①何を作るか1人または複数人で考える
コンセプトやアイデアを考えるとき、言葉にしたり、スケッチを描いたりしますが、何かの立体物を作り、それを眺めたり触ったりしながら考えると良いアイデアが速く出ることがあるのはお客様の事例でもよく伺います。
「なんとなくこんなモノ」をまず作り、それを何度か変えながら考えを良くしていくサイクルを速くたくさん回すのに、考える人が自分で作る、または他の人に作ってもらうと「考える時間」も減ってしまいますが、手元に簡便な3Dプリンターがあると、コンピュータで簡単な形を作り、3Dプリンターをスタートし、できるまでの間は考えたり次のカタチをコンピュータで作る時間として使えます。
また、近くにいる複数人で考える場合も、考えを伝えるのに「立体現物」の方が速く正しく伝わるので、それにも3Dプリンターで作った模型は役立ちますし、もし離れた場所、もしくは海外の人たちに考えを伝える時も、作った模型を送ると時間がかかりますが、3次元データを送り、現地の3Dプリンターで作れば、離れていても短時間で考えをやり取りすることができることで、「人が待っている時間」を減らせ、「人が考える時間」を増やせます。
こちらの動画が参考になります。
②どの材料でどのカタチでどうやって作るか考えて決める
これは「設計」と呼ばれる工程にあたりますが、ここでは「考えて、試して、また考える」作業とも言え、このサイクルを決められた期限までにどれだけ回せるかが重要です。
もちろん「試す」のは最近コンピューターシミュレーションが発達し、模型がなくても試せることは増えましたが、やはり「現物による実験評価」の効果は大きいことは変わらないでしょう。
現在多くの設計はコンピュータとソフトウエアで行われることが増え、それは最終量産品、もしくは量産型の加工に使うためのデータとして設計者が作りますが、3Dプリンティングであれば、そのデータを直接模型製作に使えるので、模型のための図面を別に書いたり、模型のための型設計、模型のための切削用NCデータを人が作る時間が不要で、また設計者が設計しない夜や休日に3Dプリンターを動かせば、次に試したり考えたりし始める時に模型がすぐ使える。つまり「考える人が考えることに、限られた時間をより多く使える」のが大きなメリットになります。
模型そのものを作るだけでなく、最近は模型を成形する簡易型にも3Dプリンティングが多く使われ始め、それも「安さ」や「正確さ」より「速さ」がメリットであることが多いようです。
また設計工程で、作るとき、また使うときに起こるかもしれない不具合をできるだけつぶしておくことで、量産型の修正改造、市場での製品不良・不具合による大きな損失を防ぐことの効果は模型を作るコストに対してとても大きく、それを理由に3Dプリンティングを使われ、効果を得られているお客様が多くいらっしゃいます。
③作る人に頼む場合は、②を伝える
設計する人と作る人が違うことは多く、その場合は設計結果を作る人に伝えなければならず、言うまでもなく2次元図面や書類、3次元データが一般に使われますが、それに「立体現物」が加わることで、より速く正確に伝わるようです。
私どものお客様のプラスデザイン株式会社様の事例でも、特に建築は実際に建てるのに多くの専門技能を持った方々が分業しなければならず、依頼者が望むカタチを速く正しく伝えて良い建物を作ることに3Dプリンティングを活用されています。
言い換えますと、正しく伝わらないことにより、完成までに修正、改造など人が時間を使わなければならず、早く正しく伝えることでそれを削減できます。