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金属組織制御のためのDIC・温度分布同時測定
東京工業大学・中田研究室では、金属組織制御のためのミクロ組織の研究が行われています。その中で、GOM社ARAMISとサーモグラフィの同時測定を活用し、金属組織の挙動を可視化しています。

新規加熱冷却装置を用いた電子基板のDIC・温度分布同時測定
本事例では、エスペック(株)様が開発した観察窓が不要な新方式の加熱冷却装置を用い、GOM社ARAMISによる3D DICとサーモグラフィの同期測定を行うことによって、実装基板の変形と温度分布の同時評価を実現した事例をご紹介します。

自動車のNVH対策のための非接触3D振動計測
GOM社ARAMISは非接触で対象の振動やモーションの多点同時計測が可能です。ソフトウエアは計測結果のFFT解析により、さまざまな製品の実稼働解析(ODS)によるモーダルシェイプを得ることができます。
トライアウト回数の削減
CAD/CAM、シミュレーション、光学式測定のプロセスを統合トライアウトの最適化
複雑な形状のシートメタル成形品を最適に作る為には、これまで長いトライ&エラーのプロセスの過程を必要としてきた。しかしBerneckerグループでは、CAD/CAMでの設計・シミュレーション・非接触光学式測定の工程を統合し、多くの金型のトライアウト工程で、大幅な工数削減に成功している。
今日、自動車産業では高いエンジンパワーを要求されている中、排気ガスの排出規制がこれまで以上に厳しくなっている。この高い基準を満たす為に、ターボチャージャーには排気ガス循環システム(EGR)が取り付けられ、未処理排気ガスの窒素酸化物(Nox)排出を減らしている。(例としてVolksWagen社製 Golf GTDに搭載)排気ガス排出規定基準をクリアするためには、このテクノロジー無しでは達成しえない為、EGRはより標準的となるだろう、とBernecker社の開発責任者Thilo Maisenbacher氏は言う。
何年にもわたるBernecker社のシートメタル成形の豊富な技術・経験をもってしても、EGRはベテランの金型設計者へ課題を突き付けることとなった。EGRは複数のステンレスシートメタルから成形されることと、EGR生産において客先からは、しごき加工による明確な板厚の減少値を要求され、これを超えてはならない為である。その為、金型製作と製品成形の工程で、この数値を考慮することが必要となった。
設計・シミュレーション・測定、各工程間での優れたリンク
欠陥がなく基準を満たす製品の開発・生産を保証するため、Bernecker社は設計・シミュレーション・測定の各工程を統合したプロセスを開発した。VISI CAD/CAMシステムを使った金型の3D設計、スプリングバックを計算するStampackソフトウェアでのシミュレーション、スプリングバック調整のVISIを使用したアドバンスモデリング、高解像度3Dデジタイザ(GOM社ATOS Triple Scan)での素早い測定、これらの工程を結合し繰り返すようにした。
ATOS Triple Scanでは数ミリメーターから数メーターの大きさの対象物まで測定可能だが、EGRのような小さい測定対象物に対しても約1/100程度の精度での測定ができる。(※ Bernecker社環境下)まず、スキャニングを行う為にフリンジパターンが対象物に投影される。ここで振動等が生じた場合には、ATOSの2つのCCDカメラによって認識され、自動的にスキャニングが再度行われる。撮影した画像から点群を生成し、対象物の表面形状を細かく再現する。この方式は、形状を全視野的に測定する際には優位であり、コンポーネントの全体形状をデジタル画面で確認できる為、即座に問題点などを発見・予見することができる。
Bernecker社は金型開発のオペレーションへも、ATOSシステムを使用した形状測定を採用した。最初にVISIソフトウェアを使用して金型は3Dで設計され、金型のスペシャリストはVISI CADのアドバンスモデリングを使用し算出したスプリングバックの調整を施し、この金型を用いて成形された部品をATOSで測定、既存の3Dモデルと測定結果とを比較し、必要に応じて金型へ修正を反映させる。
アドバンスモデリングを使用し、まだ残存しているスプリングバックを計算、金型を調整、部品を成形、またATOSで測定、というプロセスを介すことでCADデータとほぼ差異がなくなるようになる。
何年もの間、Bernecker社はVISI 3D CAD/CAMソフトウェアとStampackシミュレーションソフトウェアを使用し、素早く・無駄のない金型作りに取り組んできたが、このサイクルにATOSを追加したことによって、更なる効率化が実現できた。
当初、板厚確認の作業は、成形品を実際に切断し、中を開いて確認をしていた。アイロニング(しごき加工)作業によって生じた最も薄い箇所の把握は、接触式測定機によって確認されていたが、この作業はとても時間が掛かる作業であった。しかしながら、Men at Work社(ドイツ)より、ATOSではVISIデータも取込ができることを聞いたことによってこのプロセスは廃止された。(Men at Work社:南ドイツのITサービスプロバイダー、主にCAD/CAMとシミュレーションソフトウェアを販売)
ATOSによって取得されたメッシュデータは、簡単にVISIへ取り込みでき、VISIによってATOSメッシュデータを面データに変えることができる。Bernecker社はこの機能を利用し、古い金型を再度CADデータ化する取り組みも行っている。15年に渡りスペアのパーツを作る必要があるため、古い金型が多数あるBernecker社にとって、このプロセスは重要となっている。
多くの場合、CADデータはもう残っておらず、客先より提供されたモデルであるため、データを手元で保管ができていなかったためである。今日、製品に欠陥や不具合が生じた際に、製品をATOSで測定したり、また金型のある場所にATOSが持ち運びこまれ、測定されている。
このループの繰り替えしで劇的なコスト削減
このループは逆順も可能である。VISIで作成したCADデータをGOM社のソフトウェアに取り込み、測定プログラムを素早く生成することができる。このようにCAD/CAMでの設計、シミュレーション、非接触光学式測定を統合させ、Bernecker社グループは金型開発の工程において劇的なトライアウト回数の削減を実現し、時間とコストの削減につなげることができた。

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