて支え部分を積層します。

サポートはモデルの最底部に必ず付加されますが、他条件として図3のとおり基本的にモデルの側面の傾きが45度以下の場合(水平面を基準として)にサポートが必要と判断し、自動的に生成されます。*角度は機種や使用材料によって若干異なります

サポート材が多く付加される造形方向で造形した場合、装置動作が増えるため、基本的に造形時間が長くなり、完成後にサポートを除去する工数も多くなります。

またサポート材が接するモデル面は接しない面に比べて若干の面の荒れが発生しますので、モデル面の精細さにも影響があります。

前項の造形方向による相違点とあわせてサポートの生成条件も把握し、造形方向を検討する必要があるといえます。

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