CASE STUDY活用事例

金属3Dプリンター導入
多品種の部品製造を短縮化

  • 多品種の部品製造を短縮化
    • 開発期間短縮
    • カスタム品生産
    • Shop システム

    Wall Colmonoyは、自動車から鉱業、食品に至る多様な顧客向けにエンジニアリング部品の開発と製造を行っています。毎年数千個の在庫用部品の製造、新規開発、そして既存の設計変更を、コスト削減、納期短縮の課題と合わせて対処するために、Shop システムの金属バインダージェット方式に目を向けました。

00 概要

Wall Colmonoyの物語はColmonoyと呼ばれる合金を開発した2人の冶金学者であるNorman ColeとWalter Edmondsにより始まりました。この画期的発明の重要さに気付いた起業家A.F WallがColmonoyの特許を買い、1938年に会社設立、初期の製品を市販しまし た。初のニッケルベースの表面硬化合金であるColmonoyは、石油産業でダウンホールツールとドリルビットの寿命を延ばすために広く使用されていました。それに続いた革新は1950年代に新しい高温ニッケルろう付け技術であるNicrobrazの発明によるものでした。そして同社は航空機タービンエンジン部品用水素ニッケルろう付けのパイオニアになりました。

今日、Wall Colmonoyは材料工学、ろう付けおよび表面硬化の幅広い製品に加え、精密鋳造、コーティング、および航空宇宙、自動車、ガラス容器、石油およびガス、鉱業、エネルギーおよびその他の産業分野の工業製品製造の世界的リーダーです。

01 課題

言うまでもありませんが、製造に関しては、あらゆる業界に独自の課題があります。

石油およびガスの採掘に使用される部品は、コンピュータ製品など消費者向け製品に使われる部品より強度、耐食性、硬度の点でより様々に異なる要求に直面し、それを満たすことは様々な製造上のハードルを克服することを意味します。

これらすべてにおいて異なる要求の一方、コストを低く抑え、納期を短縮し、製造停止時間を最小限に抑えるというような、ほぼすべてのメーカーにあるいくつかの普遍的な課題もあります。

自動車から鉱業、食品に至るまで、多様な顧客を有していることで、Wall Colmonoyはその両方に精通しています。

鋳造や機械加工により、これらの幅広い産業に対して毎年数千個の部品を製造するために、同社は型、治工具、固定具の大量の在庫品を作り維持するだけでなく、新しい設計をしたり、既存の設計を変更したりする度に新しい製造補助具をすばやく製造しなければなりません。

コストを低く抑え、納期を短縮しながらこれらの課題に対処するため、同社はDesktop Metal Shopシステムの金属バインダージェッティング技術に目を向けました。

02 Shopシステムによる解決

Shopシステムを使用して、Wall Colmonoyは自社で使う治工具を3D プリンティングで製作することができました。同社はそれにより製造停止時間を大きく削減することができ、また既存の治工具設計をすばやく改善できました。

治工具製作に加えて、Shopシステムでの部品の直接製造により、新しい設計が出てきたり、顧客の要求が変化したりしたときにはるかに機敏に対応できるようになりました。

そのスピードと柔軟性はまた、Wall Colmonoyのお客様においても新しいレベルの設計自由度も広げました。

この度のShopシステム購入はWall Colmonoy の新たなページを開き、我々ができることを大きく広げる金属3D プリンティングの可能性によって新たな気付きを得ました。



Chris Weirman
Technical Director, Wall Colmonoy

広い設計領域を支援するこのテクノロジーにより、Shopシステムによるアディティブマニュファクチャリング(付加製造)は部品統合への扉を開き、Wall Colmonoyのエンジニアは複数のパーツを一体プリント化し、その結果、効率と部品性能の向上につながりました。また、複雑曲面、アンダーカット、片持ち梁のような、従来工法では高価で工数のかかる形状を持つ部品を簡単に作れます。

アディティブマニュファクチャリングは、Wall Colmonoyが従来の製造方法よりはるかに速く設計試行繰り返すことを可能にします。このシステムを使うことで、部品のいくつかの設計バージョンをわずか数日で作り、型成形や切削加工なら必要になるより少ない時間とコストで、設計完了前に実際の使用環境下でのテストができます。

このシステムはまた、在庫の柔軟性を大幅に高めることを可能にします。多数の治工具とスペアパーツを保管および管理するより、Wall Colmonoyは部品形状データファイルを保存し、必要に応じてプリント用のデータを呼び出す「デジタル倉庫」を作ることもできます。

03 なぜDesktop Metal社なのか?

Desktop Metal Shopシステムに投資する前に、Wall Colmonoyのエンジニア達はレーザーベースの金属3Dプリンターを調査し、多くの限界があることもわかりました。

ビルドプレートとサポート構造を分離するために必要な様々な後処理に加えて、レーザーベースのシステムは比較的低速であるため、生産能力が低くなり、部品あたりのコストが比較的高いです。

それに比べShopシステムはWall Colmonoyが重視する、はるかに高い生産能力を得ることができました。

もう1つの重要な考慮点は、Shopシステムが、十分に解明され確立された歴史のある粉末冶金で使用されるプロセス、特に金属射出成形(MIM)で使われたプロセスである事実でした。

粉末冶金、特に焼結プロセスでの長い経験により、Wall Colmonoy のエンジニアは、システムがどう働くかと、高品質の3Dプリントされた金属部品を製造できる彼らの能力の両方に自信を持っていました。

04 評価

Desktop Metal Shop システムは、Wall Colmonoyのアディティブマニュファクチャリングにおける最初の導入において大きな成功を収めてきました。

同社が現在のカタログ掲載部品の製造に関連するコストと納期を大幅に削減できることに加えて、Desktop Metal Shop システムを使用したアディティブマニュファクチャリングは、従来の製造では成立できない機能を備えた最適化された部品の新しい設計機会を生みました。

Shop システムにより、Wall Colmonoyは、現在鋳造されている部品(比較的少量で製造されているポンプ部品など)をあらためて見直し、アディティブマニュファクチャリングに移行する可能性もあります。この変更により、部品の製造が簡素化されるだけでなく、他の部品の鋳造生産能力も向上します。

Wall Colmonoyはまた、Shop システムを使用して、高すぎた型費のために以前は見積競争に参加できなかったであろう仕事(特に少量の要求)を引き受けることによってビジネスを成長させました。

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